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BIツール

びーあいつーる

公開日時:2021.09.27 / 更新日時:2023.01.06

BIツールとは企業が持つ膨大なデータを分析・可視化して、経営や業務に役立てるツールのことです。BIとは、「Business Inteligence(ビジネスインテリジェンス)」のことで、ビジネスにおけるデータ分析を行い、経営の意思決定のサポートを行うことを意味します。BIツールが注目される背景として、インターネットの普及や企業のITビッグデータ活用が増えデータ分析の重要性が高まっていることがあります。BIツールはデータ分析の専門家でなくとも集積した人事、財務、売り上げなどのデータを分析したうえで簡単に可視化できるのが大きな特徴です。意思決定のスピードアップや効果的なマーケティング施策の立案、売上予測のシミュレーションなど幅広い用途があります。

BIツールの機能

企業に蓄積されている大量のデータを集めて分析し、経営の意思決定をサポートするソフトウェアがBIツールです。具体的には企業の経営分析や営業・売上分析など経営の根幹にかかわる部分や、採用や人員配置などに役立つ人事データの分析、経営状況の可視化などでの活用が進んでおり、Excelをはじめとする従来ツールよりも分析が効率的にできます。BIツールの活用シーンごとの分析やアウトプットを実現する機能についてそれぞれ解説します。

レポーティング

レポーティングとは定型・非定型のレポートを出力する機能です。「PDF」「Excel」「Word」「PowerPoint」「CSV」などのファイル出力にも対応している場合が多いのが特徴です。また、分析結果の印刷や、結果内容を見やすくするためのデザイン機能も通常機能として搭載されています。

毎日、もしくは定期的な報告のためにレポート提出する必要がある場合は、定型の帳簿をBIツールで作成、共有することで報告業務の手間や工数の削減ができます。

ダッシュボード

ダッシュボードはBIツールの分析結果を視覚的に分かりやすく表示できる機能です。ダッシュボード機能は抽出、分析したデータのグラフ化や重要指標の一覧表示に加え、回答結果を絞り込んで表示するクロス集計表などの表示に対応しており、分析データをすばやく処理して表示することが可能です。

従来よりも簡単に分析結果を分かりやすく表示して社内で共有できるため、目標達成のための指標が一目で確認できるようになります。

OLAP分析(オーラップ分析)

OLAP分析は大量のデータベースから多次元的に素早く分析や集計を行うことができる機能のことを指します。「OLAP(オ―ラップ)とは「On Line Analytical Processing」の略語でオンライン分析処理のことです。

この場合のオンラインとは「ネットワークにつながっている」と言う意味ではなく、「コンピュータ上で」「即座に」と言う意味で使われる用法で、ユーザーの要求に対し、リアルタイムで必要な結果を素早く返すことを意味しています。

従来であれば、地域・製品・価格帯など、複数の軸を持つ多次元的なデータベースの分析をするには専門的な知見が必要でしたが、BIツールを使うことで専門家でなくとも容易に分析が可能になります。

データマイニング

データマイニングとは「データの採掘」という意味を持つ言葉です。統計学や人工知能といった技術を使い、大量のデータの中から人間が見つけることが困難なパターン・予測など「法則性」を発見する機能です。

手作業では不可能だった「大量のデータの中からビジネスに活かせるデータを探し出す」作業を実行することができます。

プランニング(シミュレーション)

プランニングとは主に、過去のデータをもとに事業計画を策定することができる機能です。例えば、A・Bそれぞれのパターンでツールを用いてそれぞれのシミュレーションを行った場合、パターンに合わせたプランニングを行うことが可能です。具体的には以下のような活用の用途があります。

  • 事業の予算を立てる
  • マーケティング戦略をつくる

Excelとの違い

「データを分析する」ことだけに限れば、Excelでも可能ですが、BIツールとExcelとの大きな違いは、「形式の異なるデータソースを手軽に取り込めるかどうか」という点です。特に、社内外で情報共有が必要になった場合や社内にあるデータを効率的に分析したい場合にBIツールを使うと利便性が高まります。

BIツールとExcelの共通点、違いは具体的には以下のようにまとめることができます。

BIツールとExcelの共通点と相違点

共通点 データから表やグラフを作成し、企業活動での意思決定に役立てることができる
相違点 BIツール:大量のデータを分析し、情報をリアルタイムで更新・共有することが可能
Excel:単一データを元にした表やグラフの作成はExcelの方が適している。取引件数が少なく、処理する情報が少ない場合もExcelが便利

BIツールを導入するメリット

企業がBIツールを導入するメリットにはどのようなものがあるのか、それぞれ解説します。

専門家でなくともデータ分析が可能

BIツールの活用方法を習得すれば、データ分析や統計を専門的に学んでいなくとも社内データの分析ができます。専門家に外注せずとも必要なデータを抽出・分析・加工するができるため、社内で分析業務が完結します。データ分析を外注する時間や費用も削減できるため、データ活用や経営の意思決定もスムーズに進む効果が期待できます。

手作業のデータ抽出や書類作成にかかっていた工数を削減

BIツールの活用によって膨大な社内データの中から必要なデータだけ抽出して分析し、その結果を共有することができるため、データの可視化が容易になります。ExcelやWordで作っていたレポート作成の手間、工数などのコスト削減につながります。また、情報共有が早まることで意思決定のスピードが上がることも期待できます。

この他、手作業で必要なデータだけを抽出して社内共有する場合、従来は相当な時間がかかっていましたが、BIツールの活用によってデータ分析とデータの可視化が容易に行えます。

各所のデータを可視化し共有することで、これまで行った施策の測定効果や特定部署の売り上げ分析も容易になり、業務効率化が全社的に促進します。

バラバラになっていた社内データの一元管理も可能

社内で人事・労務データや売り上げ成績のデータなどを部署ごとに管理している場合でも、BIツールを導入することによってデータの一元管理が可能になります。各部署にあるデータの一元管理が可能になれば、部署を横断してデータを把握・共有することはもちろん、データも容易に検索でき、必要なデータをすぐ取り出せるようになります。

まとめ

BIツールとは、企業が持つ膨大なデータを分析して、経営や業務に役立てるツールです。Excel等の他のツールと異なるのは、経営の意思決定サポートをスピーディに行える点です。

BIツールの代表的な機能が、レポーティング、ダッシュボード、OLAP分析、データマイニング、プランニング(シミュレーション)です。BIツールを導入することで、従来、データ分析の専門家の力が必要だった分析も社内で行えるようになり、自社の経営戦略や予算の編成の効率化につながります。

導入メリットとしてはデータの可視化や一元管理、データのレポートをまとめる手間、コストの大幅な削減が挙げられ、特に自社内で大量のデータを取り扱う企業の場合、幅広い用途での活用が可能です。

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