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パルスサーベイ

ぱるすさーべい

公開日時:2021.09.27 / 更新日時:2022.03.09

パルスサーベイ(Pulse Survey)とは短期間で簡単な質問を繰り返し行う従業員意識調査の方法です。パルス(pulse)とは、日本語で「脈拍」を意味しており、脈拍チェックのように定期的かつ高頻度で組織と個人の健全性を測ることを目的としています。10問程度の少ない設問数のアンケート調査を週に1度や月に1度実施する形式が一般的です。質問数の多い従業員満足度調査(ES調査)と比べ低コストかつ担当者と従業員の負担を軽減しつつ実施できるのが特徴です。ITツールの進化によって従来よりも手軽にパルスサーベイが実施できるようになり、企業の導入数も増加しています。

パルスサーベイのメリット・デメリット

パルスサーベイ(Pulse Survey)とは従業員に対して行う意識調査のことであり、短いスパンで簡単な質問を繰り返し調査するのが特徴です。パルスサーベイのメリット・デメリットを解説します。

メリット①従業員満足度のリアルタイム調査が可能

パルスサーベイでは短いスパンでの調査を繰り返し行う手法を取るため、リアルタイムで従業員の満足度を知ることが可能です。具体的には「週次」や「月次」での調査となります。定期的に調査を行うため、従業員の意識の把握に役立ちます。また、調査の結果、問題や悩みが生じていることが発覚した場合、早期に適切なフォローへとつなげることができます。

メリット②コストを抑えて実施できる

質問が多岐に渡り、質問数も多い「従業員満足度調査」の場合、回答する従業員の負担になることがあります。一方、パルスサーベイの場合、質問項目は3問~5問、もしくは5問~10問程度になるため、回答にかかる従業員の負担軽減につながるだけでなく、企業側の準備や運用コストも抑えられます。

パルスサーベイを専門企業に外注するのではなく、自社で実施する体制が整えばコストはさらに抑えられます。

デメリット①回答者への負担が大きい

パルスサーベイは一般的な従業員満足度調査と異なり、「週に1回」「月に1回」など、短いスパンで調査を行うという特徴があります。そのため、ただルーティンで調査を行うと「調査をする頻度が多い」と回答する従業員が負担に感じ、回答の内容が雑になる恐れがあります。

なぜ調査を行うのかという目的や、社内環境の改善といったパルスサーベイの効果を従業員に理解させる適切な説明をしないままだと、従業員が調査の意義を感じられなくなり、回答に実感が反映されず正確なデータが取れなくなる可能性もあります。

デメリット②短期間で課題改善をする必要がある

パルスサーベイは短い周期で調査を行うため、結果の分析から活用までのサイクルも自ずと短くなります。また、担当者は次の調査までの短い期間の間に、調査から分かった課題の改善を行う必要があります。この期間に調査の分析と改善への動き出しができないと、従業員の悩みや社内にあるリスクをキャッチアップすることができません。

調査の実施時期に起きている課題に対してすぐに改善を行うためにも、あらかじめ分析から改善施策を立てるフローを決めておくことや、効率化ツールの導入を検討する必要があります。

パルスサーベイのおすすめ質問項目

自社にパルスサーベイを導入する場合、少ない質問数の中に盛り込む質問項目をよく検討する必要があります。ここでは、代表的なパルスサーベイの質問項目を4つご紹介します。

従業員満足度に関する項目

パルスサーベイで採用される基本的な質問として、従業員満足度に関する項目があります。「会社に対して不満に思っている部分」「良いと思っている部分」それぞれを聞くことで会社に対する率直な評価を把握できます。具体的には以下のような質問です。

  • やりがいを感じているか?
  • 職場で尊重されていると感じているか?
  • 自分の家族や友人など周りの人にこの会社を勧めたいと思うか?
    など

業務内容に関する項目

業務内容に関する項目も推奨できます。「現在の仕事内容に満足しているか」「不満はないか」を質問によって確認することで、現在過重労働になっていないか、モチベーションを高く持って仕事できているか、仕事内容に関する実感などを判断できます。具体的には以下のような質問です。

  • 業務の量は多すぎないか?
  • 仕事内容が自分にマッチしているか?
  • チャレンジしたい職種があるか
    など

生活・健康に関する項目

直接業務には関係ない、生活・健康に関する項目を質問に加える企業もあります。私生活や健康状態について問題がないか質問することで、家庭の状況や健康状態が業務へ悪い影響を与えていないか、良い状態を保っているかをチェックできます。

実際にソフトバンクでは「仕事のパフォーマンスは本人の生活や健康状態も影響する」という観点から、「Work(仕事)」「Life(生活)」「Health(健康)」の3つのカテゴリーに分けた以下のような質問を行っています。

  • プライベートと仕事のバランスはとれているか
  • 健康状態は「良い・普通・悪い」で言うとどれに該当するか?
    など

会社のビジョン・経営理念に関する項目

企業のビジョン・理念を従業員が理解しているか確認する質問をすることで、従業員と経営陣と足並みがそろっているかを判断する指標にもなります。調査によって従業員のビジョン・理念の浸透度が低い、あるいは共感度が低いと判明した場合はビジョン・理念の見直しや伝え方の改善が必要です。

ビジョン・理念の理解度の確認のためには以下のような質問項目を設けます。

  • 現在の会社のビジョンや事業方針を理解しているか?
  • ビジョンに共感するか?
  • 自分の仕事と会社の目標が結びついているか?
  • 経営陣は正しい判断をしていると思うか?
    など

まとめ

パルスサーベイ(Pulse Survey)とは、簡単な質問を短いスパンで繰り返し行う従業員意識調査のことです。従来の従業員調査と異なりリアルタイムで従業員の現状把握が可能であり、調査結果を受けてからの社内の改善対策も短期間で行えるという特徴があります。

「リアルタイムで課題が把握できる」「コストパフォーマンスが高い」という点においてメリットがありますが「短いスパンで行うため従業員や実施する会社側の負担が増える」「調査結果が出てから短期間で改善の必要がある」という点において、運用時にデメリットを減らす工夫も必要になります。

実際にパルスサーベイを導入する際は、少ない質問数の中にどのような項目を盛り込むのか、今回紹介した基本の従業員満足度、業務内容、生活・健康、会社のビジョン・理念などの項目から自社の課題改善に必要なものを採用するようにしてください。

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