ホテル特有の複雑なシフト管理をシステム化。“脱アナログ”計画で、月締め業務工数の約1/3を削減

  • ホテルニューグランド様
    総務人事部 人事担当課長 今村様
  • 業種:
    ホテル
  • 拠点数:
    3箇所(2023年3月現在)
  • 対象規模:
    約300人
  • 運用開始:
    2021年10月~

企業の特徴:
ホテルニューグランドは、関東大震災の復興事業として、横浜の迎賓館をつくるべく横浜市が主幹となり、1927年に開業した。2022年12月に開業95周年を迎えた伝統ある横浜のクラシックホテルでは、歴史と共に様々なドラマが生まれている。

所在地:
〒231-8520 神奈川県横浜市中区山下町10番地

  • 導入の目的

    アナログ集計と手入力の廃止

    タイムリーな就業状況の把握

    業務効率化と生産性向上の実現

  • 導入製品

1.約300人もの勤怠データを手作業で確認・計算・入力する日々

Q:導入の背景について教えていただけますか?

これまでの勤怠管理は、タイムレコーダーで記録した出退勤データや各種申請内容を手作業でExcelへ入力していました。15日の締め日になると、全社員のタイムカード約300人分を1人ずつ目視でチェックしていました。従業員のシフトは暗記しておいたり、シフト表で照らし合わせながら、シフトどおりの勤務を行っているか、遅刻や早退、欠勤、有給などをリストに書き込み、給与計算システムへ手入力していました。そして最後に、手入力したデータが合っているかの確認のため、紙に出力して別のスタッフがダブルチェックをし、間違いがないかどうか確認してから計算へ進むといった手順をとっていました。

時間外労働についても、各部署が従業員ごとの時間外労働日数や時間をExcelで入力したデータを提出してくれるのですが、Excelの計算式に間違いがないか確認、最終的には印刷して照合を行う必要がありました。このアナログの月締め処理に、約3人掛かりで2、3日費やさなければならない状況でした。

また、申請フローも紙ベースで行っていたため、元データの不備や申請漏れの発生など、タイムリーで正確な就業状況の把握ができない状態にありました。それゆえ、勤怠締めの後に労務リスクに気付くといったこともありました。

こうしたアナログ作業による弊害をなくし、業務の効率化と生産性向上を図り、タイムリーな就業状況を把握するという課題解決のため、勤怠管理システムの導入を検討する運びとなりました。

2.システムアレルギーを乗り越える“親しみやすさ・使いやすさ”を重視

Q:VG Cloud導入のきっかけを教えていただけますか?

アナログ主体の管理だったもので、どんな勤怠管理システムを導入するかの検討にも、2年ほどかかりました。その中で決め手になったのは、“使いやすそう”という点です。

給与計算システムと同じメーカーの製品を使って連携させると便利なのでは?という案もあり、その企業にもプレゼンをしていただいたこともあります。しかし、実際にシステムを使う現場では、「システムを操作する」こと自体にアレルギーを起こすスタッフも少なくないです。職人気質のスタッフも多く、管理・承認・申請ということを紙で書かずに行うことに、抵抗感があるスタッフも少なくありません。そうした現場スタッフや管理者が使いやすい環境にしたいと考えていました。

その点、アマノ社のVG Cloudは、IT知識がなくても感覚で操作できそうな画面構成のインパクトを強く受けました。紙文化の人間が持つ抵抗感を、なるべくハードルを低くして感覚的に見て使える点は、現場の使いやすさ重視で選んでいた私たちにとっては響きました。

機能やサービス面については、当社の多岐にわたる勤務体系へも柔軟に対応できるシステム設計であることはもちろん、勤怠のプロであるアマノ社の営業や専任SEの方々の安心感もポイントでした。他社の事例から自社では気付かなかった指摘やアドバイスをいただけることが多く、より良いカスタマイズを一緒に目指してくださりそうだと思いました。

実は、ずっと使用しているタイムレコーダー(打刻機)の中には、アマノ社のものも含まれているんです。以前、タイムレコーダーに不具合が発生したときにお電話したら、対応がすごく早かったのを覚えています。また、他社だと故障したら新しいものを買わないと……と言われてしまうのですが、アマノ社の場合、すぐに購入を勧めるのではなく、親身になって様々な運用提案をしてくださるので、印象が良いですよね。そんなこともあって、「勤怠といえばアマノ社」というイメージが上長たちにも浸透していたことも、決め手の1つです。

更に言うと、近隣のホテルさんがすでに導入されていまして、「アマノ社の製品はすごく使いやすいよ」という声を聞いていたという口コミ的な要因もありました。

現場が使いこなせる画面・操作性により管理部門の工数を約1/3削減

導入前のアナログスタイルでは、打刻・シフト・残業申請など目視の照会をし、紙に出力してダブルチェックするという、時間がかかる作業を行っていました。

これがVG Cloudの導入により、シフトと実働時間の整合性や残業等の計算等は現場にある程度任せられるようになりました。画面を見ればなにがエラーになっているのか、エラーに対してどうアクションすべきかが見ただけで分かるので、現場の人間も迷いなく使用することができるのが大きいですね。

その後各部門から上がってくる勤怠データを、総務人事部では打刻漏れや申請ミス等がないかのチェックを行い、給与計算システムへ流すという程度に抑えられました。結果的に、従来の作業工数と比較して約1/3以上の工数削減が実現できたと感じています。

VG Cloudトップ画面

“やるべきこと” は すべてシステムが教えてくれる、使いやすいを考え抜いたTOP画面

編集できるマニュアル付きで社内浸透もスムーズに

VG Cloudを導入して、そうは言っても勤怠管理システムの浸透には時間がかかるかと思っていましたが、実はそうでもなくて。運用開始3か月程度で慣れていった感じはあります。運用開始直後は、現場からの問い合わせに対応することはありましたが、アマノ社が用意してくださったマニュアルの雛形を当社用に編集し、それを使って説明会を行ったりもしました。

マニュアルは従業員がいつでも閲覧できる状態にしているので、現場から質問があれば「マニュアルの○ページを見てください」と伝えています。そうするとマニュアルを見ることにも慣れていき、自然に浸透していきましたね。

VG Cloudマニュアル

自社用にカスタマイズできるマニュアルも提供

ホテル特有の複雑なシフト管理をシステム化。効率化に加え、労務リスクを未然に防ぐことが可能に

当社は24時間体制で営業しているため、シフトパターンが多岐に渡ります。各部署に5〜12パターンあり、全体で100パターン前後あります。基本的に1日7.5時間の就業ではありますが、例えば結婚式が2件入っているような場合、今日は5時間働き、別の日は10時間働く、2日の合計が15時間になるよう工夫した長短シフトというものもあります。このような、24時間をうまく使えるようなシフトパターンが現場には多くあります。

こういった変則的なシフトパターンにもVG Cloudは対応しています。さらに、シフトを組みながら1か月の所定時間や勤務日数の合計などが確認できるので、正確なシフト作成が効率的にできるようになりました。

また、勤務状況をタイムリーに把握することができる機能が豊富で、今までは締めのタイミングにならなければ気付かなかった問題に、先んじて対応できるようになりました。

例えば、アラート機能による気付きです。当社ではカスタムアラートで打刻漏れを優先的に設定していますが、有給の申請をしているのに出社して打刻した場合にエラーが出ることがよくあります。これが勤怠を締める前に対応できるようになり、打刻漏れだけでなく休暇管理や給与計算のミスを防げるようになりました。

VG Cloud シフト表作成画面

複雑なシフト表作成もシステム管理で効率化

3.より良い人員配置や人事制度策定のために

Q:VG Cloudを活用して、今後実現したいことはありますか?

VG Cloudで得たデータを、適正人数の精査や要員計画にも役立てたいと考えています。適性人数の精査に関しては、各部門別のデータを出しやすいですし、時間も日数もVG Cloudで割り出せますので、今のところは特に問題なく資料を作成できています。データの活用方法としては、時間外労働がどれくらい発生しているか、そこにかかっている人数などを見ながら、工数がかかりすぎな業務を簡素化させたり、新たなサービスに適応できる人員かどうかというのを見たりすることもありますね。

また、管理職は時間外手当がありませんが、VG Cloudで労働時間や在社時間を調べると、始業時間から1、2時間前に出社している従業員や、帰りが遅い従業員もいます。管理職評価やサポートとなる制度を検討するなど、新たな人事制度の策定にも役立っています。

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