スムーズなお仕事のために知っておきたい 人事・労務の注目用語

通勤手当 読み方:つうきんてあて

2021.05.27

通勤手当とは、運賃・時間・距離から考えて最も経済的で合理的である経路で通勤する時にかかる交通費として、従業員に支給する手当です。通勤手当の扱いは企業毎に対応が異なり、多くの企業では福利厚生の一環として支給しているか、通勤にかかった実費を後払いしています。ただし、企業によっては通勤手当を支給しない、あるいは一部しか支給していないケースもあります。通勤手当は一定の額を超えると給与として課税対象になり、非課税限度額は電車や車など通勤の手段によって異なります。

通勤手当に関する法律・ルール

企業が従業員に通勤手当を支給する場合、所得税や各種保険料の処理を正しく行わなければなりません。通勤手当に関する法律やルールを詳しく説明します。

1. 会社側に通勤手当を支払う義務はない

労働基準法などの労働法で通勤手当の支給は企業に義務付けられていません。

つまり、通勤手当は法的には支払う必要がないものなのです。ただし、就業規則や給与規定に「通勤手当を支払う」ことを明記している場合は支払い義務が発生します。

就業規則や給与規定で通勤手当について記載していない場合は、通勤にかかる費用は原則として従業員の自己負担となります。

2. 旅費交通費として勘定することが一般的

従業員に通勤手当を支給する場合、一般的に勘定科目は「旅費交通費」として処理します。給与に含めて支給すると、従業員の所得となるため課税所得が上がり、その結果、従業員側の所得税負担が増える可能性があります。

通勤手当を「旅費交通費」として処理することで、従業員への負担が少ない形で通勤手当を支給できます。

また、通常、企業が従業員に支払う住居手当や扶養手当、役職手当などの手当は所得に含まれ所得税の課税対象ですが、通勤手当は一定の限度額まで所得税の課税対象外となります。

通勤手当が一定の限度額まで非課税とされているのは、通勤手当は会社に出勤するための実費を補填するもので、「所得」という区分には該当しないとみなされているためです。

ただし、国税庁が定める通勤手当の限度額を超えた場合、超過分は「課税通勤手当」となり、課税所得に含まれます。この場合、年末調整で給与として計上します。

従業員が会社側に無断でマイカー通勤や自転車通勤をして手当を請求している場合や、自宅から会社までの最短距離ではない交通費を請求している場合は非課税の対象外とみなされるため、課税所得に含まなければなりません。

3. 労働保険・社会保険の料金計算については通勤手当の全額が対象

通勤手当が非課税とされるのは所得税のみで、労働保険・社会保険料の料金計算には含まれます。

社会保険料(健康保険・厚生年金保険)については、計算の基準となる標準報酬月額に通勤手当を含め保険料を算出します。労働保険(雇用保険・労災保険)では、基本給に通勤手当を含む各種手当を加算し、総支給額を賃金として保険料を算出します。

通勤手当の非課税限度額

通勤手当の非課税限度額は明確に定められています。1か月当たりの非課税限度額の詳細について説明します。

1. 車・自転車などの交通用具で通勤している従業員

通勤手当の非課税限度額は一律ではなく、通勤距離によって定められています。通勤距離に対する通勤手当の詳細は次の表の通りです。

片道の通勤距離1か月当たりの限度額
2キロメートル未満全額非課税
2キロメートル以上10キロメートル未満4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満28,000円
55キロメートル以上31,600円

この非課税限度額が適用されるのは、マイカーまたは社用車、自転車で通勤している従業員です。ただし、自転車の月極駐車場の利用料金を通勤手当として支給した場合、駐車場料金分は課税所得として計上します。

2. 交通機関・有料道路を使用して通勤している従業員

電車やバス等の交通機関、または有料道路を使用する従業員の非課税限度額は15万円です。通勤用の定期乗車券を利用している場合も、同じく15万円が非課税限度額です。

電車やバスのほかに、マイカーや自転車も使い通勤している場合も、15万円を非課税限度額としています。

まとめ

通勤手当の支給は法律で義務付けられているものではないため、就業規則・給与規定で明記しない限り支給する必要はありませんが、通勤手当は従業員の福利厚生として支給するのが一般的です。

通勤手当を支給する場合は、税や各種保険についてよく理解する必要があります。通勤手当はその他の手当と違い、一定限度額まで所得税は非課税です。ただし、労働保険や社会保険の保険料を計算する際には、通勤手当の全額が給与とみなされます。

また、通勤手当の非課税限度額は従業員が選択する通勤手段によって変わるため、各授業員の通勤手段を正確に把握する必要があります。

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