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変形労働時間制とは?勤怠管理システムを活用して働き方の多様化を実現

公開日時:2023.10.20

労働基準法では、通常1日8時間、週40時間の労働時間が制定されています。しかし、企業によっては繁忙期と閑散期で業務量が大きく異なることもあります。「変形労働時間制」とは、その時期に合わせて労働時間を柔軟に調整できる制度です。繁閑(はんかん)でメリハリのある就労をすることで、働き方の多様化に対応し、業務の効率化が期待できます。

企業にとっては、総労働時間を調整することで、残業代削減などのメリットがあります。一方で、労働時間の集計といった事務作業が煩雑になり、負担が増えてしまう側面があることも否めません。
そこで今回は、変形労働時間制の概要やメリット、デメリットなどを詳しく解説します。

変形労働時間制とは

変形労働時間制とは、一定期間を平均し、一週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内で、特定の期間は法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

変形労働時間制には、1年単位、1か月単位、1週間単位という種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制とは、1カ月以上~1年以内の期間を平均し、1週間あたりの労働時間が40時間を超えない範囲で、業務の繁閑に応じて労働時間を分配することができる制度です。

年間平均の労働時間が1週間あたり40時間以下であれば、特定の日または週において法定労働時間を超えて労働させることができます。1日の労働時間の限度は10時間以内、連続勤務は6日までなどの制限もあります。

1年単位の変形労働時間制を採用するには、労使協定により以下の事項を定め、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。

  • 対象期間は1か月を超え1年以内とする
  • 対象期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲とする
  • 1日10時間、1週52時間以内、連続して労働させる日数の限度を6日とする(そのほかの制限もあり)
  • 対象期間における労働日および当該労働日ごとの労働時間を特定する
  • 労使協定の有効期間を定める

1か月単位の変形労働時間制

1か月単位の変形労働時間制とは、1か月以内の期間を平均し、1週間あたりの労働時間が40時間以内になるように労働日ごとの労働時間を設定できる制度です。

月間の繁忙日や閑散日に応じて労働時間を調整し、特定の日に8時間を超えたり、特定の週において40時間を超えて労働させることができます。

1か月単位の変形労働時間制を採用するには、労使協定または就業規則等で以下の項目を定めます。労使協定を締結した場合は、その有効期間を明示し、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。

  • 変形期間を1か月とする
  • 変形期間内における法定労働時間の総枠の範囲内とする
  • 各日、各週の労働時間を特定する
「変形期間」とは、変形労働時間制の対象となる期間をいいます。この場合は「1か月」です。

1週間単位の非定型的変形労働時間制

1週間単位の非定型的変形労働時間制は、変形労働時間制の中で業種を限定している制度です。規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、1週間単位で毎日の労働時間を定めることができる制度です。

週の中で繁忙日が偏る上記事業において、時間外労働が発生しないよう1日10時間・1週間の労働時間が40時間以内の範囲で、日ごとの労働時間を1週間単位で決定できます。

1週間単位の非定型的変形労働時間制を採用するには、労使協定により1週間の労働時間を40時間以下になるよう定め、それを超える場合は割増賃金を支払う旨を明示し、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。

変形労働時間制のメリットとデメリット

変形労働時間制は、業種や業態により臨機応変な対応ができるため、企業にとって良い制度といえそうですが、採用する場合にはメリットとデメリットがあることを理解しておきましょう。

変形労働時間制のメリット

変形労働時間制を採用するメリットは、繁閑に応じて無駄なくメリハリのある働き方を実現できるという点です。繁忙期には所定労働時間を長く設定することで、企業側は残業代の削減につながります。一方で、閑散期には所定労働時間が短縮されるため、従業員のワークライフバランスが保たれることで、従業員の満足度が向上することも期待できます。

変形労働時間制のデメリット

実際に制度を導入しようとすると、部署ごとの状況把握や就業規則の見直し、労使協定の締結、所轄の労働基監督署への届け出などの業務に手間と時間を要します。また、時期により部署ごとの所定労働時間が変動するため、勤怠管理が複雑になり、事務の負担が増す懸念もあります。そのほか、繁忙期の所定労働時間が増えることで、従業員から「長く働いても残業代で稼げない」と不満の声が出る可能性もあります。

変形労働時間制勤怠管理の課題

変形労働時間制を採用した際の、勤怠管理の課題を見てみましょう。

勤怠管理が複雑化

変形期間ごとに要件が異なるため、勤怠管理が複雑化します。事務作業も煩雑化し、エラーが起こりやすい状況になります。

ヒューマンエラーへの懸念

変形期間ごとに残業代の算出方法に違いがあるため、ここでも事務作業が煩雑化し、計算ミスなどのヒューマンエラーが増加する懸念があります。

部署間の連携が希薄

時期による所定労働時間を部署ごとに定めるため、その時差の影響で部署間の連携が希薄になるおそれがあります。

従業員への周知徹底

労使協定の締結や就業規則の見直しが必要となるため、制度の仕組みや影響をいかに従業員へ周知徹底し理解させられるかが重要となります。

変形労働時間制の運用は勤怠管理システムが最適

変形労働時間制の課題を解決するもっとも有効な手段は「勤怠管理システム」の導入です。運用のほとんどをシステムにゆだねることで、ミスが減り効率が増すという循環が生み出されます。勤怠管理システムを活用することで、以下のような効果がもたらされるでしょう。

  • 変形期間や従業員別の複雑な変形労働時間に柔軟に対応するため、ヒューマンエラーが限りなく減少し業務の効率化を図れる
  • 変形期間ごとの残業時間に対応するため、残業代の計算ミスや未払いなどのトラブルもなくなり、正確な勤怠管理が実現する
  • 残業や休日・休暇の申請や承認をシステム上でやりとりできるため、希薄な社内連携も解消される

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まとめ

変形労働時間制は、時期的な繁閑に業務量の差が大きい業種・業態には、企業側と労働者側の双方に大きなメリットがある制度です。一方で、その仕組みは複雑で、勤怠管理の難易度が上がることも指摘されています。例えば、日々の労働時間とそのときどきの所定労働時間を照合し、労働時間を算出する必要があります。その際、人の手を介すことでヒューマンエラーが起こるリスクも高くなるのです。

したがって、変形労働時間制を採用する際には、その周辺の環境整備も一緒に検討する必要があります。特に、勤怠管理については年々重要視されています。ヒューマンエラーを極限まで減らし、業務の効率化を図るためにも、勤怠管理システムの導入は欠かせません。自社で変形労働時間制を採用する際には、ぜひ勤怠管理システムの導入をご検討ください。

変形労働制の管理にも対応

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