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日雇い派遣 読み方:ひやといはけん

2021.05.27

日雇い派遣とは、登録型派遣の一種で「労働契約の期間が30日以内」もしくは「1週間に20時間未満の労働」のどちらかに当てはまる場合の派遣労働のことです。「派遣切り」に代表される日雇い派遣の雇用の不安定さや、日雇い派遣会社の相次ぐ不法行為の発覚などを背景に2012年10月に労働者派遣法が改正され、日雇い派遣は原則として禁止されました。しかし、例外としてソフトウェア開発やデモンストレーションなど「日雇い派遣労働者の適正な雇用管理に支障をおよぼす可能性がないと認められる業務」に派遣する場合、60歳以上の労働者や学生など「雇用機会の確保が特に困難な労働者等」を派遣する場合に限り日雇い派遣を行うことが認められています。

日雇い派遣の原則禁止の例外

「日雇い派遣」とは「労働契約の期間が30日以内」もしくは「1週間に20時間未満の労働」のどちらかに当てはまる派遣労働のことです。原則、日雇いでの労働者派遣は禁止されていますが、例外的に認められているケースも存在します。以下で具体的な例を解説します。

1. 雇用管理に支障をおよぼす可能性がない業務

雇用管理に支障を及ぼす恐れがないとされる業務については日雇い派遣が認められています。以下の18種類の業務です。

・ソフトウェア開発
・ファイリング
・添乗
・書籍等の制作・編集
・機械設計
・調査
・案内・受付
・広告デザイン
・事務用機械操作
・財務処理
・研究開発
・OAインストラクション
・通訳・翻訳・速記
・取引文書作成
・事業の実施体制の企画・立案
・セールスエンジニアの営業・金融商品の営業
・秘書
・デモンストレーション

2. 雇用機会の確保が特に困難とされる労働者

一般的に雇用機会に恵まれないと考えられる労働者も、日雇い派遣で働くことが認められています。具体的には以下のいずれかの条件に該当する人です。

該当する人注意点
満60歳の人過去に60歳以上であることを確認している場合、日雇い派遣禁止例外対象者かの確認は必ずしも必要ではない
雇用保険の適用を受けない学生 (いわゆる昼間学生)・通信制大学や夜間学部の人は対象外
・退学等で要件を満たさなくなったことが明らかである場合を除き、年度替わりの時期に日雇い派遣禁止例外対象者なのか確認が必要
副業として従事する人生業収入が500万円以上の人に限る
※収入は税金・社会保険料控除前の金額
主たる生計者以外の人世帯収入が500万円以上の人に限る
※収入は税金・社会保険料控除前の金額

出典:厚生労働省|日雇派遣の原則禁止について

なお、改正労働者派遣法で原則禁止となっているのは、日雇い派遣のみです。直接雇用での日雇い就労は禁止されていません。

日雇い派遣労働者の雇用安定のための措置

2012年の労働者派遣法改正に伴い、派遣先企業および派遣会社に課せられる指針が示されています。

1. 派遣先企業と派遣会社が守る必要がある指針

派遣先企業と派遣会社は日雇い派遣労働者の雇用安定に努めるため、以下の事項を守る必要があります。

目的派遣先企業が行う措置派遣会社が行う措置
雇用の安定・就業条件の確認
・可能な限り雇用期間を長く設定
・派遣先都合で契約満了前に派遣契約を解除する場合は新たな就業先の確保に努める
・就業条件の確認
・可能な限り雇用期間を長く設定
・業務が日雇い派遣対象かどうかを確認
就業条件の確保・派遣労働者の就業条件を社内で周知する・派遣先企業を巡回し、就業条件が守られているか確認する
労働・社会保険の適用促進・労働・社会保険未加入の理由が不適切だと判断した場合、手続きを行うよう求める・労働・社会保険(日雇いに関する保険含む)の適切な手続きを行う
・派遣先企業に労働・社会保険、日雇いに関する保険適用状況を通知する
就業条件の明示・労働基準法で定められている労働条件を提示
教育訓練機会の確保・派遣会社が行う教育訓練などに可能な限り協力する・派遣就業前に教育訓練を行い、必要スキルを身に付けさせる
関係法令の周知・書面で社内関係者に周知・ホームページ、説明会等で関係法令を周知 ・書面で派遣先企業に周知
安全衛生・日雇い派遣労働者の業務内容を提供、安全衛生教育が行われているかを確認・派遣先に業務内容を確認し、業務に即した安全衛生教育を行う
労働条件確保・労働基準法や関係法令を遵守し、賃金の一部控除を行う
情報提供・労働者派遣実績、マージン率等をホームページ等で提供
派遣会社責任者と派遣先企業責任者の連絡調整・日雇い派遣労働者に対する助言、苦情処理や安全に関する連絡を行う・日雇い派遣労働者に助言、苦情処理や安全に関する連絡を行う

2. 2021年1月施行の法改正による影響

2021年1月と4月に改正労働者派遣法が施行され、日雇い派遣に関する制度にも一部変更がありました。今後も日雇い派遣に関して雇用の安定を目的とした制度改正が行われると考えられます。

日雇い派遣に関する労働者派遣法の改正ポイント(2021年1月施行)

派遣労働者に責任がなく契約途中で契約解除となった場合、休業による雇用の維持を図る、もしくは雇用機会確保のための休業手当を支払う。

まとめ

「労働契約の期間が30日以内」または「1週間に20時間未満の労働」に当てはまる場合、「日雇い派遣」に該当します。雇用の安定を図る目的から2012年の法改正以降、日雇い派遣は原則として禁止されました。ただし、専門性が高い業務や日雇い派遣の需要が高い業務、そして雇用機会の確保が特に困難とされる労働者については例外的に日雇い派遣で働くことが認められています。

2012年の法改正では、派遣会社、派遣先企業に対し日雇い派遣労働者の雇用安定措置を行うよう指針が示されました。今後も日雇い派遣労働者の不安定雇用の解消に向けた法改正が行われることが予想されるため、日雇い派遣の労働者を雇用する企業は派遣労働をめぐる法改正の動向をチェックする必要があります。

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