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管理職のマネジメントスキル向上には何が必要か? 4つの課題と管理職育成のポイント

公開日時:2021.09.15

企業や組織が持続的に発展していくためには「マネジメント」が欠かせません。特に部署やプロジェクトを統括する管理職においては、マネジメント力が不可欠な能力となりますが、十分な研修制度が整っておらず管理職の育成に悩む企業は少なくありません。

この記事では、管理職に求められる役割や必要なマネジメント能力、陥りやすいマネジメント課題に加え、企業が管理職育成のために実施すべきことについて解説します。

管理職の役割

管理職とは、設定された目標を達成するため、組織のメンバーを指揮・統制・管理する職位のことを指します。「どの職位が管理職に位置付けられるか」は会社によって様々ですが、課長以上を管理職とみなすのが一般的です。

一般従業員と管理職に期待される役割の違い

一般の従業員管理職
・個人の業務において成果を出す
・割り当てられた業務を行う
・プレイヤー視点
・メンバーの業務や組織全体において成果を出す
・部下の指揮やプロジェクト・組織の運営をはじめとする管理
・経営者視点

また、労働基準法上においては一般的に期待される管理職の役割の他に、「管理監督者」という役割が定義されています。管理職のすべてが該当するわけではなく、管理監督者に当たるかどうかは以下4つの観点から総合的に判断されます。

労働基準法上の「管理監督者」の定義

  • 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していること
  • 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な責任と権限を有していること
  • 現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものであること
  • 賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること

管理職に必要なマネジメント力とは

マネジメント(management)は直訳すると、「管理」「経営」などを意味し、企業の経営や組織管理に欠かせない能力です。組織において成果を上げるために必要なマネジメント能力について、管理職に求められる力を紹介します。

1.管理職にはどんな役割が求められるのか

管理職の役割として重要と思う割合
管理職の役割として重要と思う割合

引用:内閣官房内閣人事局|管理職のマネジメント能力に関するアンケート調査 結果概要(最終報告)

内閣府が2017年(平成29年)に官公庁向けに行った「管理職のマネジメント能力に関するアンケート調査では、「組織運営の方向性の提示」や「適切な業務分担など、チームワークの実現」が管理職の重要な役割として挙げられました。

管理職の役割として、管理職の回答では「新たな課題にチャ レンジする組織風土の形成」を、一般従業員では「ワークライフバランス、多様な人材の活用」を重視する傾向にあるのも特徴です。管理職側は「部下にチャレンジすること」を望み、一般従業員は「風通しのよい職場環境」を望んでいることがデータから分かります。

2.チーム、組織に対しての役割

管理職のマネジメント業務は多岐に渡ります。特にチームに対して重要な管理職の役割を確認しておきましょう。

チームに対して期待される管理職の役割

①目標設定・意思決定チームで達成すべき目標を従業員の業務データから設定し、チームの方針を決定する
②部下に対する適切なフィードバック、指導定期面談や個別面談を通じて業務のフィードバックを実施。業務遂行に必要なスキル取得、成長の手助けを行う
③スケジュール管理プロジェクトや日常業務がスムーズに進んでいるか、毎月の勤怠や年に数回あるストレスチェック、各種人事関連の手続きや提出物が出されているかなど、進捗確認をする
④部下の動機付け、人材育成 部下が自分の仕事の目的や意味を見出し、自律的に仕事の改善や進行ができるようにする。部下が成果を上げられるよう支援し、育成する

管理職はチームだけでなく、経営層により近い立場の役職として組織に対して果たす役割もあります。

組織に対して期待される役割

①組織運営 目標達成に必要な組織の要素を分析し、組織が機能するように提案や実行の中枢を担う
②組織全体の生産性向上  人やモノ、資産・情報がスムーズに動くよう調整し、全体的な業務効率化を促進する
③採用 自社の理念や目標に適した人材を理解し、人材採用を行う
④組織風土の形成 どのような行動が推奨されるのか、企業の理念を理解し、管理職自身が行動で示す。あるいは推奨される行動の例を提示する

管理職が陥りがちな4つのマネジメント課題

管理職としての資質を期待し登用したはずが、いざマネジメントを任せてみると、上手くいかないというケースも。もしかすると次に紹介するマネジメント課題に原因があるかもしれません。ここでは経験値の乏しい管理職が陥りがちなマネジメント課題を4つ解説します。

1.部下の育成がうまくいかない

管理職は部下やチームの活躍を通じて成果を出す必要があります。部下の「学びを支援する」「業務に対する姿勢を教える」など、目標達成や自己成長のためのサポートも管理職の主要な役割です。ただし、注力すべきポイントを間違えると「部下の育成」を十分に果たすことができなくなります。

また、管理職が労務管理や経営へのコミット、他部署との調整などで多忙になり、人材育成に注力できなくなると部下の育成や成長支援が不十分になります。その結果、部下をどのように育て上げていくのか、各人員にどのように仕事を割り振るのか、など明確な指針を示せなくなります。

この他にも、部下の成長支援ではなく「部下を思い通りに管理すること」を管理職の役割だと思い細かなマネジメントをしすぎると、結果として部下のモチベーションを低下させ、成長を阻害することにもなりかねません。

2.課題設定、課題解決が難しい

組織が目標を達成するうえでは、自社が抱える課題を把握し、課題に対して適切なアプローチを行い解決していく必要があります。管理職がチームとして組織に貢献するための課題設定を十分にできていない場合、期待された成果を出すことはできません。

また、どのような課題にどう取り組むべきかの課題設定を行うためには、部下や関係部署へのヒアリング、自チームの進捗把握、未達成の成果数値などの正確な情報収集が欠かせません。経験値が少なく、情報収集のための時間を割けないという場合、課題設定のための仮説を管理職が立てることができず、課題解決のための具体的な行動が難しくなります。

3.職場運営に不可欠な調整スキルが不十分

管理職は一般の従業員と違い、他部署や経営層との連携が不可欠です。この連携を円滑に行うためには、自分の部下やチームの現状や課題を説明する能力、解決策や提案を経営層に承認してもらうための交渉力、他部署との調整能力などの高いコミュニケーションスキルが求められます。

管理職になった段階でこの調整スキルが身に付けられていない、スキルを身に付けるための十分な支援や指導を管理職が受けられていない場合、周囲の協力を仰げず、部下、チームが目標に向かうための推進力が得られなくなってしまいます。

4.セルフマネジメントの不足

管理職にはメンバーの管理や指導する能力だけでなく、自身の目標達成、タスク管理、モチベーション維持など「セルフマネジメント能力」も求められます。一般の従業員と比べて管理職は職域が広いため、「やるべきこと」と「やらないこと」を取捨選択し、成果を上げるために必要な業務を自身で判断する必要があるためです。

また、管理職の場合、自分の部署やチームの成果を負う立場であることから、常にゴールから逆算してスケジュールを立てる必要があり、そのために柔軟な状況判断をする、やるべきミッションに集中する、などを自身で判断する力も不可欠です。

状況を見ながら、自身の業務をコントロールする能力を身に付けられないままでいると、オーバーワークになり目標の未達成や管理職自身の過重労働などの問題を招いてしまいます。

企業が管理職育成のためにすべきこと

管理職が機能不全に陥らないよう、企業はどのようなサポートすればいいのでしょうか。企業が管理職を育成するために実施すべき基本的な施策を紹介します。

1.管理職の職務、スキルの明確化

管理職育成において最初に確認しておくべきことは「自社において管理職として何をすべきか」「管理職としてどんなスキルが求められているのか」を明確にすることです。管理職と一口にいっても部署や職位によって期待される役割は違います。管理職が必要なスキルを定義し、どの方向へ進んでいけばいいのかを管理職に対して示す必要があります。また、管理職の役割を明文化することで、管理職研修を設計する際や、経営層や人事担当者が管理職のフォローをする際の指針にもなります。

2.社内外の管理職研修を活用する

管理職の役割、必要なスキルを明確にした後の次のステップとして、管理職研修の実施があります。自社で定義した管理職のスキルを強化し、求められる役割を管理職自身が自覚するための機会として管理職研修を活用するとよいでしょう。

管理職研修には様々な形態があり、座学の研修や管理職同士で課題や課題解決の案を出し合うワークショップ形式の研修もあります。受講者が新任の管理職なのか、ベテラン管理職なのかによっても実施すべき研究の内容は異なります。管理職に身に着けてほしいスキルや考え方に基づいて研修を組み立てるようにしましょう。自社で必要なスキルと役割、管理職の現状の経験値を伝え、研修を専門に実施している外部の企業に依頼する方法もあります。

3.昇格前にプレ・マネジメント経験を積ませる

未経験者をいきなり管理職に登用するのではなく、管理職候補者に前もってマネジメント経験を積ませるのも効果的な管理職育成の方法の1つです。例えば、課長や部門長に昇格する前に、チームリーダーや課長補佐などに指名し、進捗管理、人材育成、部下への指導など管理職が行う役割の一部を担当させる方法です。プレ・マネジメント経験を積ませることは、管理職候補者の成長につながるだけでなく、管理職の適正を見定める機会にもなります。

4.経験が浅い管理職へのフォロー

マネジメント経験が浅い管理職に対しては、人事や上級管理職がフォローできる体制を構築することも重要です。特に、ベテランメンバーを統率しなくてはならない若手管理職、業務量が多い部署を担当している管理職は会社側が積極的にサポートするようにしましょう。他の管理職との面談、人事との連携などを定期的に行い、管理職が一人で課題を抱え込んでしまわないような環境を整備することが大切です。

まとめ

現在、管理職の役割の多重化や、中堅社員の指導経験不足、雇用形態の多様化などから、管理職を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。管理職の育成のために具体的な策を講じなければ、管理職のオーバーワークや機能不全に陥りかねません。企業としては管理職の役割を明確にし、マネジメントに必要なスキル習得のサポートを行う必要があります

管理職をはじめとする自社の人材の適性を見極めるためにも、人事管理システムの整備が有効です。管理職になりうる人材を適切に把握し、特性を生かすことで、マネジメント力を発揮できるような環境を整えましょう。

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