勤怠管理ガイド

介護業界の勤怠管理は複雑!勤怠管理システムの導入であらゆる課題を解決

公開日時:2024.05.14 / 更新日時:2024.06.13

超高齢化社会といわれる日本。今後も、ますます高齢化率は高まると予測されています。
そのような状況下で注目されているのが介護業界の職種です。需要が高く、社会から常に求められる仕事といえるでしょう。その一方で、介護業界の働き方は多様かつ複雑であり、職員の勤怠状況を適正に管理することは難しいとされています。
そこで、今回は介護業界に着目し、職員の勤怠管理をするうえでの課題や、それらを解決するための施策などについて詳しく解説します。

介護業界が抱える勤怠管理の課題とは

介護業界には多種多様な働き方が混在し、その管理は非常に複雑です。介護業界が抱える勤怠管理の課題について見てみましょう。

シフト作成の負担が大きい

介護業務は、24時間体制での勤務が求められ、2交代制や3交代制はもちろん、訪問介護などの外勤がある事業所もあります。また、法令を遵守しつつ、職員の希望も聞き、あらゆる条件を加味しながらシフトを作成しなければなりません。

しかも、シフト作成は介護業務の合間に行うケースも多く、担当職員にとって大きな負担となっています。

労働時間や残業時間などの正確な把握が難しい

24時間勤務のなかには、日をまたぐシフトや夜勤も存在します。訪問介護などの外勤では、直行直帰という場合も少なくありません。

さまざまな時間と場所で勤務している職員の労働時間を、すべて正確に把握することは極めて困難です。残業や休日出勤などが発生すれば、その把握はさらに難しいでしょう。

出退勤の管理がしづらい

日々、さまざまな勤務形態で働く職員の出退勤記録を、タイムカードや出勤簿などの紙ベースの記録に頼っていると、打刻ミスや不正が起こる懸念があります。

訪問介護の直行直帰においても、報告書と電話でのやりとりが主となると、行き違いやタイムラグが発生することもあり、正確な勤怠管理がより難しくなります。

給与計算が煩雑となる

事業所には、正職員や契約職員のほか、パートやアルバイトなどのさまざまな雇用形態の職員がいます。雇用形態が異なれば、その働き方も多岐にわたります。多様な条件を持つ全職員について、種々の項目をすべて反映させながら給与計算することは至難の業です。

介護業界の勤怠管理を手作業で行うリスク

介護事業所のなかには、タイムカードや出勤簿のデータをエクセル形式で集計して、勤怠管理をしているところも少なくありません。

しかし、複雑な勤務形態を採用する介護業界において、こうした人の手が多く介在する管理には限界があります。

人の力に依存する勤怠管理が介護業界に適さない理由や、起こりうるリスクについて、以下に詳しく解説します。

勤怠管理担当者の負担が増加する

月末や月の締日になると、当該月の出退勤データをタイムカードからエクセルのファイルへ手入力する作業が発生します。その際に、打刻ミスや申請のない残業があれば、都度それを本人や上長に確認するといった追跡作業を行わなければなりません。

集計ミスのリスクが高まる

エクセルファイルでの集計は、関数に間違いさえなければ正確な計算ができます。しかし、ファイルに出退勤データを入力する作業は人の手によるため、誤入力や見落としなどのミスがないとも言い切れません。

また、エクセルファイルでは、データの欠損や破壊などのリスクもあります。法律や就業規則の改正時には、エクセル関数の修正も必要です。修正が正しくできなければ、その後の集計も正しく行われません。

コンプライアンス違反になる可能性がある

勤怠管理を人の手に大きく依存する場合、担当者には豊富な法律の知識が求められます。常に法律に照らし合わせた管理をしておかないと、いつの間にか法律違反をしていたという事態になりかねないからです。

昨今、働き方改革関連法の施行で、労働時間の管理も厳格化されています。適正な勤怠管理をするためには、担当者は最新の法律知識を常に頭に入れておく必要があるのです。

打刻もれや不正のリスクがある

タイムカードや出勤簿での出退勤管理は、打刻ミスや代理打刻などの不正が起こり得ます。そうなると、出退勤データ自体の信憑性が疑われることとなり、正確な勤怠管理ができなくなってしまいます。また、訪問介護のように、事業所の外で勤務している職員の勤務データを正確に取得することも困難です。

したがって、複雑な勤務形態を採用する介護業界では、出退勤データを正確に取得できる手段を検討する必要があるのです。

タイムカードを用いた勤怠管理の課題について、以下の記事で説明しています。併せてご覧ください。

介護業界に勤怠管理システムを導入するメリットとは

介護業界の複雑な勤務形態に存在するさまざまな課題を解決する施策として、「勤怠管理システムの導入」があります。

介護事業者が勤怠管理システムを導入するメリットについて見てみましょう。

複雑な勤務形態も正確に管理できる

勤怠管理システムには、自社の運営方式に合わせて、さまざまにカスタマイズできるものがあります。どのように複雑な働き方であっても、適正な勤怠管理を容易に実現できます。

正確な労働時間を把握・集計できる

出退勤の打刻は、従来のタイムカード以外にも、ICカードやパソコン、スマートフォン、タブレットなどから働く環境に応じて選択可能です。打刻データは、システムで自動集計されます。

変則勤務や外勤、残業などがすべて正確に計算されるだけでなく、リアルタイムでの確認・把握も可能です。これまでのタイムカード集計やエクセルファイルへのデータ入力作業、追跡確認作業なども一切不要となります。

勤怠管理システムの導入は、非効率ゆえに生じる多大な残業や長時間労働の是正に寄与し、職員の健康管理やワークライフバランスの改善につながるでしょう。

なお、従業員の健康保持や過重労働の防止には、勤務終了後から次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル」制度の導入も効果的です。条件を満たす企業は、下記の助成金の支給対象になります。活用を検討してみてください。

勤怠管理担当者の負担が軽減する

勤怠管理システムでは、出退勤の記録から労働時間の集計までがすべてシステム上で完結します。

また、介護保険法に基づく人員配置に従ったシフトの作成が可能です。勤務予定と実績を管理・分析しながら、適正なシフト運用を実現できるでしょう。

勤怠管理システムは、条件を満たせば各種助成金の対象にもなります。「IT導入補助金」をはじめ利用できる補助金・助成金について、以下の記事で説明しています。併せてご覧ください。

給与計算が正確にできる

勤怠管理システムは、外部システムとの連携も可能です。特に、給与計算システムとの連携で、日々集計される勤怠データから迅速かつ正確に給与が計算されます。複雑な勤務や残業なども、適正に計算結果に含まれるため手間がかかりません。

こうしたメリットにより、勤怠管理担当者の負担の大幅な軽減が可能です。負担軽減によって浮いたリソースを、ほかの業務へ割くことができるでしょう。

介護業界に適した勤怠管理システムとは

介護業界は、一般企業とは異なる特性があるため、勤怠管理システムの選び方にも一定の配慮が必要です。

介護事業者が勤怠管理システムを選ぶ際のポイントについて、確認しましょう。

さまざまな勤務形態に対応できるか

シフト勤務や内勤、外勤、常勤、非常勤などの、あらゆる勤務形態に対応できるシステムを選択しましょう。

出退勤の記録も、タイムカードだけではなく、パソコンや携帯端末など、あらゆるデバイスに対応していることも重要です。

各種手当に対応できるか

残業手当、深夜手当、休日出勤手当と、介護業界では勤務状況によりさまざまな手当が適用されます。

こうした手当の時間計算は複雑で、それらを自動で行う機能は必須です。給与計算システムとの連携で、こうした手当のほか、介護業界特有の資格手当や業務手当、処遇改善手当なども正確に計算できるシステムを選択すると大変便利です。

シフト作成機能を搭載しているか

業務のなかで大きな負担となるのがシフト作成です。さまざまな条件下で、適切な人員配置をしていく作業は時間もかかり、担当者に大きなストレスがかかります。

法令を遵守しながら簡単にシフト作成ができるような機能を備え、複数のシフトに対応できるシステムを選ぶとよいでしょう。

労働時間をリアルタイムで把握できるか

特殊な勤務形態でも労働時間を正確に集計し、リアルタイムで確認できるシステムを選びましょう。

介護業界は、労働時間の把握がしづらい傾向にあります。うっかり長時間労働をさせて法律に違反しないよう、労働時間をリアルタイムで把握できる環境を整えましょう。

勤怠管理システムを選ぶ際に配慮すべきポイントを、以下の記事でまとめています。併せてご覧ください。

まとめ

複雑な勤務形態の介護業界で勤怠管理システムを導入するメリットは計り知れません。業務の効率化が図れるだけでなく、職員の負担軽減にもつながり、生産性も向上します。

職員の事務的負担が軽減すれば、利用者のために、さらに時間を割くことが可能となり、サービスの向上にもつながります。

ぜひ、自社にあった最適な勤怠管理システムの導入をご検討ください。

■複雑なタイムシフトにも対応できる勤怠管理システム

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01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

勤怠管理システム
導入のポイント

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