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チームビルディングとは? その目的や期待できる効果、実施プロセスまでを解説

公開日時:2022.11.22

ダイバーシティの推進によって組織の在り方が多様化する中、「組織力を強化させたい」という課題感を持っている人事担当者も多いのではないでしょうか。そこで現在注目されているのが「チームビルディング」の考え方です。「チームビルディング」とは、個人が持つスキルや能力を最大限に発揮することで、組織全体のレベルアップを図る手法として多くの企業で取り入れられています。本記事では、チームビルディングの基礎知識から導入プロセスまでを詳しく解説します。

チームビルディングとは

チームビルディングとは、欧米で考案された組織づくりの手法で、最近では日本でも導入する企業が増えています。これまでの企業においては強いリーダーシップでメンバーを率いて成果を上げる組織づくりが主流でしたが、現在着目されているのは「チームとしていかに成果を最大化できるか」という考え方です。多岐にわたるビジネス課題に対応するため、個人では達成できない目標にチームで取り組み成果を最大化できる強い組織が求められています。

チームビルディングとは組織のパフォーマンスを向上させる取り組み

チームビルディングとは、個人が持つスキルや能力を最大限に引き出すことで、組織のパフォーマンスを向上させる取り組みです。理想の組織像が違っていてもチームビルディングにおける「チームとして成果を上げる」という重要なポイントは、どの組織にも共通しています。対象者は、内定者や新入社員から中堅社員、ミドル・マネジメント層、トップ・マネジメント層まで幅広く、チームビルディングの成功には適切なアプローチが不可欠です。

チームビルディングの目的

チームビルディングの目的は、組織が目指す方向へメンバー全員がチームとして努力と成長を続けられる環境を整えることです。具体的な4つの目的について解説します。

1.チームパフォーマンスの向上
最大の目的は、チームのパフォーマンス向上です。 メンバー全員が同じ目標に向かって能力を最大限に発揮することで、結果的にチームのパフォーマンスが向上します。

2.チームメンバー間の関係強化
話しやすい環境づくりとメンバー同士の関係強化も目的の一つです。十分な対話によって相互理解が深まると、適切な人材配置を行えるなど業務効率の向上にもつながります。

3.マインドセットの形成
メンバー同士の人間関係が構築できると、マインドセットの形成にポジティブな影響を与えます。一人ひとりがチームとして目標を達成したいという強い気持ちを持つと、より意欲を引き出すことが可能です。

4.チームビジョンの浸透
経営や戦略といったチームビジョンの浸透も、チームビルディングの目的です。例えば、新入社員や中途社員の入社時など、早い段階でビジョンを共有すると効果的にチームの一体感が育ちます。

チームビルディングで期待できる効果

チームビルディングで期待できる主な効果として以下の3点が挙げられます。

  • コミュニケーションの活性化
  • 組織貢献への思いの醸成
  • 新しいアイデアの創出

コミュニケーションの活性化

チーム目標という共通認識が得られると、メンバー同士の対話が活発になります。報告・連絡・相談が積極的に行われるようになり、情報共有の漏れを防いでスムーズな業務遂行が可能です。メンバー同士の信頼や思いやり、良好な人間関係を築くためにも、コミュニケーションの活性化が欠かせません。

組織貢献への思いの醸成

チームビルディングを通じて、組織貢献の思いを育てることが可能です。チームに一体感が生まれると、メンバーの中にも「貢献したいという」思いが芽生え、その結果よりチームとして個人の能力を引き出すことができます。さらには、チームビルディングの結果メンバーが成果を出して周囲から評価を得ることで、よりメンバー一人ひとりのモチベーションが高まるといった好循環が生まれます。メンバーそれぞれが組織貢献への思いを育てることは、組織全体の生産性向上や品質向上につながる大切な要素です。

新しいアイデアの創出

チームビルディングを通じて、組織貢献の思いを育てることが可能です。チームに一体感が生まれると、メンバーの中にも「貢献したいという」思いが芽生え、その結果よりチームとして個人の能力を引き出すことができます。さらには、チームビルディングの結果メンバーが成果を出して周囲から評価を得ることで、よりメンバー一人ひとりのモチベーションが高まるといった好循環が生まれます。メンバーそれぞれが組織貢献への思いを育てることは、組織全体の生産性向上や品質向上につながる大切な要素です。

チームビルディングで実施すべきこと

チームビルディングにおいて実施すべきポイントは、大きく3つに分類されます。高いモチベーション・パフォーマンスを発揮するため、という観点から具体的に実施すべきことを詳しく解説します。

明確な目標の設定

第一に、チームの方向性を定めるための明確な目標設定が必要です。パフォーマンスを高めるためには、チーム全体の共通意識だけでなくメンバー一人ひとりのモチベーションも欠かせません。目標がより明確で具体的であるほど、メンバーは高いモチベーションを維持でき、目標達成に向けて効率的に行動を続けられます。

メンバーの役割の明確化

個人が持つ能力を最大限生かすためには、役割の明確化が必要です。自分に何が求められているのか、具体的な役割が分かっていると目標のための行動に取り組みやすくなります。それぞれのメンバーが持つ能力や経験を知っておくと、より一層役割を明確にできます。

価値観の容認

チームが上手く機能するためには、メンバー同士で異なる価値観を尊重し合うことが大切です。互いの価値観を容認できず意見の衝突が起こると、チームの団結を妨げるだけでなく業務にも支障が出てしまいます。近年では年齢、職務経験、出身国などが異なった多様なメンバーでチームを構成することも少なくありません。リーダーを中心に、相互理解を深め多様な価値観を容認できると結束力が高まります。

チームビルディングの実施プロセス

米国の心理学者ブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」では、チームが発展していく過程を5段階の状態に分け、チームビルディングの導入から成功までのプロセスを説明しています。

1.形成期/Forming(フォーミング)
形成期とはチームが作られたばかりの段階で、共通目標もなければお互いのことをよく知らない状態です。形成期にはメンバー同士の相互理解を深めること、共通の目標を設定するために要因や課題を見つけることが大切です。例えば「飲み会や交流会を開催する」「ゲームやアクティビティを取り入れる」など、対話の機会を増やす工夫が求められます。

2.混乱期/Storming(ストーミング)
混乱期とはメンバーの間で意見の対立が生まれている状態です。チームが作られてから時間が経過し、徐々にお互いの考え方や価値案の違いが明らかになりはじめます。個人的な主張による衝突が起こり、全体のモチベーションが下がる場合もあります。次の段階へ進むためには対立を恐れず意見を表面化させて、全員参加の課題解決が重要です。

3.統一期/Norming(ノーミング)
統一期とはメンバーが互いの価値観や考え方を理解し、チームに統一感が生まれてきている段階です。目標や役割が明確化され、チームが活気付く時期でもあります。互いに能力や価値観を認め合った上で一人ひとりが能力を発揮し、一丸となって目標達成を目指すことが大切です。

4.機能期/Performing(パフォーミング)
機能期とはメンバーが高いモチベーションを持って能力を発揮するだけでなく、互いに助け合ってチームがうまく機能している状態です。共通の目標に向かって個人が能動的に動き、チームとして最もパフォーマンスが期待される時期でもあります。機能期を持続させるためには、リーダーによる継続的なコミュニケーション活動が重要です。

5.散会期/Adjourning(アジャーニング)
散会期とはチームの活動が終了する状態です。目的の達成や時間的な制約により、プロジェクトが終了しチームは解散します。メンバーが感じている達成感や満足感、メンバー同士の称賛の有無などでチームビルディングが成功しているかどうか判断できます。また散会期の様子から反省点を抽出し、次回のチームビルディングに活かすことも重要です。

チームビルディング成功のコツ

米国の心理学者ブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」では、チームチームビルディング成功のために重要な3つのポイントを解説します。

強制的な目標にしない

一つ目のポイントは、無理な目標や強制的な目標を立てないように注意することです。強制的な目標は、メンバーの焦燥を駆り立てるだけでなく、モチベーションを低下させることにつながります。チームとして機能するためには、メンバーの主体性が不可欠です。

リーダーに必要なのは指示を出すことではなく、メンバー全員に意識をさせる働きかけです。目標設定においてはメンバーの意向をヒアリングするなど、一人ひとりが自主的に行動できる目標にする必要があります。

メンバー任せにしすぎない

二つ目は、メンバー任せにしすぎないよう意識することです。個人に裁量を与えるのも必要ですが、主体性を持たせることとメンバー任せは異なります。必要以上にメンバー任せにしてしまうと個人の意向が表面化し、チームの結束力を弱める可能性があります。

業務を任せる場合は、丸投げをするのではなく目標や役割について十分説明した上で任せる範囲を決めることが大切です。任せる範囲が多すぎると、個人のやる気を喪失させる恐れもあります。リーダーは適宜、目標と行動のギャップを確認しフィードバックする必要があります。

チーム編成に気を配る

三つ目のポイントは、チーム編成に気を配ることです。チームのパフォーマンスを高めるためには、一人ひとりの能力や適正、人間関係を考慮してチームを編成しなくてはなりません。チーム編成において重要なのは、必要な人数の確保ではなく適材適所の人員配置です。

適性を誤った配置はメンバー同士の対立を引き起こしやすく、パフォーマンスの低下に直結します。メンバー同士で頻繁に対立が見られる場合は、人員の入れ替えなどチーム編成の見直しが必要です。

まとめ

チームビルディングは、組織づくりにおいて非常に効果的な取り組みです。チームビルディングの導入により、コミュニケーションの活性化や新たなイノベーションのきっかけが生まれるだけでなく、従業員一人ひとりの組織貢献の思いを育てられます。

効果的にチームビルディングを実施するために、まずは従業員が安心して働ける環境づくりが必要です。組織として理想のパフォーマンスを発揮するには時間も必要ですが、チームビルディングのプロセスを通じて得られる全ては、あらゆる場面で役立ちます。

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