様々な課題を抱えるご担当者様に向けて 人事・労務なんでもQ&A

休憩時間に実施するランチミーティングは労働時間に含まれるのでしょうか?

ランチミーティングを強制参加としている場合、労働時間に該当します。強制参加の場合、別途休憩時間を設けないと労働基準法違反になる可能性があります。

2021.09.24

詳しく解説

Q.休憩時間に実施するランチミーティングは労働時間に含まれるのでしょうか?

従業員200人規模の企業で人事をしています。社内コミュニケーション活性化のために休憩時間を使って定期的に部署を横断した形でのランチミーティングを実施しています。しかし、数回目の実施後に従業員から「ランチミーティングの時間が労働時間に含まれるのではないか?」と指摘がありました。会社側としては、昼食を兼ねて気軽に意見交換できる場になればと思い実施していますが、指摘があったように労働時間に含まれるのでしょうか。また、ランチミーティングが労働基準法違反に該当するのかも知りたいです。

A.ランチミーティングを強制参加としている場合、労働時間に該当します。強制参加の場合、別途休憩時間を設けないと労働基準法違反になる可能性があります。

ランチミーティングへの参加を強制している、または事実上強制になっている場合、ランチミーティングの時間は労働時間に該当します。例えば、参加しないと評価が下がったり上司から注意を受けたりと、従業員が不利益を受ける可能性がある場合、「強制参加」とみなされる可能性が高まります。そのため、ランチミーティングを実施する場合は別に休憩時間を設けるか、自由参加形式にする必要があります。休憩時間を別途設けないままランチミーティングを実施している場合、労働基準法違反になる可能性があります。

1.ランチミーティングは強制なら労働時間に該当

ランチミーティングへの参加を強制している、または参加しないと従業員が評価や業務において不利益を受ける可能性があり、参加が事実上強制になっている場合、休憩時間ではなく労働時間に該当します。

労働時間とは、従業員が使用者の指揮命令下に置かれている状態です。休憩時間は従業員が自由に使える時間であるため、会社側が従業員の休憩時間の使い方を決めることは原則できません。

コミュニケーション活性化を目的に休憩時間にランチミーティングを実施するのであれば、参加が自由であり、参加しないことで不利益を受けないと従業員に対して明示する必要があります。上長に不参加の連絡が必要だったり、「できれば参加してください」というメッセージを伝えたりすると、従業員が参加せざるを得ない状態であると判断され、労働時間とみなされる可能性があります。

2.休憩時間の定義は?

休憩時間とは、従業員が業務から完全に離れ、使用者の指揮命令下にない状況で、従業員が自由に過ごせる時間です。労働基準法第34条には、「使用者は従業員に労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩時間を与え、休憩時間を自由に利用させなければならない」と明記されています。

ランチミーティングが強制・半強制参加となっていると従業員が自由に休憩時間を利用できず、事実上の労働時間と判断されます。この場合、ランチミーティングの時間とは別に休憩時間を設けなければ、法律上「休憩時間を与えていない」と判断され、労働基準法違反となります。

ランチミーティングへの参加が強制・半強制であっても定期的に実施する必要がある場合は必ず別途休憩時間を付与してください。この場合、同じく労働基準法第34条にもとづき、休憩時間は一斉付与しなければならない原則があります。一斉付与の適用を除外する労使協定を結んで、個別に休憩を取れるように備えなけれなりません。ただし、次の業種の場合は一斉付与の原則は適用されません。

  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融広告業
  • 映画、演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署

3.これも労働時間?曖昧になりがちな労働時間事例

ランチミーティング以外にも、曖昧になりがちな労働時間の例が複数あります。例えば、着替え時間や社内清掃の時間なども使用者の指揮命令下に置かれていると客観的に判断されれば、労働時間に該当します。また、使用者からの指示があったときにすぐに対応しなければならない「手待ち時間」も労働時間に当たります。曖昧になりがちな時間について把握し、従業員の労働時間を正確に管理することで、労働時間に関するトラブルを未然に防ぐことが可能です。以下に挙げる曖昧になりがちな労働時間について解説します。

■制服に着替える時間
■社内清掃の時間
■移動時間
■昼休憩中の来電・来客対応当番

■制服に着替える時間
従業員が制服に着替える時間は、使用者から着替えを強制されていると判断され、労働時間に該当する可能性があります。
例えば、業務で制服着用を義務としていて、衛生的観点から着替え場所を社内に限定しているとします。この場合、従業員は使用者の指示により会社で着替えなければならないため、使用者の指揮命令下にあると判断されます。ただし、従業員が制服に着替える場所を限定していない場合は、使用者の指揮命令下にないと判断されるケースもあります。例えば、「制服での通勤禁止」のルールがポスターで明示されており、これが社内での着替えが義務付けられていることの理由となると従業員側が裁判で主張した例もあります。
いずれにせよ、従業員が制服を着用する企業では、着替え時間が労働時間になるかを巡って従業員と使用者との間でトラブルになる可能性があります。トラブルを防ぐためには、着替え時間を一律5分に設定するなどの運用上の工夫が必要です。

■社内清掃の時間
社内清掃の時間も、使用者からの指示で行われている場合は労働時間に該当します。
口頭や書面での命令がなくても清掃しないことで従業員の評価が下がる、または下がると思わせる雰囲気が社内にあると、暗黙のうちに業務命令があったとみなされる「黙示の指示」と判断される可能性があります。ただし、社員が自発的に身の回りを清掃したり、近くのデスクを拭いたりする行為は使用者の指揮命令下にないため労働時間には該当しません。

■移動時間
移動時間の中でも、所定労働時間内に移動する場合や移動中に業務を行う場合などは使用者の指揮命令下にあると判断され、労働時間に該当する可能性があります。
一方で、移動時間中に従業員が読書や睡眠などを自由に取れる状態であれば、移動時間が労働時間として認められないケースもあります。

■昼休憩中の来電・来客対応当番
昼休憩中の来電・来客対応当番は、従業員がすぐに対応できるよう待機する手待ち時間であり、従業員は自由に休憩時間を利用できません。そのため実際の対応の有無にかかわらず、当番を任せている時間は労働時間に該当します。
ランチミーティング同様、別途休憩時間を与える必要があるので、特定の部署や人が昼休憩中の来電・来客対応当番を行う必要がある場合は、労使協定を締結して個別に休憩が取れるようにしましょう。

まとめ

昼休憩中のランチミーティングは、使用者の指揮命令下にあると客観的に判断された場合、労働時間に該当します。着替え時間や移動時間なども労働時間に該当する可能性があり、放置していると従業員から未払い分の賃金請求や、休憩時間分の労働により法定労働時間を超えていた場合の残業代請求訴訟などのトラブルに発展するケースがあります。

また、休憩時間中のランチミーティングや来電対応などが労働時間に該当する場合、別途休憩時間を与えなければ労働基準法違反となるため実施には注意が必要です。これら労働時間の扱いに関する労務リスクを防ぐには、従業員の休憩時間や中抜け時間も正確に記録しておく必要があり、勤怠管理システムによる把握が役立ちます。

関連記事

従業員の労働時間を正確に管理するなら、アマノのVGシリーズ

勤怠管理
システム
TimePro-VG TimePro-VG

あらゆる働き方を支援する
勤怠管理システムのハイエンドモデル

勤怠管理
システム
VG CLOUD VG CLOUD

ハイエンドモデルの勤怠管理システムを
導入しやすい価格で

人事・労務の課題解決に役立つ お役立ちコンテンツ
ダウンロード