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戦略総務とは、どのような総務のあり方を指すのでしょうか?通常の総務部門との違いを知りたいです。

戦略総務とは、経営層や現場に能動的に働きかける総務のあり方を指し、定型業務ではなく、提案や積極的な業務・職場改善を担います。
公開日時:2022.09.30
詳しく解説

Q. 戦略総務とは、どのような総務のあり方を指すのでしょうか?通常の総務部門との違いを知りたいです。

業員規模500人程度の総務部門で管理職をしています。現在施設管理や備品管理、庶務業務を中心とした定型業務を総務の中心業務として行っています。会社の決定で「戦略総務」を目指すことになりましたが、「戦略総務」とは、どのような総務のあり方を指すのか、その定義もあわせて詳しく知りたいです。また、戦略総務として役割を果たすには具体的にこれまでとどのように異なる業務を担っていけばよいのでしょうか。

A. 戦略総務とは、経営層や現場に能動的に働きかける総務のあり方を指し、定型業務ではなく、提案や積極的な業務・職場改善を担います。

戦略総務は定型業務を行う総務とは異なり、経営層などに能動的に働きかける総務を指します。戦略総務になるために、まずは現在の業務の見直しや優先付け、アウトソースの検討を行いリソースを確保した上で業務効率化や社内の職場環境改善に取り組むことが具体的な戦略総務の役割になります。

戦略総務の定義

戦略総務とは「能動的に働きかける総務部門」を指します。企業が抱えている顕在的・潜在的課題を解決するために、企業の仕組みを改善し続ける総務の新しいあり方です。

一方で従来の総務部門は、以下のような定型業務をルーティンで行ってきました。

  • 備品、施設管理:PCや社用携帯、OA機器、オフィス家具、事務用品などの消耗品の管理・発注、建物の防災、メンテナンス依頼
  • 社内対応:名刺や身分証の発注、従業員からの休暇・福利厚生に関する申請書対応
  • 庶務:契約書・稟議書・社内申請書などの文書作成および管理

戦略総務はこういった定型業務を受動的に行うのではなく、総務部門を含め各部門の情報収集や現状把握から、内部環境を改善するための提案を積極的に行い、企業の継続的な繁栄に寄与するコア的な役割が求められます。

戦略総務はなぜ必要か?

社会的な時代の変化に合わせて企業を取り巻く環境も変化している中で、永続的な経営存続のために総務部門関連業務にも大きな変革が必要です。

その中で、持続可能な組織を作るために戦略総務が必要不可欠な理由を3つ解説します。

(1)人口減少・労働力減少

近年の少子高齢化に伴い労働力が減少する日本において優秀な人材を十分確保する施策が急務であり、また企業に定着させる仕組みも重要です。また、人材不足により一人当たりの業務量が増加するため、業務を合理的かつ効率的に変革することも重要です。

(2)テレワークの広がりに対応するため

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、テレワークの需要が拡大し、出社しなくても業務が行える環境・体制の整備が重要となりました。出社が前提のケースが多い総務の定型業務においてテレワークができる環境づくりは急務と言えます。採用業務においても、住所地や家庭環境に縛られずに勤務できるテレワークが可能かどうかは優秀な人材確保に影響します。

(3)働き方改革、デジタル化による変化

社内業務のデジタル化や働き方改革で提唱される従業員のワークライフバランスを考慮した多様な働き方の導入など、総務部門が関わる部分でも大きな変化が求められています。ルーティンワークを行うだけでなく、課題に対して改善策を提案し、企業の風土に変革を起こすことも必要です。

また、人材の採用・定着で重視される福利厚生面の充実に向けた取り組みも課題となり、総務部門の提案が従業員の満足度を高める重要な役割を担います。

戦略総務になるためのポイント、具体的な役割

戦略総務になるためには、総務部門として従来担ってきた業務の特性を利用することが不可欠です。

ここでは、戦略総務にシフトするための重要なポイントを解説します。

(1)社内のタスクの棚卸と優先付け

まずは総務部門が担っている業務の洗い出し・細分化を行い、客観的な視点で比較し重要度の優先順位を付けましょう。その中からアウトソースが可能な業務や、より一層注力すべき業務を決定します。

(2)経営層と現場をつなぐアクション

総務部門は企業内の各現場と書類の提出などを通じて接する距離が近く、現場の課題や従業員の抱える悩みを把握しています。定形業務をただこなす役割から現場の意見に耳を傾けて把握した実態や悩みを集約し、積極的に経営者へ改善策を提案する役割を担うことで、自社の変革に大きく寄与することができます。

(3)アウトソーシングサービスを活用

物品の購入・整理などの庶務業務や施設の管理業務といった定型業務をアウトソースすることで、全体の業務量をスリム化し戦略総務のリソースを確保できます。その結果、分析や課題解決に向けた戦略的な業務への注力が可能です。

(4)ツール・システムの導入やデータ活用

総務部門が担う定型業務には、給与計算といった労務や経理業務に関わるもの、ワークフロー申請・承認などの多岐に渡る業務が存在します。これらに対してアナログな手法ではなくツールやシステムを導入し、自動化・効率化することで、戦略総務として課題の抽出や提案のためのリソース確保が可能となります。

また、従業員の残業時間や遅刻・欠勤などの勤怠データを活用し、研修の実施や働き方改善の提案につなげることも重要です。

 

次に、戦略総務の具体的な役割としては、以下のような例が挙げられます。

(1)コスト削減

・ペーパーレス化を推進し、資料の管理にかかるコストや印刷代を抑える

・優先度が極めて低い業務や非効率的な手法、自動化が可能な業務を洗い出し、人件費を削減する

(2)働きやすい職場環境の改善

・労務や福利厚生に関するデータをはじめデジタル化した従業員のデータを活用し、働きやすい職場環境を整備する

なお、職場環境改善のための具体的な例は以下のとおりです。

・従業員の心身の健康について意識調査を行い、健康経営戦略として取り組むテーマを提案し実行する

・社内アンケートを基にWeb会議に対応したオフィスレイアウトを考案する

総務戦略にシフトするために、現行業務の棚卸しからアウトソース可能な業務の洗い出し、システム導入や保管データのデジタル化を検討しましょう。その結果、コスト削減や働きやすい職場環境への整備が可能です。

また、現場との距離が近い立場を活かし、現場と経営者をつなぐことも戦略総務の重要な役割です。経営層への積極的な提案・改善へのアクションが、企業変革にプラス作用をもたらします。

まとめ

昨今の労働力不足や働き方の多様化など社会の急激な変化に対応するために、総務部門には従来のルーティン業務以上の働きとして攻めの姿勢で提案を行う「戦略総務」の役割が期待されています。

戦略総務へ変わるためには総務部門のあり方に関する根本的な意識改革や、他部門との密なコミュニケーションが要求されることが大前提です。そして、実際の業務として変革を起こしていくためには、保管データのデジタル化や業務の外部委託を戦略的に導入し、日々の必須業務をスリム化することも重要です。

バックオフィス業務の効率化やデータ活用は、戦略総務として企業の抱える課題を解決し、経営を支えるための第一歩と言えるでしょう。

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