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勤怠管理の意義と重要性

2021.08.20

勤怠管理の意義や目的、数ある勤怠管理の方法でも勤怠管理システム導入によって可能となることを中心に解説します。

勤怠管理とは何か

勤怠管理とは、企業が従業員の勤怠情報を記録し管理することです。労働基準法では、従業員の勤務時間や残業時間、休日数などについて、会社が遵守しなければならない基準が定められています。企業が労働基準法を守り、賃金の支払いを適切に行うには、従業員の勤務日数や残業時間等を把握することが必要です。
2019年4月に労働基準法が改正され、企業には客観的な労働時間を記録することが求めらるようになりました。

勤怠管理はなぜ必要なのか

企業が勤怠管理を行う主な目的は以下の通りです。

1. コンプライアンス違反防止

勤怠管理には労働基準法をはじめとする法律に従い、従業員の働き方や労働時間に問題がないか管理することで企業のコンプライアンスを遵守する目的があります。労働基準法では1日8時間以上、週40時間以上の法定労働時間を超えて従業員を働かせる場合、経営者は労働組合または労働者代表と36協定を結ばなくてはなりません。不正確な勤怠管理によって未払い残業が発覚したり、過重労働が原因の過労死が起きたりすれば、重大なコンプライアンス違反となり、訴訟リスクだけでなく社会的信用を失う事態に発展することもあります。これらのコンプライアンス違反を未然に防ぐためにも、企業は適正な勤怠管理を行わなければなりません。

2. 従業員が安心して働ける環境をつくる

従業員の労働時間を正確に把握することで、労働時間の調整や仕事の配分を適切に行うことが可能になり、業務の集中によるメンタルヘルス不調を未然に防ぐことができます。現在の勤怠状況を可視化することで、従業員一人ひとりに合った働き方の見直しができるようになり従業員が安心して働ける環境づくりにつながります。

3. 人件費を正しく把握する

勤怠管理を行うことによって、従業員一人ひとりや部署ごとの毎月の労働時間が可視化され、それに伴う人件費がどれくらい発生しているかが分かります。人件費がどれくらい発生しているかを正確に把握できれば、効率化すべき業務がどの部署にあるのか、配置転換やツールの導入で必要以上に発生している人件費の削減を検証できるなど、業務効率化に役立ちます

4. 過重労働の早期防止

勤怠管理によって、社内で誰がどのくらい長時間労働をしているかが可視化されるため、過重労働の早期発見・防止につながります。過重労働の早期防止は、従業員の健康悪化や36協定違反を防ぐ上でも非常に重要です。また、過重労働が発生しやすい部署や時期を把握しておけば、部署の人員を増やしたり、業務フローを見直したりといった是正対策も立てやすくなります。

5. 給与計算

従業員の労働時間や休日数を集計し、給与計算を行うには出退勤や労働時間の記録を正確なデータとして残しておくことが必要です。打刻ミスをはじめ不正確な勤怠管理が行われている状態では、毎月の給与計算業務を円滑に行うことができず、給与の支払いに影響が出る可能性があります。適正な勤怠管理は、自社の給与計算を正確かつスムーズに行う前提条件と言えます。

勤怠管理の手法

勤怠管理の手法には、特別な設備がなくても導入できる出勤簿やExcelでの管理、厚生労働省のガイドラインでも推奨されているタイムカードや、勤怠システムでの管理が存在します。それぞれの手法の特徴やメリット、デメリットを解説します。

1. 出勤簿

主に紙の出勤簿に筆記用具で出勤した日付や出退勤時間を記録する方法で、インターネット環境が整っていなかったり、PCが十分に行き渡っていない店舗や事業所、野外で作業を行う業種で利用されています。コストをかけず簡単に出退勤記録を残せることがメリットですが、記入漏れやミスが発生しやすく、また従業員個人で出勤簿を管理する場合は、不正行為の防止が難しいというデメリットがあります。厳密には正確な労働時間の把握ができないことから厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の中では推奨されていません。また、労働時間の集計を担当者が給与ソフトに手動で入力する必要があるため、給与計算に多くの手間と労力がかかります。

2. Excel

Excelシート上に従業員自身が出退勤の時間を入力する勤怠管理の方法です。PC操作が可能な環境なら簡単に導入できるというメリットがあるため、主にデスクワークを行うオフィスで採用されている方法です。しかし、基本的に労働時間は自己申告であるため、客観的な労働時間管理はできません。従業員が実際より労働時間を多く申告したり、上司の命令で少ない労働時間の申告を強いられたり、といったケースを完全に防ぐことができないというデメリットがあります。そのため、Excelによる勤怠管理は出勤簿と同じく厚生労働省の労働時間把握のガイドラインでは推奨されていません。

3. タイムカード

専用のタイムレコーダーによってタイムカードに出退勤時刻を打刻する勤怠管理方法で、従業員が少人数の企業では主流の勤怠管理方法です。インターネット環境がなくても簡単に設備を整えられることがメリットとして挙げられます。またレコーダーによる打刻を行うため、出勤簿やExcelによる自己申告の勤怠管理よりも客観的な勤怠記録として認められています。ただし、タイムカードの出退勤時刻の改ざんや不正打刻を完全に防げないことや、給与ソフトへの入力を手動で行う必要があること、タイムカードを保管する場所が必要などのデメリットもあります。また、あくまで出退勤のみを記録するため、過重労働を見過ごしてしまったり間違った給与計算をしてしまう危険性など、コンプライアンス違反を完全に防ぐことはできません。

4. 勤怠管理システム

勤怠管理を行う方法の中で、最も効率的に従業員の勤務時間を記録できるのが勤怠管理システムです。近年ではインターネット環境があればどこでも出退勤記録が残せるクラウド型の勤怠管理システムが主流であり、客観的かつ正確な勤怠管理が可能な方法として広く普及しています。

勤怠管理システムの場合、PCの画面上で従業員が打刻した出退勤記録をリアルタイムで把握することができるため、従業員の出退勤状況や労働時間の合計がひと目で分かります。労働時間の自動集計機能によって、残業時間のチェックも簡単に行えるほか、給与計算システムとの連携で毎月の給与計算作業も効率化できます。サービスによっては、スマートフォン、タブレット端末、ICカード、生体認証など複数の打刻方法を選ぶことができます。

ただし、システムの導入を成功させるには、自社の課題を把握し、自社に合ったサービスを戦略的な視点で選ぶ必要があります。システムや打刻方法の種類、導入コストを理解したうえで、どのサービスが適しているかを検討しましょう。

勤怠管理システムを導入する目的

勤怠管理システムを導入する目的について、勤怠管理に付随する作業の効率面や不正防止の面から解説します。

1. 法令遵守の徹底

勤怠管理が杜撰だと、従業員から過重労働による法令違反の訴えを受けたり、労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性が高くなります。勤怠管理システムを導入する最大の目的は、従業員の勤怠管理を正しく効率的に行い、法令違反リスクを回避することです。

2019年から施行された働き方改革関連法により勤怠管理に関する法律が大幅に改定されたことから、アナログでの管理がさらに困難になりました。システムを導入することで、法改正に係る時間管理が正確に行え、労務担当者が知らないうちに法令違反を犯してしまう事態を防ぐことができるようになります。

2. 勤怠管理を効率化

勤怠管理システムを導入すると、担当者の手間を減らしながら正確な勤怠管理ができるようになります。またサービスによっては、給与計算や申請業務など労務・人事・総務担当者が行うさまざまな業務の負担を減らすことができます。

3. 給与計算を効率化

タイムカードや出勤簿、Excelで勤怠管理を行っている場合、労働時間を集計した後に、給与計算ソフトへデータを入力し直さなければなりません。手動による入力はミスが起きやすく、また全従業員分の労働時間の入力は毎月多大な業務工数が発生します。一方で給与計算との連携が可能な勤怠管理システムなら入力の手間が省けるだけでなく手入力によるミスを防ぐことができます。故意ではない給与計算ミスが原因であっても、給与が支払われず給与未払いとなれば労働基準法違反に該当します。つまり、勤怠管理システムを導入することで法令違反を防ぐことができるようになります。

勤怠管理システムの多くは、出退勤記録と労働時間をCSVデータで出力する機能が備わっています。CSVデータを給与ソフトに取り込むことで、勤怠データを給与ソフトへ手入力する業務が不要となり大幅な業務効率化が見込めます。また、勤怠管理システムの中には給与ソフトと一体型のものが存在し、その場合は手入力の必要なく給与計算までシームレスに行えます。

4. 従業員の不正防止

自己申告による勤怠管理を行う出勤簿やExcelでは、従業員の正確な出退勤時間が把握できません。そのため、労働時間を実際に働いた時間より多く申告し割増賃金を給与に計上させるといった従業員側の不正を防げないというデメリットがあります。また、タイムカードによる打刻も、「実際は遅刻していたが他の従業員に打刻をしてもらうよう頼んだ」、あるいは「上司がタイムカードを従業員に切らせた後にサービス残業をさせていた」などの不正を完全に防ぐことはできません。

一方、勤怠管理システムの場合、リアルタイムに近い客観的な出退勤の記録を残すことができるため、不正確な労働時間の申告は困難になります。また、IDカードや指紋などの生体認証を用いてログインする勤怠管理システムであれば、第三者による代理打刻を防止できるため、勤怠管理に関する不正を最小限に抑える効果が期待できます。

まとめ

労働基準法をはじめとする法令を遵守し、法令違反リスクをなくすためには、勤怠管理を正しく行う必要があります。勤怠管理の方法はさまざまですが、こまめに変わる法令に対応しつつ、多様な働き方を受け入れ柔軟に勤怠管理を行うためには、自社に合った勤怠管理システムを導入することが近道です。

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