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経理部門でDXが必要な理由とは?具体的な取り組みや推進方法を解説

2021.08.02

大企業を中心にDX化が進む中、経理部門を中心としたバックオフィスのDX化も喫緊の課題となっています。しかし「経理部門で具体的にどのようにしてDX化を進めるべきか具体的なイメージがついていない」という理由でDX化に着手していない企業も多いのではないでしょうか。 今回は、DXの意味、や経理部門でDX化が必要な理由、DXを進める具体的な方法などについて解説します。

今注目されているDXとは?

DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称であり、クラウドやAIなどのIT活用によって新たなビジネスモデルや製品・サービスを創出したり、変化に柔軟に対応したりできるような変革をすることです。

DXはもともと「全ての人々の暮らしをデジタル技術で変革していく」ことを意味する概念です。日本では、2018年に経済産業省が取りまとめた「DX推進ガイドライン」によって広く知られるようになりました。

「DX推進ガイドライン」で述べられている定義まとめ

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

DXを推進する理由として経済産業省が挙げているのが「2025年の崖」問題です。2025年の崖とは、2025年までに既存システムの改革が進まず、基幹システムの老朽化やシステム運用者の定年退職などが重なった場合、日本企業に最大120兆円の経済損失が生じると予想される事態のことです。

「2025年の崖」の代表的リスク

新時代の技術に対応できるIT人材の不足・2025年までに約43万人の人材が不足すると予測されている
・旧来のシステムをいまだ活用している企業が多く新時代のデジタル技術に対応できる人材が不足している
セキュリティリスクの増大・システムの老朽化により、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルが起きると予測されている
・システム刷新が進まなければセキュリティも脆弱となりデータ滅失・流出のリスクが増大すると予想されている
旧システム利用による技術的負債の増大・古いシステムを使い続けることによる運用・保守コストが高騰
・従来からある基幹システムを変えることが困難な企業が多いため非効率な運用が続く

多くの日本企業の既存システムは、事業部門ごとに構築されているため複雑化しており、企業全体でのデータ管理が困難な状態です。この複雑なシステムの保守・運用のために資金、人材が割かれています。DXを推進せずにいると、保守・運用にかかるコストはさらに増大します。

また、IT人材が不足していることから、老朽化システムの仕様を把握している人材が退職するとメンテンナンスできる人材がおらず、データを取り出せないブラックボックス状態になりかねません。データにもとづいた事業の変革を進め、各部門でも時代に合った業務フロー改善を行うためにもDXの推進が必要です。

経理部門にDXが必要な理由

企業が全社的にDXを進めるにあたり、経営に影響する自社の数字を扱う経理部門のDX化は非常に重要です。経理におけるDX化は、ITツールを活用して業務効率化を行い、日々の雑務の処理から経理のコア業務へと集中する、経理の本来業務によって会社の経営の意思決定に影響を与える役割へと移行する、などの目的があります。DX化によって業務効率化だけでなく、ペーパーレス化が進み、環境面に与えるメリットも期待されています。

1.経理部門が抱える属人化や紙管理からの脱却などの課題解決につながる

経理部門のDX化が進むことで、業務効率化をはじめ経理が抱える各課題の解決が期待できます。経理が抱える課題として、具体的には以下の点が挙げられます。

経理部門が抱える課題

属人化しやすい・経理部門では給与システムや販売・受注システムなど複数のシステムの知識がある特定の人材が業務を進めているケースが多い
・特定の人材だけしかできない経理業務が存在する企業も多く、分業が進みづらい
紙管理による手間が多い・請求書や手形など紙管理の業務が多く作成や承認までに時間がかかる
・紙の請求書の内容を経理ソフトにデータ入力する、勤務時間を計算するため給与ソフトにデータ入力するなどの業務も多い
テレワークがしにくい・書類への押印や重要書類の送付業務などもあるため、経理部門のテレワーク化が進みにくい
・他の部門はテレワークできていても、クラウド化に対応していない経理部門だけ出社が必要というケースもある

経理部門のDX化推進によって各システムで別々に管理していたデータを一括管理できるようになると、複数システムのデータの数字を自動で集計できるため属人化の防止が可能になります。また経理部門で集計、分析したデータを経営層にすぐに見せることも可能になるため、経営の意思決定に貢献しやすくなるというメリットがあります。

また、DX化によってペーパーレス化が進み、契約書作成や承認もシステム上で可能な体制ができれば、書類の作成にかかっていた時間や承認、押印の手間などを省けるだけでなく、経理部門のテレワーク作業も実現しやすくなります。

2.経営の意思決定に貢献できるようになる

経理部門の業務効率化が進むと、コア業務に集中できるため、経営の意思決定にも貢献できる機会が増えます。現状、多くの企業の経理部門は手入力や仕訳などのノンコア業務で手一杯になっています。システム導入や業務フロー改善などのDX化の推進によって、ノンコア業務の負担を減らし、現状の売り上げの分析など利益拡大につながる分析業務など経営判断に貢献できるコア業務に集中できます。

経理部門がコア業務に集中することで経営層の欲しい情報を正確かつ迅速に提供でき、利益拡大に向けた経営の意思決定の手助けが可能になります。煩雑なノンコア業務にかける時間を減らし、生産性をアップさせるコア業務の割合を増やすことが経理部門のDX化の目指すゴールの1つです。

経理部門のコア・ノンコア業務

効率化すべき経理部門のコア業務 効率化すべき経理部門のノンコア業務
・売り上げ分析
・業績管理
・予算管理
・決算業務
・請求書の封入・発送
・立替経費精算
・現金出納管理
・給与、経理ソフトへのデータ入力
・紙の給与明細の配布

経理部門が行うDXの取り組み

経理部門のDX化の実例として、電子化や各業務のシステム化が挙げられます。例えば、これまで紙とExcelで行っていた経費精算業務は、「従業員が各自のスマホアプリから経費を申請し、そのデータを経理ソフトと連携して自動化する」というシステムを導入すれば経費精算にかかっていた工数の削減が期待できます。

他にも、1つずつ手作業で行っていた請求書や仕訳、請求書送付作業のクラウド化も可能です。請求書をクラウド上で作成し、顧客にはメールで送付できるため作業が効率化できます。また、出社して押印が必要だった各種の契約書作成を電子化すると、これまで担当者が押印のために現地に赴いたり書類を送付したりしていた時間や負担を軽減できます。

経理部門でDXを進める具体的方法

経理でDXを進めるには、「書類の電子化」「複数システムのデータの連携」「データをすぐに見られる状態にする」の3ステップが必要です。

1.書類管理、契約書作成などの電子化を進める

まずは領収書や請求書、納品書などの証憑書類をデータで管理するシステムを導入して、業務効率化を目指します。経理部門では、書類の作成や押印などで業務時間が割かれています。また、保存している書類が手続きに必要で出社しないと業務ができないケースも多いのが実態です。

データ管理に移行すれば、書類作成や押印などの手間の解消、書類の保管・検索も容易になります。ただし、取引先ではペーパーレス化や電子化が進んでいない可能性もあります。場合によっては請求書や納品書をペーパーレス化する必要性を取引先に説明したり、電子化に対応していない取引先でも容易に電子契約や電子署名が可能なシステムを導入したりする対応も必要になります。

2.データを連携させる

ペーパーレス化の対応をした後は、複数システムのデータの連携を進めます。経理部門では通常、給与や受注・販売など複数のシステムからデータを集めて業務を行っています。複数システムのデータを連携できるシステムを導入すると、売上管理や給与計算などが自動で算出できるため、これまでかかっていた業務時間を大幅に短縮できます。また、業務を自動化することで経理の属人化やデータ改ざん、二重入力などの人的ミスの防止も可能です。

3.連携させたデータをすぐに見られる状態にする

システム上で連携させたデータは、必要なときに必要な情報を適切に取り出し、シェアできる状態にする必要があります。システム上で地域別の売上・利益の推移や部門ごとの経費の状況などの経営状況を、リアルタイムで確認できれば、経理部門が時間をかけて資料作成を行わずとも、ボタン操作1つで経営層は経営判断に必要な情報を取り出せます。

連携データの可視化や共有が可能になれば、経理部門は生産的なコア業務により時間を割けるようになります。

まとめ

DXとは、クラウドやAIなどのITの活用によって新たなビジネスモデルや製品・サービスを創出したり、変化に柔軟に対応したりできるように変革を行うことを指します。経理部門におけるDX化とは、ITの活用によって売上管理や給与計算などの業務を効率化して、経営の意思決定に貢献できるようにすることです。経理のペーパーレス化や効率化の一歩として、請求書の電子化、データ連携可能なシステムの導入をはじめ、経理部門の業務が給与関係にもまたがっている場合は、毎月の給与明細の電子化や、給与システムと連携した電子申請などが可能なシステムの利用も有効です。

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