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公共調達の加点評価対象に! 「くるみん」「プラチナくるみん」認定企業になるための手順や注意点を解説

公開日時:2022.03.25

従業員が子育てと仕事を両立しやすい「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度が「くるみん」です。この認定は、公共調達の加点評価対象になるというメリットがあります。そして「プラチナくるみん」は、「くるみん」より高い水準の取り組みを実施している企業が認定を受けることができます。ここでは「くるみん」「プラチナくるみん」が公共調達の加点評価対象になった背景、そして認定を受けるまでのステップについて解説します。

「くるみん認定企業」「プラチナくるみん認定企業」が公共調達の加点評価対象に

少子化が進む現代において、次の社会を担う子どもたちの健全な育成を支援することを目的として制定された「次世代育成支援対策推進法(次世代法」)に基づき、2016年から厚生労働省から「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けた企業を、公共調達の加点評価対象とすることが、国の指針において定められました。

各府省のほか、地方公共団体もこの指針に準じた取り組みを実施するよう推奨されています。

「くるみん認定企業」「プラチナくるみん認定企業」が加点評価になった背景

「くるみん認定企業」や「プラチナくるみん認定企業」が加点評価になった背景として、各府省等が公共調達においてワーク・ライフ・バランス等を推進する企業を積極的に評価するようになったことが挙げられます。

また、2016年には「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」が決定されたことも加点評価の対象になった理由の1つです。ワーク・ライフ・バランスはもちろん、以下の点を重点的に見直し、労働生産性の向上を国全体で目指しています。

1.基本的な考え方
→ワーク・ライフ・バランスの実現等に向けて、公共調達及び補助金の分野において、企業のポジティブ・アクション等を推進

2.調達時におけるワーク・ライフ・バランスを評価する取組内容
→不正な手段を使った企業が採用されることのないよう、適切な基準を設定

内閣府が示している「くるみん認定企業」「プラチナくるみん認定企業」参考配点例

内閣府が示している「くるみん認定企業」「プラチナくるみん認定企業」の参考配点例は以下の通りです。

「女性活躍推進法」や「若者雇用促進法」に基づく認定など、複数の認定等に該当する場合は、最も配点が高いものにより加算されます。

認定企業になるための条件

企業が「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けるには、従業員の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」の作成に加えて、行動計画に定めた目的を達成する必要があります。そして一定の要件を満たしたうえで都道府県労働局への申請の後、厚生労働大臣の認定である「くるみん認定」を受けることができます。

さらに、「くるみん認定」を受けた企業がより高い水準の取り組みを行い一定の基準を満たすことで、特例認定である「プラチナくるみん認定」を受けることができます。

「くるみん」の認定条件【2022年4月改正版】

2022年4月から「くるみん」「プラチナくるみん」の認定基準が改正され、さらに新しい認定制度「トライくるみん」が創設されます。「トライくるみん」はくるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準の引き上げに伴って作られた制度で、改正前の「くるみん」制度の認定基準とほぼ同じ内容となっています。なお、トライくるみん認定を受けていれば、くるみん認定を受けていなくてもプラチナくるみん認定に申請することができます。

参考:用語集「くるみん」

ここでは、2022年4月以降の「くるみん認定」の基準について解説します。

企業が「くるみん認定」を受けるには、10の認定基準を満たすことが必須条件です。また、認定を希望する場合は、行動計画を策定する際に計画の内容が認定基準に合致しているかどうかを、都道府県労働局雇用均等室へ相談する必要があります。

認定基準

(1)雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。
(2)行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。
(3)策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。

「くるみん認定」の申請の際は、計画に定めた目標を達成したことを証明する資料を添付しなければなりません。具体的な証明書類例は以下があります。

<証明書類例>

【1】制度導入を目標としている場合

育児休業期間の延長⇒制度導入後の就業規則などの写し
ノー残業デーの導入⇒制度導入を社内に通知した文書の写し、啓発資料など (制度導入年月日の分かるもの)

【2】数値目標を設定している場合

女性従業員の育児休業取得率を80%以上にする⇒育児休業をした女性従業員の氏名および育児休業をした期間が記載されている書類
男性の育児休業取得者が1名以上⇒育児休業をした男性従業員の氏名および育児休業をした期間が記載されている書類
行動計画期間中に所定外労働時間を○%削減する⇒行動計画実施前後の従業員1人当たりの所定外労働時間数(企業の自己申告)

【3】制度の周知や情報提供を目標としている場合

両立支援制度について社内に周知を図る ⇒周知のための措置を実施した年月日の分かる資料の写し

【4】意識啓発を目標としている場合

各種研修の実施⇒実施年月日の分かる研修開催通知、研修の実施結果の写し
添付された書類により目標が達成されたことが確認できない場合は、さらに追加で書類の提出が必要になることがあります。

(4)策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること。

(5)次の①または②のいずれかを満たしていること。

 ①計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が10%以上であり、
 当該割合を厚生労働省 のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

 ②計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児を
 目的とした休暇制度を利用した者の割合が、合わせて20%以上であり、当該割合を厚生労働
 省のウェブサイト「両立支援のひろば」で 公表していること、かつ、育児休業等を取得し
 た者が1人以上いること。

労働者数が300人以下の一般事業主の特例

計画期間内に男性の育児休業等取得者または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者がいない場合で も、①~④のいずれかに該当すれば基準を満たす。

 

① 計画期間内に、子の看護休暇を取得した男性労働者がいること(1歳に満たない子のために利用した場合を除く)、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

② 計画期間内に、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子を育てる労働者に対する所定労働時間の短縮措置を利用した男性労働者がいること、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

③ 計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、男性の育児休業等取得率が10%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

④計画期間において、小学校就学前の子を養育する男性労働者がいない場合、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子または小学校就学前の孫について、企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者がいること、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

(6)計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。

労働者数が300人以下の一般事業主の特例

計画期間内の女性の育児休業等取得率が75%未満だった場合でも、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、女性の育児休業等取得率が75%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していれば基準を満たす。

(7)3歳から小学校就学前の子どもを育てる従業員について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関   する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること。

(8)計画期間の終了日の属する事業年度において次の①と②のいずれも満たしていること。
 ①フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること。

 ②月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。

(9)次の①~③のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること。

①所定外労働の削減のための措置

例 (ⅰ)労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話し合いの機会の整備
 (ⅱ)「ノー残業デー」や「ノー残業ウィーク」の導入・拡充
 (ⅲ)フレックスタイム制や変形労働時間制の活用
 (ⅳ)時間外労働協定における延長時間の短縮
 (ⅴ)その他これらに準ずる措置

②年次有給休暇の取得の促進のための措置

例 (ⅰ)年次有給休暇の計画的付与制度の導入
 (ⅱ)年間の年次有給休暇取得計画の策定
 (ⅲ)年次有給休暇の取得率の目標設定およびその取得状況を労使間の話し合いの機会において確認する
 制度の導入
 (ⅳ)その他これらに準ずる措置

③短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

 (ⅰ)職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識などの是正のための取組
 (ⅱ)子どもの学校行事への参加のための休暇制度の導入
 (ⅲ)その他これらに準ずる措置

(10)法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。 

「プラチナくるみん」の認定条件 【2022年4月改正版】

ダイバーシティに取り組んでいる企業は多くあります。ここでは、女性・障がい者・外国人・LGBTの雇用促進や定着率向上のために取り組んでいる企業の事例を紹介します。

「プラチナくるみん」の認定を受けるには、まず、「くるみん」認定を受けている必要があります。「プラチナくるみん」認定を受けるためには「特例認定」を受ける必要があり、特例認定の基準は前述の「くるみん認定」基準の(1)~(4)、(6)~(8)と同様です。

認定基準

(1)~(4)「くるみん」認定基準と同じ

(5)次の①または②のいずれかを満たすことが必要になります。

 ①計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が30%以上であること。
 ②計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児を目的とした
 休暇制度を利用した者の割合が、合わせて50%以上であり、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること

労働者数が300人以下の一般事業主の特例

計画期間内に男性の育児休業等取得者または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者がいない場合でも、①~④のいずれかに該当すれば基準を満たす。

① 計画期間内に、子の看護休暇を取得した男性労働者がいること。(1歳に満たない子のために利用した場合を除く)

② 計画期間内に、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子を育てる労働者に対する所定労働時間の短縮措置を利用した男性労働者がいること。

③ 計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、男性の育児休業等取得率が30%以上であること。

④ 計画期間において、小学校就学前の子を養育する男性労働者がいない場合、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子または小学校就学前の孫について、企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者がいること。

(6)~(8)「くるみん」認定基準と同じ

(9)次の①~③のすべてに取り組み、①または②について数値目標を定め、実施し達成していること。

 

①所定外労働の削減のための措置
例)
・年平均所定外労働時間を○%削減する

②年次有給休暇の取得の促進のための措置
例)
・年次有給休暇取得率を〇%以上とする

③短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

(10)次の①または②のいずれかを満たしていること

 ①子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が90%以上であること。

 ②子を出産した女性労働者および子を出産する予定であったが退職した女性労働者の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者(子の1歳誕生日に育児休業等を利用している者を含む)の割合が70%以上であること。

労働者数が300人以下の一般事業主の特例

計画期間中に①が90%未満でかつ②が70%未満だった場合でも、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、上記の①が90%以上または②が70%以上であれば、基準を満たす。

(11)育児休業等をし、または育児を行う女性労働者が就業を継続し、活躍できるような能力の向上またはキャリア形成の支援のための取組にかかる計画を策定し、実施していること。

(12)「くるみん」認定基準(10)と同じ

認定されるまでのステップ

本項では、「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」を受けるまでの流れをご紹介します。

マーク取得までの流れ

「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」取得までのステップは以下の図の通りです。

行動計画の策定から実施、くるみん認定、プラチナくるみん認定の流れは、以下の①~⑩の通りです。
行動計画の策定から実施、くるみん認定、プラチナくるみん認定の流れは、以下の①~⑩の通りです。

各種認定の取り消しについて

「くるみん認定」や「プラチナくるみん認定」を無事取得できたとしても、取り組みが基準に満たないと判断された場合には、認定を取り消されることもあります。

「くるみん認定」の取り消し

「くるみん認定」が取り消されるのは以下の場合です。

(1)次世代育成支援対策推進法(以下、法)第13条に規定する基準に適合しなくなったと認められたとき。

例)
・常時雇用する労働者が101人以上の企業であって、都道府県労働局が提出を指導したにもかかわらず、行動計画を策定した旨を届け出ない場合
・常時雇用する労働者が101人以上の企業であって、都道府県労働局が行動計画の公表および労働者への周知を適切に行うよう指導したにもかかわらず、公表および労働者への周知を適切に行わない場合
・くるみんマークの表示と紛らわしい表示をした場合
など

(2)法または法に基づく命令に違反したとき

例)
・常時雇用する労働者が101人以上の企業であって、都道府県労働局が提出を指導したにもかかわらず、行動計画を策定した旨を届け出ない場合
・常時雇用する労働者が101人以上の企業であって、都道府県労働局が行動計画の公表および労働者への周知を適切に行うよう指導したにもかかわらず、公表および労働者への周知を適切に行わない場合
・くるみんマークの表示と紛らわしい表示をした場合
など

(3)(2)のほか、認定一般事業主として適当でなくなったと認めるとき

例)
・不正の手段により認定を受けていた場合
・認定一般事業主が社会問題となるような事件を起こした場合
など

「プラチナくるみん認定」の取り消し

「プラチナくるみん認定」が取り消しになる場合について解説します。

(1)くるみん認定が取り消された場合

(2)法第15条の2に規定する基準に適合しなくなったと認められたとき

プラチナくるみん認定の取得後、「両立支援のひろば」にて公表した「次世代育成支援対策の実施状況」が特例認定基準(5)(8)を満たしておらず、その公表の翌事業年度の公表においても下記の基準を満たさない場合 など

まとめ

「くるみん認定」や「プラチナくるみん認定」は子育てサポートに積極的な企業に対し、厚生労働大臣が与える認定です。「くるみん認定企業」「プラチナくるみん認定企業」は、公共調達の際の加点評価だけでなく社会的なイメージアップや優秀な女性従業員の獲得にも期待できるというメリットがあります。

ただし、「くるみん認定」や「プラチナくるみん認定」は、労働基準法違反などが認められた場合は認定取り消しになるケースもあるため、認定後も適切に労務管理を行うことが求められます。「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を目指す企業は認定条件や申し込みのフローを確認したうえで、子育て支援制度の整備を進めましょう。

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