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打刻忘れが多い従業員に対する減給などの処分は可能ですか?打刻忘れ、漏れ防止の対策も知りたいです。

打刻忘れを理由にした減給は原則できません。従業員への指導に加え、打刻しやすい仕組みを導入しましょう。

2021.07.02

詳しく解説

Q. 打刻忘れが多い従業員に対する減給などの処分は可能ですか?打刻漏れの対策も知りたいです。

従業員100人規模の中小企業の労務担当者です。タイムカードで勤怠管理をしていますが、従業員の打刻忘れが非常に多く、都度修正の申請依頼を行うのに手間がかかります。打刻忘れ、打刻漏れが多い従業員に対して、減給などなんらかの処分をしたいと考えていますが問題はありますか?また、打刻忘れを防止するための具体的な対策を知りたいと思っています。

A. 打刻忘れを理由にした減給は原則できません。従業員への指導に加え、打刻しやすい仕組みを導入しましょう。

打刻忘れ、打刻漏れを理由にした従業員の減給処分は原則できません。また、打刻忘れ、打刻漏れを理由に罰金を設ける、欠勤扱をするといった対応も法違反となり、処分を行っても無効となります。ただし、減給処分については就業規則に減給の条件をあらかじめ定めたうえで従業員に周知しており、労働基準法第91条で定められている減給額の上限に抵触しない範囲で行う場合に限っては可能です。

企業が取り得る打刻忘れ、打刻漏れへ対応としては、上司からの指導、始末書の提出をはじめ、社内の意識改革、システム導入など社内全体に関わるものがあります。タイムカードに替わる打刻方法を導入する場合、ICカードや顔認証で入退室ともに打刻できるシステムであれば、打刻漏れが少なくなり、勤怠管理ソフトであれば打刻忘れも早期に把握でき、修正申請も容易なタイプなら打刻ミス全般にかかる手間は大幅に削減できます。

1. 減給や罰金など制裁にあたる処分は原則できない

打刻忘れ、打刻漏れを理由にした減給は原則できません。法的には減給の規定を設けることは不可能ではありませんが、この場合次の条件を満たすことが必要です。

従業員を減給できる条件

1. 減給処分は就業規則の「服務規律違反」の項目に減給の条件をあらかじめ定め周知している
2. 言及する場合、懲戒処分による減給の上限である「1日の賃金の半額、1か月の賃金の10分の1まで」の間にする

また、打刻忘れ、打刻漏れを理由に従業員に罰金を科したり欠勤扱いしたりすることも違法です。労働基準法第16条では従業員の労働契約に違反する行為に対して、企業があらかじめ罰金や損害賠償の金額を決めることはできないとされています。例えば「打刻漏れがある度に罰金を払う」「打刻忘れ1回に付き給与から千円差し引く」などのペナルティを設ければ違法となります。

打刻忘れ、打刻漏れを理由に欠勤扱いの処分を取ることは労働基準法に違反にします。労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」という規定があり、タイムカードを押し忘れていたとしても、上司が出勤を把握し従業員が所定労働時間通り働いていれば欠勤とせずその日の分の給与支払い義務が生じます。ペナルティとして「打刻忘れは欠勤扱いしている」という実態があったとしても欠勤扱いは無効となります。

2. 打刻忘れ、打刻漏れをしてしまう原因とすぐにできる防止対策

故意ではない打刻忘れや、打刻漏れが改善されない場合、打刻が社内で習慣化されていない、打刻方法そのものが手間がかかる方法である、従業員が勤怠を重要と意識していないなどの理由が考えられます。それぞれのケースの対策法は以下の通りです。

・教育指導
始末書提出の措置を取る前に、従業員の出退勤時間を把握して勤怠管理を行うことは企業の義務であること、また働き方改革関連法施行後は正確な労働時間把握も必須となったことを踏まえ、「正確な勤怠管理を行わないと法違反になる」と伝えます。必要があれば全従業員に勤怠管理や労働時間把握が義務であることを社内メールや朝礼などで周知する対応を取りましょう。

・習慣付け
出退勤時の打刻の習慣化を促すため、上司から出勤した従業員への声掛けをはじめ打刻機のそばに張り紙をする、などの意識付けを行います。また、打刻忘れや打刻漏れを早期に発見するため、部署のタイムカードを一日の終わりに管理職がチェックする、常習の従業員には早めに改善指導を行うなどの対応も有効です。

・物理的な工夫
従業員の意識以外にも打刻がしにくくなっている要因を探し改善します。例えば、出勤してすぐにタイムカードを押せるよう、会社の入り口から打刻機までの動線を工夫する、打刻機の設置場所が入口から離れている場合は移動させるなどです。

3. 打刻忘れ、打刻漏れを防止でき、修正申請がしやすい仕組みの導入が効果的

自社内でのルール作りや教育、始末書提出などのペナルティを設けるほかにも、ICカードや顔認証や静脈認証などの生体認証で入退室と同時に打刻ができる出退勤システムの導入も検討するとより正確な勤怠管理がしやすくなります。直行直帰でも打刻がしやすいため打刻漏れが起こりにくく、タイムカードよりも使いやすいスマホアプリ勤怠管理システムの活用も効果的です。

テレワークの導入も見越した対応として、打刻忘れをした従業員に自動でアラームを出せ、PC上で打刻修正の申請、承認ができる勤怠管理システムの導入も検討しましょう。自社で行う意識改革や始末書提出、減給などのペナルティを設ける以上の効率的な打刻忘れ、打刻漏れの対策になり得ます。

まとめ

勤怠管理は企業の義務であることに加え、2019年の働き方改革関連法の施行後、正確な労働時間把握も必須となりました。打刻忘れや漏れを理由とした減給処分は原則できませんが、例外として、就業規則に打刻忘れの常習は減給とする旨をあらかじめ記載し社内で周知しておけば労働基準法91条を根拠に条件付きで減給が認められます。減給処分の導入の前に、意識改革や指導、打刻しやすい環境の工夫を行うのが一般的な対応です。打刻をしない、または打刻を忘れがちな従業員には勤怠管理の重要性、労働時間を把握できなければ法違反になってしまうことを伝え、しっかりと企業内で改善指導を行い、その上で改善が見込めない場合は減給の処分を検討します。

このほか、ICカードや静脈認証で入退室を同時に打刻ができ、スマホのアプリで打刻するタイプなら直行直帰でも打刻しやすく都度修正の必要がなく便利です。クラウド型の勤怠管理システムならテレワーク実施中であってもPC上で打刻忘れの修正ができ書類申請やタイムカードの手書き修正が必要ないので、効率化と同時に打刻忘れ、打刻漏れ対策の一助となります。

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