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テレワークでさぼりが疑われる従業員にはどんな対応や再発防止対策が必要ですか?

業務に支障を与えた場合は懲戒対象になります。さぼりの防止には成果提出の仕組みやツール導入が効果的です。

2021.07.02

詳しく解説

Q. テレワークでさぼりが疑われる従業員にはどんな対応や再発防止対策が必要ですか?

コロナ禍を機にテレワークを導入した中小企業の人事担当者です。導入後、各部署の管理職から「さぼりが疑われる従業員がいる」という報告があり、どのような対応や処分をすればいいか聞かれることが増えました。業務をさぼる従業員に対して懲戒処分や給与の払い戻しなどの措置を取ることは可能でしょうか。また、さぼり防止のために具体的にどのような対策が必要なのか知りたいです。

A. 業務に支障を与えた場合は懲戒対象になります。さぼりの防止には成果提出の仕組みやツール導入が効果的です。

在宅でのテレワーク中であってもゲームをしたり、昼寝をしたりといった業務と関係ないことをした時間は労働時間とみなされず、さぼり行為は「職務専念義務違反」にあたります。ただし、処分の重さはさぼった時間や生じた業務の支障の程度によりけりです。

さぼった時間が短時間で業務に大きな支障が発生していない場合、処分は上司からの厳重注意や反省文の提出にとどめます。さぼりによって業務の進行を大きく妨げる、重要な会議に出席せず予定に穴をあけたなど、周囲を巻き込んで業務に大きな損害を与えたとみなされる場合、減給をはじめ懲戒処分の対象とすることも可能です。テレワーク中のさぼり防止のためには「一日に一度、成果物の提出や進捗報告を義務付ける」というルールを設けたり、従業員の勤務状況がリアルタイムで把握できるツールや、相談や報告がしやすいWeb会議ツールの導入をするなどの対策が効果的です。

1. テレワーク中のさぼりが疑われる従業員の特徴

テレワーク中にさぼりが疑われる従業員の特徴として「電話に出ないことが多い」「チャットやメールで連絡しても返信が遅い」「仕事の予定表に予定を記入していない」「業務の進捗報告をしない」「目に見える成果物を出さない」などがあります。このような行動が目立つ従業員がいた場合、さぼりの実態があると想定して、対策を講じましょう。

実際にさぼっていないとしても、上記のような行動はテレワーク中の業務進行を妨げ従業員同士の不信感を生む要因となるので上司から直接注意します。注意によっても行動が改善しない、またはさぼりによって実際に業務の進行に支障をきたしたという場合は該当従業員と上司とで個別面談を実施し、就業規則に定められている懲戒処分を含めた対応を検討します。

2. さぼりが発覚した従業員を懲戒処分にできるか?

さぼりが発覚した従業員を懲戒処分にできるかどうかは、業務に与えた影響や、さぼりの時間・回数などの程度によります。時々スマホを見る、コーヒーブレイクをする、業務をしながらテレビを視聴する、ネットサーフィンをするという個々の行為を理由とした懲戒は現実的に難しいと言えます。

一方、業務時間中にスマホでゲームをしている、業務時間中に1時間以上外出する、与えられた業務をしないで副業をしているなどの行為が発覚した場合、他の従業員に影響しかねないモラル意識の低下や、仕事の遅延といった問題が生じます。このような実態がある場合は、懲戒処分も含めさぼり防止の対応を検討する必要があります。

さぼった時間が短時間、またはさぼりが発覚したのが始めてでその時点で大きな支障が発生していない場合は上司からの厳重注意や反省文の提出にとどめます。さらに再発防止の念押しをしたい場合は「今後二度と業務と関係ない行為はしない」旨を記した誓約書を提出させることも検討しましょう。その後も改善がなく、さぼりによって業務の進行を妨げたり、さぼりによって会社に実害を与えたりした場合は懲戒処分の対象とします。

従業員に対して企業が懲戒権を行使するためには、相当な根拠と理由が必要となります。該当従業員から詳細な事情聴取を行ったうえで改めて懲戒相当の行為か判断します。具体的には労働契約法7条に基づき、就業規則に労働契約懲戒に関する規定や懲戒の理由があるかどうか、その内容が合理的か、従業員に周知されているかどうかで懲戒相当か判断します。処分を決定する前に人事担当者はテレワーク中のさぼり行為が懲戒処分に該当するかどうか、自社の就業規則を改めて点検する必要があります。

さぼりによる懲戒処分は、懲戒の中でも比較的軽い減給処分にすることが望ましく、要件が極めて厳しい解雇処分を取ることはできません。

3. さぼり防止には成果提出のルールやツール導入を検討、監視ツールは避ける

さぼり防止のための対策として「一日に一度成果物の提出や進捗報告を義務付ける」というルールを取り入れる、相談や報告がしやすいWeb会議ツールを使った定期ミーティングを実施する、勤務状況がリアルタイムで把握できる勤怠管理システムを導入するなどが挙げられます。

テレワークのさぼり防止対策として、PCのカメラを常時オンにして業務中の姿を映す方法や、一定時間マウスやキーボードが動かなかった時間をカウントするツールを使う、などテレワーク中の行動を監視するシステムも存在します。しかし、特に若い従業員は「テレワーク中にさぼっていると疑われる」ことに対しストレスを感じる傾向にあります。また、業務上必要だとしても上司が従業員の自宅の状況を常にカメラで見たり録画したりすることはプライバシー保護の観点から問題が生じる可能性もあります。テレワークは柔軟な働き方を実現させる手段であることを考慮し、出社時よりも制約を強めるような監視ツールの導入は避け、他の対策を取ることが望ましいです。

一方、故意である悪質なさぼりに対しては、懲戒処分も含む厳重な対処も必要なため、就業規則の懲戒規定やテレワークの規定を整備し、従業員に周知しておくことも有効な対策の1つです。

まとめ

テレワーク中の「さぼり」に対する処分の重さは、さぼりの時間・回数、業務に与えた影響によって判断します。テレワーク中の従業員の労働状況を厳密に監視することは困難ですが、定期ミーティングや進捗報告、成果提出の義務付けなどをすることで一定のさぼり防止の効果が見込めます。悪質なさぼりが発覚し、改善指導をしても効果がない場合は、自社の就業規則と労働契約法の規定を確認した上で減給の処分を検討しましょう。

テレワーク中のさぼり防止を目的とした監視ツールの導入はプライバシーの観点や従業員に過度なストレスがかかるといった問題が生じる可能性があり、導入には慎重な検討が必要です。

勤怠管理システムの中には従業員の出退勤時刻とPC操作時間の両方を把握できるタイプもあります。無断残業の対策も兼ねられるさぼり防止対策の1つとして検討をおすすめできます。

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