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テレワークを導入しましたが、在宅勤務になった従業員の交通費はどのように扱えばよいでしょうか?

2021.03.31

詳しく解説

コロナ禍を機にテレワークを本格導入するため、社内制度を整備しています。これまでは1か月の通勤にかかる定期代を支給していましたが、テレワーク実施後はどのように交通費を支払えば良いでしょうか。

まずは、自社のテレワーク状況を把握しましょう。交通費を実費支給に切り替えた方が経費削減になるケース、これまで通り定期代を支給した方が良いケースがあります。

従業員の自宅から企業までの通勤にかかる交通費は、正確には「通勤手当」と呼ばれます。質問の交通費は通勤手当にあたるものと考えたうえでご説明します。

通勤手当は法律で支給が義務付けられているわけではなく、従業員に支給するかどうかは自社の規定内で決めるものです。通常は各社の就業規則や賃金規定に基づいて支給の有無や支給方法を決定します。

これまで定期代を支給していた企業では、まずは自社のテレワーク実態を把握し、テレワーク導入後も従来どおり定期代を支給した場合、出社日数分だけ交通費を支給した場合、それぞれをシミュレーションしましょう。例えば、1か月や半年などの期間でシミュレーションし、定期代よりも出社日数分の交通費を支給した方が安くなる場合は、実費支給への切り替えも視野に入れます。

1.そもそも、通勤手当とは?

通勤のための運賃・時間・距離より、最も経済的で適切な経路の交通費として支払われるのが通勤手当です。通勤手当の扱いは企業毎に対応が異なり、多くの企業では

①福利厚生の一環として企業が支給している
②実際に通勤にかかった費用を後払いする(実費支給)

のどちらかを採用しています。通勤手当を支給しない、あるいは一部しか支給していないというケースも少数ながら存在します。なお、交通費としての通勤手当は1か月当たり15万円が限度額となり、15万円を超えた分が課税対象となります。例えば通勤手当が1か月当たり16万円の従業員の場合、限度額を超える部分1万円が給与として課税されます。

2.テレワーク導入後の交通費シミュレーションを行う

テレワーク導入後の通勤手当の扱いを検討する際は、まずは何人の従業員が在宅勤務となり、また1か月の在宅日数がどのくらいか、という在宅率の見込み数を把握しましょう。その上で1か月や半年などのスパンで通勤手当がいくらかかるかシミュレーションし、実費支給の方が1か月の定期支給よりも明確に経費削減となるようであれば実費支給とするのが妥当と言えます。

実費支給の場合、全く出社しない従業員には通勤手当を支給する必要がなくなります。定期の割引率を考慮し、「週の出社が3日以下の従業員は実費支給」「通勤手当と比べて実費が低くなる場合は実費の支給」など、条件付きで実費支給に切り替える方法もあります。

ただし、「毎月の勤務実態を確認した上で定期代支給か実費支給かを決定する」という運用は、確認の手間や申請フローの整備などで経理担当者の負担が増大する恐れがあります。また、実費支給に切り替える対象者の決定基準についても細かな条件を付けすぎると、運用上の支障が生じやすくなります。条件付きで実費支給の対象者を決める際は明確かつシンプルな基準を設定し、従業員へ提示しましょう

3.実費支給に切り替える場合、就業規則の見直しも検討する

テレワーク制度の導入で通勤手当の支払い方法を変更するのに合わせて、就業規則または賃金規定の見直しも必要です。条件付きで定期代支給から実費支給に切り替える場合や、在宅勤務者に一律対応で実費支給とする変更を新たに行う場合は、厚生労働省の「テレワークモデル就業規定」を参考に、該当の条文を追加しましょう。

例:
テレワーク勤務規定(給与)
13条 在宅勤務者の給与については、就業規則第○条の定めるところによる。
在宅勤務(在宅勤務を終日行った場合に限る)が週4日以上の場合、毎月定額の通勤手当は支給せず、実際に通勤に要する往復運賃の実費を給与支給日に支給するものとする
厚生労働省|テレワークモデル就業規定

上記のような就業規則や賃金規定を変更する場合は労使の合意が必要であり、迅速な運用開始のためにはスケジュールに余裕を持った進行が求められます。どの時点から実費支給の適用を開始するか、期日を明確にして準備を進めると良いでしょう。

実費支給への切り替えで従業員の不利益になる点があると見なされると、自社の労働組合から反対されることも想定されます。テレワーク導入後の通勤手当に関するシミュレーション結果を共有し、実費支給への切り替えが合理的であるという説明材料も用意しておきましょう。

また、実費支給に伴い通勤手当として計上されている従業員の報酬が下がるため、社会保険料の調整が発生することも考慮する必要があります。

まとめ

テレワーク導入後の通勤手当は、まずはシミュレーションに基づいて支給方法を変更するか現状維持するかを検討します。実費支給へ切り替える場合、就業規則の変更とセットで制度を整備しましょう。実費支給の実施ために経理部門の工数が増加してしまう懸念もありますが、交通費を自動算出できるシステム導入で効率化できる場合もあります。有効的に活用しましょう。

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