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介護職の働き方改革に必須! 適正な勤怠管理のコツ

公開日時:2022.11.29 / 更新日時:2023.12.21

少子高齢化が進む中、介護業界では待遇面や厳しい労働環境により離職率・採用率が悪化するなど、需要と人員の供給にギャップが生まれ人手不足問題が深刻化しています。
しかし、正確な勤怠管理によって働き方改革を推進することで、そのような介護職を取り巻く労働環境の改善が期待できます。
ただし、勤怠管理は何を使用してもいいというわけではなく、現場の状況に合った方法で行うことが重要です。
本記事では、介護職の現状を踏まえた働き方改革の進め方、適正な勤怠管理のポイントを解説します。

介護業界における労働環境の実態

介護業界の実態を集計した公益財団法人の「令和3年度 介護労働実態調査」によると、介護事業所全体の人材不足感は60%台と高い水準で推移しており、依然深刻な人手不足が叫ばれています。
また、「労働条件・仕事の負担に関する悩み等」においても、「人手が足りない」という回答が52.3%と最多でした。

以下は、労働条件等の悩みや不安、不満の割合です。

人手が足りない 52.3%
仕事のわりに賃金が低い38.3%
身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)30.0%
健康面(新型コロナウイルス等の感染症、怪我)の不安がある28.1%
有給休暇が取り難い25.6%
業務に対する社会的評価が低い25.4%
精神的にきつい24.7%
休憩が取り難い21.1%

このような悩みに対し、働き方改革を積極的に行うことで、悪化する離職率・採用率などの改善が期待でき、介護業界が有する人手不足問題の解消にも繋がります。

介護業界の働き方改革を進めるには

働き方改革関連法の労働時間に関する規定としては「時間外労働の上限規制」「年次有給休暇の時季指定」が挙げられます。
具体的な内容は次のとおりです。

時間外労働の上限規制

36協定を結んでいる従業員の残業時間は、原則として月45時間・年360時間が上限となり、臨時的に特別な事情がある場合を除き、これを超えることはできません。
なお、臨時的な特別の事情があり使用者・従業員が合意する場合でも、年720時間以内、2〜6か月平均80時間以内、休日労働含め月100時間未満と上限が規定されています。
大企業は2019年4月から、2020年4月からは中小企業にも適用となりました。

年次有給休暇の時季指定

法定年次有給休暇の付与日数が10日以上である全ての従業員に対し、付与した日から1年以内に最低5日、年次有給休暇を取得させなければなりません。
年次有給休暇の取得は、従業員からの請求があった場合のほか、従業員の意見を聴取した上で使用者による時季指定や労使協定により取得日を決定することが可能です。
2019年4月から、大企業・中小企業に対し適用となっています。

また、勤怠管理の必要性については、コンプライアンス違反防止のほか、以下のような目的があります。

  • 従業員が安心して働ける環境をつくる
    勤怠管理を適切に行うことで、業務や時間配分を調整でき、メンタル面の不調予防に効果的です。
  • 過重労働の早期防止
    労働時間を可視化することで、部署ごとに繁忙期を把握し過重労働防止に繋がります。
  • 人件費を正しく把握する
    正確な勤怠管理によって従業員や部署ごとに人件費の推移が明確化され、効率化すべきポイントが可視化できます。
  • 給与計算を正確かつスムーズに行う
    勤務日数や手当の集計など、複雑な勤務形態や職種に対応できるため給与支給をスムーズに行うことが可能です。

詳しく知りたい方は「勤怠管理の意義と重要性」もご覧ください。

勤怠管理の方法はタイムカードや紙媒体による出勤簿などがありますが、様々な雇用・シフト形態を抱える介護職の現場で正確に勤怠管理を行うには、事業所や組織ごとに適切な環境整備が必要です。
複雑な情報管理や体制強化のために、勤怠管理システムを取り入れることが最も有効でしょう。

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介護の現場に適した勤怠管理システムとは

早番や遅番、夜勤・日勤交代制など複数の勤務形態や、人手不足により1人が複数の職務を兼任しているといった様々な状態の中、勤怠システムは介護現場に適したものを選択することが重要です。
より正確かつスムーズに勤怠管理を行うにあたって、法令遵守の観点以外で注意すべきポイントがあります。

ここでは、介護職に適した勤怠管理システムのポイントを解説します。

介護職に必要な勤怠管理システムの特徴

働き方改革関連法に対応している 時間外労働や勤務の偏りといった勤務状態を正確かつ容易に把握・管理できるかを確認しましょう。 また、法改正の際スムーズに移行できるかも大切なポイントです。
場所を問わず打刻ができる(打刻方法が選べる) スマートフォンなどの端末で使用できるシステムであれば、訪問介護や別施設への出向などの際、職場に電話したり出向いたりする必要がありません。
拠点ごとに異なる勤怠ルールにも対応できると良いでしょう。
介護業界ならではの特殊な手当の計算ができる 休日の緊急対応や複数の職務を兼務するなどで従業員の手当が複雑化しやすいため、システムによってそれぞれの勤務が何時間分かを把握できるシステムがお勧めです。
日勤、夜勤(日跨ぎ、1日複数回勤務、宿築、呼び出し勤務)といった特殊な勤務形態に対応できる デイサービスだけでなく夜間対応など複数のサービスを提供する施設では、従業員の勤務形態も特殊です。 そのため、情報を一元化し一括管理できるシステムであるかは重要なポイントです。
シフト作成に対応している介護保険法の規定を基に人員配置などが必要なシフト作成は、従業員の希望や職種、勤務形態による調整が可能なシステムを選びましょう。シフト作成時間短縮にも繋がります。
公休日数の過不足を確認できる 複雑なシフトパターンになりやすい介護職において、公休の計算には苦労します。ひと目で公休日数が確認できる勤怠管理システムなら、従業員の公休日数の計算ミスを起こす心配がありません。
振替休日、振替出勤の管理ができる シフトが決まっていても、急遽施設での対応が必要になるケースが多い介護職では、不意の休日出勤が発生することも少なくありません。そのため、休日出勤と振替出勤の管理が簡単にできる勤怠管理システムが理想的です。

複雑かつ煩雑化する勤怠管理には、以上のような特徴を持ちスムーズに処理を行うことが可能なシステム選定をお勧めします。

勤怠管理システムで介護業界の働き方改革が進む理由

適正な勤怠管理を行う環境整備により、日々の勤怠管理で記録、蓄積される「勤怠データ」を分析できます。
それによって法令違反のチェックだけでなく、業務改善に繋げることが可能となります。
具体的にどのような分析ができるのかは以下のとおりです。

時間外労働時間の分析

勤怠をデータ化することで、労働時間が適正かを分析し課題に対する対策が容易になります。
長時間労働の抑制はもとより、一部の部署や従業員に残業が偏っていないかや、残業が特に発生する時期、前年度の同時期と比較し増減を把握することができます。
これらを基にそれぞれの能力や状態を鑑み、適切な人員配置や業務の棚卸しなどを行い、残業を誘発する原因を発見し対策することが可能です。

有給取得タイミングの分析

勤怠情報のデータ化によって、有給休暇消化率確認のほか、取得タイミングを俯瞰的に確認でき、労務問題の原因が浮き彫りになる場合もあるでしょう。

有給取得のタイミングの偏りは、有給を取得にかかる職場環境や、上司がワークライフバランスを考慮しているかなど、隠れた問題を明るみに出し、課題に切り込むことが可能となります。

遅刻、早退、欠勤の傾向分析

システムを導入することで、遅刻や欠勤が増えていないか、また時期的な傾向があるかを随時把握することが可能です。
介護業界では、人手不足や重責などで、従業員が重労働や精神的疲労を抱えやすいという課題があります。
勤怠システムによって常に状態を可視化することで、従業員一人ひとりの変化にいち早く気付き、メンタル不調のリスク軽減や課題解決に寄与するでしょう。
また、付随してメンタル不調による業務効率低下の予防や、離職率低下にも繋がります。

勤怠システム導入は、正確に情報を把握するほか、隠れた問題に焦点を当て課題を解決するためにも必要なツールだと言えるでしょう。

まとめ

介護職の働き方改革を推進するにあたって、適切な勤怠管理のために必要なポイントを解説しました。

介護業界では厳しい労働環境や、要介護者の人数に対し人手が不足しているなどの課題がありますが、働き方改革推進により人手不足のほか、離職率低下、採用率向上が期待できます。

働き方改革を進め働きやすい環境を整備するための第一歩としては、適正な勤怠管理が挙げられます。
訪問介護や他施設の応援などで、現場を移動することが多い介護職に最適な勤怠管理方法は、勤怠管理システムを導入することです。
しかし、システム導入の際は介護職ならではの複雑な勤務体制や職務特徴をカバーできるものを選択する必要があります。

また、収集した勤怠データを基に時間外勤務や有給休暇取得状況など詳細に分析することで、長時間労働の根本原因や、現場に隠れている労務リスクの早期発見が可能となるでしょう。

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介護職の複雑な勤務形態にも対応する勤怠管理システム

GUIDE

勤怠管理のパイオニア「AMANO」のノウハウをぎゅっと凝縮してお届けします!

01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

勤怠管理システム
導入のポイント

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