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VUCA(ブーカ)時代とは? 企業が生き残るために必要なスキルやフレームワークを解説

公開日時:2022.09.21

「VUCA時代」という言葉を聞いたことはありますか? 人材育成・研修・マネジメントに関わるビジネスマンであれば昨今、耳にする機会がある言葉です。新型コロナウィルス感染症の蔓延、軍事侵攻による影響など、世界では10年前に予測できなかったことが起こり、その影響で社会がめまぐるしいスピートで変化し続けています。 本記事では、そんな大変化の時代である「VUCA時代」の特長と、企業や人が「VUCA時代」を生き抜くのに必要なスキルを詳細に解説します。

VUCA(ブーカ)とは?

VUCAとはVolatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する言葉です。

2010年代に一般に広まり、もともとはアメリカで軍事用語として使われていました。一般の社会でも従来の常識が通用しないような大きい変化が起きはじめたことから、VUCAは現在ビジネス用語としても使われています。

V(Volatility:変動性)

「Volatility:変動性」とは価値観や社会の仕組みの変容やテクノロジーの発展による先を見通すことが難しい不安要素を意味します。

例えば「スマートフォン」や「SNS」の急速な普及による営業やマーケティングの変化や新型コロナウイルス感染症によるテレワークの一般化がその例です。一方で新規事業や新たな価値の創出とも捉えられます。むしろVUCA時代においては「Volatility」をビジネスチャンスに変えることが企業、人材共に生き残るために必須だと言っていいでしょう。

U(Uncertainty:不確実性)

「不確実性:Unsertainty」とは「将来の見通しが難しい状況」を意味します。企業の年功序列・終身雇用制度の崩壊を始めとする雇用環境の大幅な変化、新型コロナウイルスのような感染症など、突如発生する出来事を予測することは困難です。10年前の常識は、もはや過去になっていると言っても過言ではありません。現代のビジネスでは、不確実な事象に対しての対応力も大きな成功の要素となっています。

C(Complexity:複雑性)

「Complexity:複雑性」とは経済状況を中心に世界がグローバル化したことにより、地球規模の課題が顕在化・複雑化していることを意味します。

グローバルなビジネス環境では、その国の法律や文化、ルール、習慣などさまざまな要因が絡み合うことで、おのずと複雑化してしまうのです。食糧・エネルギー・貧困問題、地球温暖化、さらにロシアによるウクライナに対する軍事侵攻など世界で起きている課題は国家間の連携が必要な時代となりました。自国の外で起きている課題は決して他人事ではなく自国にとっての課題でもあります。

A(Ambiguity:曖昧性)

「Ambiguity:曖昧性」とは解釈の可能性が複数あることです。他の3つの要素が複雑に組み合わさることで、因果関係が不明で、前例のない出来事が増えてきます。それにより最適解を見つけることが難しく、1つの課題を解決したとしても次なる課題が顕在化してしまうのです。

かつては、人の手を多く使っていた農業などの第一次産業の分野でもドローンやロボット等、IT技術が活用されていたり、広告を打ち出す場合にもTVCM等ではなく動画サイト、SNSが主流になったりと著しい変化が生じています。このように、かつての常識は通じなくなり、「ある問題に対する絶対的な答えがない」状況へと移り変わっているのです。

VUCA(ブーカ)時代とはどのような時代か?

では、これらVolatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityと向き合う必要があるVUCA時代とは具体的にどのような時代なのでしょうか。その特長についてそれぞれ解説します。

想定外の出来事に対応する必要がある

ビジネスや社会情勢、経済などが複雑さを増し、将来の予測が困難な状態なのがVUCA時代の特長です。つまり従来以上に「先見の明」を発揮しにくい時代へと移り変わっています。

したがって、VUCA時代を生き残るには「困難である予測」や「かつての常識」に固執するのではなく想定外の出来事への対応力が求められる、と言っていいでしょう。率先して変化の最前線に立ち、対応・行動する力を持った企業にビジネスチャンスが訪れます。

新たなサービスが次々に台頭する

一方でVUCA時代は新規事業や新たな価値の創出のチャンスとも捉えることができます。業界の概念を覆すような新しいサービスや製品が次々と生まれ、新時代の市場に参入できる余地があります。

例えば、新型コロナウィルス感染症による、Uber Eatsの需要拡大やZoomをはじめとするWeb会議サービスの普及など、今まで活用されていなかったサービスが現在では欠かせないものとなりました。

従来の常識が通用しなくなる

VUCA時代における雇用制度の変化や、感染症の拡大、戦争や紛争、エネルギーコストの高騰など、これまでの常識が通用しない事態に対応したビジネスモデルが必要になります。

日本の具体例を言えば2018年1月、厚生労働省により副業・兼業の促進に関するガイドラインが策定されました。また、2020年には副業・兼業を行うことができるようルールを明確化しています。副業・兼業を禁止している企業や一律許可制の企業に対し、原則、認める方向で就業規則の見直し、副業・兼業を行いやすい環境の整備を推進しました。

かつて日本の常識だった「1つの会社で長く勤めて出世して安定したキャリアを築き、老後は退職金をもらい年金暮らし」という価値観は現在「非常識」になりつつあります。VUCA時代を生き抜くには今まで「常識」だと思っていたものが「非常識」に、今まで「非常識」だと思っていたものが、この先の「常識」になっていくことへの変化に対応する必要があります。

副業の促進について詳しくは、次の記事をご覧ください

VUCA(ブーカ)時代に求められるスキルとは?

変化の時代であるVUCA時代の企業人材に求められるのはどのようなスキルでしょうか。特に重要と思われる時代に対応できるスキルをそれぞれ解説します。

リテラシーを兼ね備えた情報収集力

現在はインターネットを通じ、さまざまな情報が飛び交う社会です。正誤や質が定かではない膨大な情報から正しい情報を選別する力が必要になります。ビジネスにおいて判断を下すにしても、テクノロジーを活用して情報を集める力が必要です。さらに、集めた情報から将来の予測を立てることも必要ですが、予測が絶対ということはありませんし、正しいものだと断定できません。

 

したがって、時代の変化に合わせて予測も変化させる必要があります。その上で、情報から課題を解決するためのアイデアを実現するための実行力も必要です。

仮説を立て、自力で思考する能力

今後、日本における労働人口の半数の職業は、AIやロボットに置き換わると予想されます。なぜなら、AIの方がデータの数値化や過去のデータに基づいた単純作業を速く、正確にこなせるからです。その具体例はデータ入力や簡単な計算作業です。

そこで人間は、AIが苦手な仕事をする必要があります。AIはデータが存在したい課題を解決する仕事や、数値化できない人間の感性や経験に基づく創造的なアイデアを生みだす仕事が不得意です。

つまりこれからの時代、仮説を立て、自力で思考する能力が非常に重要視されるということです。AIとの共存社会が到来しつつある今、私たちは人間にしかできない「考える力」に焦点を当て、高めていく必要があります。

いざという時に実践に移せる行動力

最後に必要なのはいざという時に実践に移せる行動力です。その理由は、VUCA時代には前例のない状況で、スピーディに決断を下す必要があるためです。どれだけ適切に情報処理を行い、それらしい仮説を立てても、まずは現実に適用し、実践しなければ結果につながりません。

VUCA(ブーカ)時代に必要な企業の対応

VUCA時代の特長、求められるスキルを明確にしたところで、実際に企業が実施すべき対応についても把握しておきましょう。

企業のビジョンを明確にする

ビジョンをはっきりさせることで、予測困難な時代でもメンバーが持つべき指標が得られます。

持つべき指標が得られると、メンバーの一人ひとりが自分の役割を再認識した上で自律的に動くことができ、VUCA時代に不可欠なイノベーションの創出にもつながります。

VUCA時代に見合った人材を獲得し、中心メンバーとして活躍してもらうためにも、まずは経営層を中心にビジョンを明確にする必要があります。はっきりしたビジョンがあれば採用方針、評価方針も明確になります。

そして、企業を取り巻く環境が急速に変化しているVUCA時代において、ビジョン策定の前提として必要になるのが多様性を尊重する「ダイバーシティ」の考え方です。多様な価値観を認め合うビジョンがVUCA時代特有の「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」に対応し、イノベーションを起こしやすくなります。

従来のマネジメント手法の見直し

企業を取り巻く環境が変化するVUCA時代では従来のマネジメント手法から脱却する必要があります。なぜなら、VUCA時代の到来とともに、労働者の働き方も大きく変化すると考えられるからです。

昨今、企業と労働者の関係は雇用契約のみでなく、業務委託での働き方も徐々に浸透してきており、就業形態に関してもフルリモート制度、フルフレックス制度など選択肢など働き方の多様化が進んでいます。

そのため、新卒一括採用や終身雇用、年功序列などの従来のマネジメントシステムでは、働き方の選択肢が多様化したVUCA時代を生き抜く人材の確保・育成が難しい状況にある、と言えます。また、働き方だけではなく、人材のマインドも多様化しているため、幅広いキャリアや価値観を認めたうえで、人材採用や育成に取り組む必要があります。

ニーズの変化に対応できるフレームワークの活用

予測不能な変革のVUCA時代において、思考法のフレームワーク「OODA(ウーダ)ループ思考」が注目されています。「OODA」とは、行動や判断を後回しにせず、早期決定から行動をするための思考法であり、以下の4ステップで構成されています。

  • 「みる」(観察:Observe)
  • 「わかる」(状況把握:Orient)cs
  • 「決める」(意思決定:Decide)
  • 「動く」(行動:Act)

各ステップの特徴

観察:Observe

OODAにおける「みる」は現場担当者、意思決定者が意識して周りや相手の心などを捉える「観る」です。過去の経験をもとにした常識に捉われすぎないことが重要です

状況把握:Orient

Observeで集めたデータを分析して、どのような状況が起きているのかを理解し、行動の方向性を考えます。個人の世界観や価値観の違いによって、理解の仕方も変化していき、行動の差となって現れます。

意思決定:Decide

どういった行動を取るか、もしくは何もしないかを決めることを指します。注意点は入念な判断ではなく、即座の判断を意識するのがOODAループとしての効果を得るのに有効です。

行動:Act

他のプロセスを踏まえた上でシンプルに成果が出るように最後までやり抜くことを指します。また、次回ループのObserveもこれに「行動:Act」に含まれます。

PDCAとの違い

PDCAとはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)を意味する思考法です。

この思考法に基づいたフレームワーク「PDCAサイクル」では、上記の順番を一方向で規則的に回します(cycle)。両者の違いは以下の2つです。

  • OODAループはある程度結果を予測できるようになれば「みない」で「動く」といったステップのショートカットも可能だが、PDCAサイクルは必ずPlan(計画)にもとづいて1周する
  • PDCAサイクルが「計画を立ててから行動する」のに対し、OODAループは「状況を見てとりあえずやってみる」ために使うフレームワーク

VUCA時代においてOODAループが推奨される理由として、各ステップに対しての自由度や変化の多い状況下でも対応しやすい点が挙げられます。

また、それぞれのフレームワークにメリットとデメリットはありますが、OODAループは上記のようなショートカットも可能です。したがって、VUCA時代に必要な「迅速性」と「柔軟性」という面でより優れており、アウトプットを最速で行えます。

まとめ

VUCA時代とは「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を意味する言葉です。予測困難なこの時代を企業が生き抜くには情報収集能力、思考力、行動力のスキルは必須であり、それをビジネスに活かすためにはOODAループなどのフレームワークの活用が有効です。

VUCA時代に適用できる人材を育成するために働く環境の整備が必要です。「ダイバーシティ」の考えを取り入れた企業のビジョンの明確化と従来のマネジメント手法を見直すことが急務です。

本記事を参考にVUVCA時代に必要な人材登用や教育、ビジョンの策定を進めましょう。

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