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会社にとって組織づくりはなぜ必要? その目的と良い組織のつくり方を解説!

公開日時:2022.09.01

「従業員のモチベーションが高く、生産性が高い組織をつくりたい」と考える経営者の方は多いのではないでしょうか。組織づくりが成功することで、従業員が自発的に業務に取り組み、より風通しがよい環境が生まれ、その結果、長期的に安定した成果にもつながります。本記事では組織づくりの目的や、組織づくりの5つの原則、具体的な手法について解説します。

組織づくりの目的

組織づくりの目的は、従業員が会社の目指す方向と同じところを向き、チームで努力し成長しながら発展できるよう組織の環境を整備することです。組織づくりをすることで、従業員が働きやすい環境となり、ひいては会社の利益にもつながります。

組織づくりを行うことのメリット

組織づくりのメリットは、組織に属する従業員の一人ひとりが良い影響を与え、お互いに成長しあえる関係性を築くことでより組織が強固なものになる点です。組織が強くなれば、組織と従業員の目的や理念がつながり、それぞれの従業員が高いモチベーションで働ける環境が構築されます。

従業員が相互にコミュニケーションを行い、組織の風通しが改善されることもメリットです。相互によい影響を与える中で、個人と組織の成長につながります。また人員の入れ替わりがあった場合でも相互に協力し合うことで、業務への支障を最小限に抑えることが可能です。

その結果、従業員や環境の状態を問わず、継続的に存続し続けられる組織が実現します。

強い組織とは

強い組織とは、すべての従業員が同じ目標を目指し、目標に向けて行動できる組織です。強い組織の従業員は、会社の目標や理念を深く理解し、従業員間で深く共有しています。

チーム内での自分の役割を理解しており、従業員同士で仲間だという認識があるため、信頼関係が構築されていることも特徴の1つです。チーム内での役割が最適化されているため、トラブルがあった場合でも、従業員間で連携を取り合うことで影響を最小限に抑えられます。

組織づくりの基本原則

組織づくりには以下5つの原則があります。

1.専門化の原則

2.権限責任一致の原則

3.統制範囲の原則

4.命令統一性の原則

5.権限委譲の原則

この原則に基づいて組織をつくることで、強い組織の構築が可能です。

1.専門化の原則

専門化の原則とは従業員をスキルアップさせて専門性を高めることで、業務の効率化を高めつつ、分業化を進めることです。業務内容やレベルにばらつきがあると、業務効率が下がってしまいます。そのため、組織内では、似た内容の仕事を任せ、質のよい仕事を効率的に処理できるような組織づくりを目指すことが大切です。

2.権限責任一致の原則

権限責任一致の原則とは、従業員の権限を担当する職務に見合ったものにするという原則です。与えられた権限に対して、責任が重いとモチベーションを下げ、失敗のリスクが高まります。与えられた業務に対して過剰な権限を与えてしまうと、組織内が混乱し、組織が腐敗する原因になりかねません。

3.統制範囲の原則

統制範囲の原則とは、「スパン・オブ・コントロール」とも呼ばれ、管理する上司に対して、管理される部下の人数を適切に整えることです。管理者が1人で管理できる部下の人数には限界があり、過剰な部下がいる場合、適切な管理ができず、トラブル発生の原因になります。また、トラブル発生時には、対処しきれなくなるということにもなりかねません。

4.命令統一性の原則

命令統一性の原則とは、組織内で指示命令を出す人を統一することです。指示命令を出す人が複数人いると、どの指示が正しいのか判断しにくくなり、指示系統が乱れ、組織の秩序が維持できなくなります。指示系統を1人にし、誰の指示に従えばよいか明確になっていれば、業務がスムーズに処理しやすくなります。

5.権限委譲の原則

権限委譲の原則とは、自分の仕事を部下に適切に任せることです。仕事を任せる際には、目標や内容を相手に任せ、部下のやり方に過剰に干渉しないようにします。上司が部下の作業に細かく指示を出しすぎてしまうことで、部下のモチベーションを下げる恐れがあるためです。適切に権限委譲ができないことで、仕事上のトラブルの原因にもなりかねません。

また、権限委譲をすることで、管理者である上司がイレギュラーな対応に集中しやすくなります。そのため、命令統一性の原則は「例外の原則」とも呼ばれています。

組織づくりの具体的手法

組織づくりは5原則を、自社の組織づくりに当てはめて方針を決めていきます。具体的にどのようにして当てはめていけばよいかを解説します。

組織の文化づくり

組織の文化は従業員によって自然に発生するものです。しかし、その文化が経営者の意向と異なるものになっているケースがあり、組織の文化がチームや従業員に悪い影響をもたらす場合があります。

例えば、会社としては、挑戦を歓迎する社風を大切にしているはずが、成果主義を過剰に求めることで、挑戦を犠牲にするなどの事例が考えられます。

組織づくりをするためには、組織の理念を明文化し、理念を行動規範に落とし込むことが大切です。明文化する際には、意味がわかりやすく途中入社の従業員でも簡単に理解できる内容になるよう心がけます。文章が浸透するよう、カードに理念や行動規範を記載して従業員に持たせるなどの方法も効果的です。

組織の構造をつくる

組織構造は企業によって形はさまざまで、企業の考え方や業種などによって適切な組織構造の形は異なります会社に合わせた組織の構造をつくることで、職務内容や指揮命令系統、権限の所在が明確になります。ここでは、主要な3つの組織構造を紹介します。

・職能別組織

職能別組織とは、職務によって部門編成する組織のことです。職能別組織の場合は、仕入れ担当、営業担当、事務担当、物流担当、人事担当などのように、仕事の役割や種類を基準に組織を形成します。職能別組織は、業務効率が向上し、専門性を高めやすいという点がメリットです。一方で、組織の柔軟性に欠けるため、市場の急激な変化に対応しにくいといったデメリットもあります。

・事業部制組織

事業部制組織とは、事業の内容によって、組織を編成することです。例えば店舗事業部、通販事業部、新規事業部といった事業に分けて編成を行います。多くの大企業で導入されています。事業部をそれぞれ独立させることで、意思決定が早くなり、事業の責任が明確化しやすいことが特徴です。しかし、他の事業所との協働は難しく、それぞれの事業部のノウハウは共有されにくくなります。

・チーム制組織

チーム制組織とは、各部署の中でプロジェクトごとにチームを編成する組織形態です。プロジェクトの立ち上げから終了までのチームを編成し、プロジェクトの完了または目標達成によって解散されます。そのため、チームの編成や解散が繰り返される点が特徴です。チーム制組織は、職能別組織や事業部制組織と併用されることもあります。

チーム制組織のメリットは、組織の柔軟性が高いため、市場の変化に対応しやすくなっていることです。もう1つのメリットが、多様なチーム経験を積んだメンバーが集まることで、革新的なサービスや製品を開発しやすい環境が整っていることです。

しかし、優秀な人材がメンバーとして構成されることが多く、人材が抜けた穴を他の従業員がカバーしなければならないため、従業員に負担がかかりやすい点がデメリットになりえます。

4.強い組織をつくるために大切なこと

強い組織づくりをする際には、さまざまな取り組みが必要です。具体的な取り組み例としては以下のものがあります。

・企業理念とビジョンの浸透

企業理念とビジョンを従業員に浸透させるためには、わかりやすく明文化されたビジョンを繰り返し共有することです。定期的に企業理念とビジョンを共有する機会をつくることで、従業員に浸透しやすくなります。

・会社全体での組織目標の共有

会社全体で組織目標を共有することは、会社全体で同じ目標に取り組んでいるという関係性を構築するためにも重要です。組織内の取り組みが会社全体の目標とつながっていることを実感することで、チームの協力体制が構築されます。

・自社に合った人事評価制度の構築と可視化

自社のビジョンや社風に合った人事評価制度の構築と可視化も重要です。組織の文化は人事制度の影響を大きく受けます。例えばノルマを重視する評価制度であれば、結果主義の社風が形成されやすく、チームワークを評価する制度であれば、チームの関係性を重視する社風が構成されやすくなります。

人事評価制度は数値目標で設定し、達成基準を詳細に設定することが大切です。具体的な数値を出すことで、達成したかどうかの基準が明確になり、評価の透明性を保てます。

・人材育成の仕組み化

企業理念に基づいた人材育成の仕組み化を進めることも必要不可欠です。人材育成の仕組みをつくる際には、企業理念を浸透させることを心がけることが大切です。普段接する機会の少ない社長や役員が、企業理念や経営理念を語る場を作るなどの方法があります。

従業員全体が参加する研修の導入も効果的です。会社全体で研修をすることで従業員が会社から期待されているという気持ちを持ちやすくなり、モチベーション向上に効果が期待できます。

・リーダー・マネージャーの育成体制の構築

リーダーやマネージャーの育成体制を整えることで、組織体制は安定しやすくなります。チームの方向性を導くリーダーと、目標達成のための管理を行うマネージャーは役割が異なるものです。そのため、従業員のスキルや特性に合わせて育成体制を構築できると、育成効率は高まります。

・経営計画書と人事評価制度の連動

経営計画書と人事評価制度を連動させることで、個人の成長が会社の成長につながるという相互作用が生まれます。人事評価制度を設定する際には、経営計画書の目標と方向性が一致するように設計し、経営計画書の目標達成が人事評価に適切につながる関係となるよう意識することが大切です。

まとめ

組織づくりを成功させるためには、文化・組織の構造・人事の要素から、組織づくりをしていくことがポイントです。組織文化を構築するために、企業理念や行動規範の明文化をすることに取り組む必要があります。また、会社の風土や理念に合わせた組織の構造づくりと、人事評価制度の構築も大切です。

企業の組織づくりが成功すると、会社経営の基盤が安定し、持続的な発展ができるようになります。会社と従業員間の風通しがよくなり、従業員エンゲージメントの向上が期待できる点もメリットです。

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