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テレワークによるメンタルヘルス不調の原因とは? 企業が取るべき対処法を解説

2021.07.02

メンタルヘルスとは、精神面による健康のことです。新型コロナウイルス感染症対策を目的としたテレワークの実施に伴い、メンタルヘルス不調を訴える従業員が増加傾向にあります。 この記事では、テレワークによるメンタルヘルス不調の原因と従業員がメンタルヘルス不調にならないための対処法について解説します。

テレワークに潜むメンタルヘルス不調の原因

近年、社会情勢や労働環境などの急激な変化による不安やストレスが原因で、メンタルヘルスの不調を訴える人が増加しています。厚生労働省が2019年に発表した「精神障害の労災補償状況」では、仕事による強いストレスを原因とした精神障害の労災請求件数はここ数年連続で増加しています。

精神障害の請求、決定及び支給決定件数の推移
精神障害の請求、決定及び支給決定件数の推移

また、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークが一気に普及しました。テレワークという新しい働き方を含めコロナ禍の急激な変化によって「コロナうつ」や「コロナ疲れ」と呼ばれるメンタルヘルスの不調を訴える従業員が現れています。

企業がテレワークに潜むメンタルヘルスの不調の原因を詳しく理解できれば、従業員のメンタルヘルスの変化を早期に察知し、状態が悪化する前に対策を講じることができます。テレワークに潜むメンタルヘルス不調の原因を3つご紹介します。

1. 仕事とプライベートの切り替えが難しい

テレワークに伴い自宅で仕事をしていると、労働時間内に休憩を上手く取れない、時間外労働・休日労働をしてしまうなどの理由から仕事とプライベートの切り替えが難しくなります。仕事とプライベートが切り替えられず、長時間労働が続くと生活リズムが崩れメンタルヘルスの不調につながります。

出社していたときは、仕事をする空間である会社とプライベートの時間を過ごす自宅というように、簡単に仕事とプライベートの切り替えができました。しかし、テレワークではプライベートの時間を過ごすための自宅で、仕事もしなければならなくなり、オン・オフの切り替えが難しくなっています。中には、管理職の監視の目がないことから、勤怠の打刻後に深夜まで仕事をしたり、休日に自宅で仕事をしたりする従業員もいます。

時間外労働・休日労働による長時間労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因です。時間外労働・休日労働時間が月45時間より長くなればなるほど脳疾患や心臓疾患などの健康障害のリスクが高まります。

厚生労働省が示している「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では「テレワークにおける労働時間管理の考え方」としてテレワークで長時間労働や休日・深夜労働が横行しないよう、使用者が注意喚起をする仕組みの導入を推奨しています。

2. コミュニケーションが不足している

テレワークにより、従業員同士のちょっとした相談や雑談などのコミュニケーションが難しくなったことで、不安や孤独を感じメンタルヘルス不調が起こりやすくなっています。

従業員が不安や孤独を感じるケース、タイミングとして以下の例があります。

  • 指示をしたときに、その内容が的確に伝わっているか分からずに不安になる。
  • 相手の様子が分からないので、ちょっとした相談をするのに気が引ける。
  • 文字でのコミュニケーションに冷たさを感じる。

また企業側も、従業員とは管理職や人事担当者を介するため、直接のコミュニケーションが取れず従業員の変化に気が付きにくく、メンタルケアの対応も難しくなっています。オフィスにいれば、従業員の表情や服装の乱れ、生産性や思考力の低下などを見て体調を伺えますが、テレワークでの朝礼やミーティングなどではわずかな時間しか様子を見ることができず、メンタルヘルス不調の兆しを見逃してしまう傾向にあります。

コミュニケーションの時間と機会が減り従業員の変化に気付きにくくなったことで、休職や離職にいたるまで不調の悪化を放置してしまう、という事態もテレワーク環境下では発生しやすくなります。

3. 作業環境が整っていない

従業員の自宅での作業環境が整っていないことも、メンタルヘルス不調の原因となります。例えば、オフィスでデスクトップPCでの作業に慣れている従業員が、テレワークによってノートPCのみで作業する場合、画面の小ささや動作の違いから作業効率が落ちてストレスを感じやすくなります。自宅のWi-Fi環境が整っておらず、オフィスで仕事をしていた時よりも通信環境が悪くなり業務がスムーズに進まないというケースも多々あります。

また、家族と同居している場合は仕事だけに集中できない、自宅の机や椅子が合わず腰痛になるなどのストレスが重なり、メンタルヘルス不調を引き起こす場合もあります。

メンタルヘルス不調を防ぐ対処法

テレワークに潜むメンタルヘルス不調の各原因を理解したうえで、従業員のメンタルヘルス不調を防ぐために実施すべき対処法を解説します。

1. 従業員とコミュニケーションする場をつくる

定期的な面談やミーティングの実施など、上司と各従業員がコミュニケーションを取る機会を設けることで、従業員の細かな変化に気が付きやすくなります。例えば、部署やチーム内で時間を決めて、毎日ビデオ通話で相談や雑談をするというルールを設ければ、コミュニケーション不足の解消に役立つだけでなく、オンラインで相談や質問をする習慣を従業員に身に付けさせる効果も期待できます。

また、健康に関する相談窓口を設置すると、従業員がメンタルヘルス不調について相談しやすくなります。相談窓口を設置するときは、対面だけでなく、メールや電話など離れた場所からも相談できるような配慮が必要です。窓口に相談できる内容や相談への対応者、相談の申し込み方法などの情報をリーフレットや社内ポータルサイトで周知すると利用率向上が見込めます。また、従業員を間近で見ている家族にも相談窓口があると周知しておくと、従業員がメンタルヘルス不調になったときに窓口の利用を促してくれる可能性もあります。

2. 作業環境の改善を補助する

机や椅子の購入、インターネット環境の整備、光熱費・通信費の補助など、従業員の作業環境の改善を促すために、在宅勤務手当を支給する企業もあります。在宅での作業環境が整うことで、従業員のストレス軽減や業務効率の維持・向上が期待できます。

また、従業員が自宅で作業できる環境が整えば、将来的に従業員の価値観に合わせた多様な働き方にも対応可能です。出産や育児、介護などがあって休職や離職を余儀なくされていた人材が、テレワークを機にオフィスではなく自宅での仕事を選択できるようになれば、人材の流出の防止につながります。

3. 社内でセルフケアについて周知する

従業員個人でできるメンタルヘルス対策の方法を企業側が率先して共有、周知することも、従業員のメンタルヘルス不調の予防に効果的です。また、情報を共有することで従業員がセルフケアを自分で考えたり調べたりするきっかけにもなります。

周知する内容の例としては、生活リズムを崩さないための工夫として、食事の栄養バランスについての情報や睡眠前のスマホ利用についての注意点、運動不足解消のためのストレッチや体幹トレーニングの情報などが考えられます。社内メールやチャットなどで定期的にセルフケア情報の共有を行うと効果的です。

4. メンタルタフネス研修を実施する

メンタルタフネス研修を実施して、従業員のメンタルタフネスを高めると、従業員がストレスと上手く向き合えるようになります。メンタルタフネスとは、ストレス耐性や心の強さなどの意味で用いられる言葉です。研修によってストレスへの考え方や対処法を学ぶことでメンタルタフネスを高められます。メンタルタフネスを高めると、心身に負荷がかかりやすいテレワークでもストレスをため込まず緩和させながら業務の遂行できるようになります。

5. ストレスチェックを活用する

従業員が50人を超える企業で、最低年に1度の実施が義務付けられているストレスチェックはオンラインでも実施可能です。ストレスチェックは、従業員に自身のストレス状態を把握させる目的があります。従業員のストレスが高ければ医師の面接を受けて助言をもらったり、企業に就業場所の変更や労働時間の短縮などの就業上の措置を講じてもらったりして職場環境を改善できるため、メンタルヘルス不調の未然防止に効果を発揮します。

また、ストレスチェックの実施は企業の努力義務ではあるものの、ストレスチェックの結果を部署ごとに集計して集団分析をしたうえでストレス削減の施策を行えば、職場環境の改善が期待できます。集団分析では業務量の配分や人材配置など仕事のコントロールが上手くいっている部署がどこか、負担が大きい部署がどこかを客観的に把握でき、企業は高ストレス者が多い部署への対策を立てやすくなります。

6. 勤怠管理ツールを使用する

勤怠管理ツールの中には勤怠データから従業員の変化を読み取れるタイプがあります。例えば、これまで勤怠が良好だった従業員がテレワーク開始後は遅刻・早退・欠勤が明らかに増えている、残業時間が以前よりも増加傾向にあるなどの実態がデータから読み取れれば、特定の従業員がメンタルヘルス不調になりかけていると早期に気付くことができます。

また、PCのログイン・ログオフの時刻を記録できる機能をもった勤怠管理システムもあります。PCのログから退勤時間と実働時間の乖離があるかどうかも調べられるため、定時後のサービス残業や隠れ残業の防止も可能です。ある程度強制力を持って長時間労働を防止する仕組みを取り入れることで従業員の仕事とプライベート時間を区切り、業務時間内で仕事を終えられるよう業務効率の向上を促す効果が見込めます。

まとめ

2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにテレワークが急速に普及したものの、それに伴いメンタルヘルス不調を訴える従業員が現れています。テレワーク中の従業員がメンタルヘルス不調になる原因として、仕事とプライベートの切り替えができずに生活リズムが崩れる、コミュニケーション不足で孤独や不安を感じる、作業環境が整っておらず集中できないなどのストレス増加が挙げられます。

企業は従業員がメンタルヘルス不調になって業務に支障をきたしたり、体調悪化によって休職や離職に至るという事態を防ぐための対策を立てる必要があります。具体的にはPCのログイン・ログオフを記録できる勤怠管理ツールを導入して仕事とプライベートの切り替えをしやすくしたり、定期面談やミーティングなどコミュニケーションの機会を率先して作ったりといった対応が考えられます。

テレワーク環境下でも出退勤時間の記録やPCのログ管理が可能、残業時間超過のアラートをはじめ働きすぎによるメンタルヘルスを未然に防ぐ機能も備えています。

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