人事・労務の注目用語

労働組合

ろうどうくみあい

公開日時:2022.05.27

労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体のことを指します。具体的には、賃金や労働時間に関わる労働条件の改善を図るために活動し、使用者との交渉も行います。労働組合は人数が揃えば自由に結成でき、認可や届け出も必要ありません。労働組合は結成や交渉する権利が保障されていますが、公務員が結成する労働組合については特別法によりその権利の一部が制限されています。

労働組合の目的とメリット・デメリット

労働組合を労働者が結成する目的と使用者側から見たメリット、デメリットを解説します。

1.労働組合の目的

労働組合は、労働条件の維持・改善や経済的な地位の向上を目的として結成されます。労働組合の活動によって実現できる労働条件の維持や地位向上の例として、連合(日本労働組合総連合)が挙げているのが以下の内容です。

  1. 1.組合員の不満・苦情などを会社側に伝えやすくし、職場の風通しを良くする。
  2. 2.職場のルールや賃金・労働時間などを話し合いで決められるようにし、労働条件を改善する。
  3. 3.不当な解雇や安易なリストラなどをなくし、雇用を安定させる。
  4. 4.働きぶりが公正に評価され、納得して働ける職場環境に改善する。
  5. 5.経営に関する情報を入りやすくし、透明性を増す。
  6. 6.倒産や企業売却などの時に力になる。

2.労働組合のメリット・デメリット

労働組合は労働者の待遇改善のために結成されますが、職場に労働組合がある場合や社外の労働組合に所属していた場合の使用者側のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか。それぞれ具体的に紹介します。

・使用者側のメリット

使用者側のメリットとして第一に期待できるのは労働組合との交渉の結果、働きやすい職場になるという効果です。職場の問題が改善されることで従業員の意欲も向上し、自社の業績アップにもつながります。労働組合の活動により職場内の情報の共有化が進むことで業務が効率化するという効果も期待できます。

また、労働組合が実施する職場アンケートなどで、現場感覚に近い意見や改善要望などの従業員の生の声を得られることも企業にとってはプラスに働きます。

この他にも、日頃から労働組合に職場の不満が集まり問題が生じる前に可視化されるためコンプライアンス強化が図れる、労働組合を介さずに労働者が使用者と争う個別労使紛争を未然に防ぐことできるといった効果も期待できます。

・使用者側のデメリット

使用者側のデメリットとしては第一に労働組合との交渉に応じる労力と手間がかかるという問題があります。使用者は労働組合から手続きを経て申し込まれた交渉には原則応じなければなりません。交渉内容の吟味や経営人での方針検討や実際の交渉の時間確保などが必要で、対応には相応の手間がかかります。また、労働組合との交渉において対応する担当者の知識不足や準備不足によって不適切な対応を取ってしまうと、労働組合から追及を受ける場合があります。

また、労働組合の要求をのむことでコストが増える可能性も考えられます。労働組合が提案した福利厚生施策や賃金アップ案を受け入れることで全体的なコスト増になる場合があるためです。企業は労働組合と交渉しつつ、全体の利益を考えて応じる必要があります。

労働三権と労働組合法

労働組合の結成と活動を保障する法律が「労働組合法」と「労働三権」です。日本国憲法第28条では、労働組合に関する3つの権利を保障しています。

労働三権

1. 労働者が労働組合を結成する権利(団結権)
2. 労働者が使用者(会社)と団体交渉する権利(団体交渉権)
3. 労働者が要求実現のために団体で行動する権利(団体行動権(争議権))

この、労働三権を保障するために、憲法とは別に一般法で労働組合法が定められています。労働組合法が定める事項として、使用者との間での取り決めである「労働協約」を締結する権能を認める、使用者が労働組合および労働組合員に対して不利益な取扱いをするといったことを「不当労働行為」として禁止する、などがあります。

労働協約とは、労働組合と使用者が行った取り決めであり、就業規則や労使契約よりも強い効力があります。不当労働行為とは、具体的には「労働組合の組合員は昇給させない」「労働組合が申し込んだ労使交渉を正当な理由なく拒否する」等の行為を指します。

労働組合の種類

日本において、労働組合は大きく以下の5つに分けられます。

・企業別組合…特定の企業に勤務する労働者が、結成する職種の区別がない労働組合。企業内の待遇改善や職場環境の向上を目的にする。

・産業別組合…職種や職業を問わず、自動車製造、印刷業など同一の産業で働く労働者が結成する労働組合。企業を横断し、同業種の労働者の利益や、その業種の方向性についても提言する。

・職業別組合…看護士、教員、エンジニア、印刷工など特定の企業や団体を超えて職種、職業の労働者で結成する労働組合。

・一般労働組合…職業や企業、産業に関係なくさまざまな企業、産業の労働者を組織して結成する労働組合。

・合同労組・ユニオン…一般労働組合の1つの形態で、職業や企業、産業に関係なく、地域ごとに結成される労働組合。労働組合がない企業の労働者や、非正規労働者などを中心に組織されるケースが増えている。

日本では伝統的に個別の企業ごとに結成される「企業別労働組合」が主流でしたが、現在は企業や業種の垣根なく個人でも加入できる形態の一般労働組合や合同労組・ユニオンに入る労働者も増えています。それぞれの労働組合の特長を把握しておきましょう。

まとめ

労働組合とは、労働者自身が主体となって賃金や労働時間などの労働条件の改善を図る目的で組織される団体のことで、その活動は法律でも保障されています。使用者は労働組合に対する不利益な取り扱いをしてはならず、原則、労働組合が提案した労使交渉に応じる必要があります。

労働組合は「働きやすい職場改善が進む」「コンプライアンスの向上につながる」といったプラスの効果をもたらしますが、交渉に応じる手間や労力も発生することを企業側は把握しておきましょう。日本の労働組合は企業別、産業別組合などが一般的ですが、個人で加盟できる合同労組・ユニオンなども存在します。近年増えているのは、自社内に労働組合がなくとも、社外の労働組合から労働条件の改善を求められるといったケースです。各企業ともに、「自社に労働組合がないから関係ない」とは考えず、交渉の申し出があった場合に備えておく必要があります。

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