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えるぼし 読み方:えるぼし

2021.04.28

えるぼし認定とは、女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)に基づき、行動計画を策定し届出を行った企業のうち、厚生労働省が定めた一定の基準を満たした優良企業を認定する制度です。この制度は2016年に開始されました。「えるぼし」は、この認定制度またはその認定マークの愛称で、「える(L)」の文字にはLady(女性)、Labour(働く)、Lead(手本)など複数の意味が込められています。えるぼし認定には3つの段階が設けられており、基準を満たす項目数によって段階が定められています。さらに高水準な取り組みを実施している企業の認定制度として「プラチナえるぼし認定」が設けられています。

えるぼし認定の全体像

女性の活躍を推進するために設けられた「えるぼし認定」の詳しい内容や認定の基準について分かりやすく説明します。

認定基準の項目

えるぼし認定には、厚生労働省によって次の5つの基準項目が定められています。認定基準を最低でも1つ以上満たしており、かつ実績を厚生労働省のウェブサイトに毎年公表している企業がえるぼし認定の対象となります。

1.採用
採用において、男女の採用における競争倍率(応募者数/採用者数)が同程度であること

2.継続就業
次のいずれかの条件を満たすこと

  • 「女性労働者の平均継続勤務年数÷男性労働者の平均継続勤務年数」が管理区分ごとに7割以上であること
  • 「10事業年度およびその前後の事業年度に採用された女性労働者のうち継続して雇用されている者の割合」÷「10事業年度前およびその前後に採用された男性労働者のうち継続して雇用されている者の割合」が雇用管理区分ごとに8割以上であること

3.労働時間などの働き方
雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働および法定休日労働時間の合計時間数の平均が、直近の事業年度の各月ごとにすべて45時間未満であること

4.女性の管理職比率
次のいずれかの条件を満たすこと

  • 管理職に占める女性労働者の割合が、別に定める産業ごとの平均値以上であること
    (※産業大分類を基本に、過去3年間の平均値を毎年改定)
  • 直近3事業年の平均した「課長級より1つ下位の職階にある女性労働者のうち課長級に昇進した女性労働者の割合」÷直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある男性労働者のうち課長級に昇進した男性労働者の割合」が8割以上であること

5.多様なキャリアコース
直近の3事業年度に、次のA~Dの4つの項目について、大企業は2項目以上(非正社員がいる場合は必ずAを含む)、中小企業については1項目以上の実績を有すること

  • A:女性の非正社員から正社員への転換
  • B:女性労働者のキャリアアップに資する運用管理区分間の転換
  • C:過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
  • D:おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

5つの基準をすべて満たしていない認定企業については、基準を満たさない項目についても取り組みを実施し、実施状況や改善状況を厚生労働省のウェブサイトにて公表する必要があります。

「えるぼし認定」には3段階ある

えるぼし認定には「一つ星」から「三つ星」までの3つの段階が設けられています。女性の活躍にどのくらい注力しているのかを星の数から読み取れ、認定企業は女性活躍への取り組みの度合いを星の数によって対外的に示すことができます。

一つ星の基準
えるぼし認定の5つの基準のうち、1~2つの基準を満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイトにある「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していること。満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた当該基準に関連する取り組みを実施し、その取り組みの実施状況について厚生労働省のウェブサイトに公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していること

二つ星の基準
5つの基準のうち3~4つの基準を満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイト「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していること。満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた当該基準に関連する取り組みを実施し、その取り組みの実施状況について厚生労働省のウェブサイトに公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していること

三つ星の基準
5つの基準すべてを満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイト「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していること

上記の基準と合わせて、3つの段階のいずれにおいても次の基準を満たしている必要があります。

  • 事業主行動計画策定指針に照らして適切な一般事業主行動計画を定めたこと
  • 定めた一般事業主行動計画について、適切に公表および労働者への周知をしたこと
  • 法および法に基づく命令、その他関係法令に違反する重大な事実がないこと

「プラチナえるぼし」とは

3つの段階があるえるぼし認定の上位認定として、2020年6月に創設されたのが「プラチナえるぼし」です。えるぼし認定を受けた企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性活躍の推進に関する取り組みの実施状況が「特に優良」と認められる企業や、より高度な認定要件を満たす企業がプラチナえるぼし認定を受けられます。

プラチナえるぼしの基準

  • 策定した一般事業主行動計画に基づく取り組みを実施し、当該行動計画に定めた目標を達成したこと
  • 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること(※)
  • プラチナえるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準すべてを満たしていること(※)
  • 社内制度の概要を除いた、女性活躍推進法に基づく情報公表項目のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企業データベース」で公表していること(※)

※実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必須

「えるぼし」と「くるみん」の違い

厚生労働省の認定として、えるぼしと似たものに「くるみん」があります。2つの認定マークは、どちらも厚生労働大臣が「女性の労働環境に関して企業を認定する」という点で共通していますが、制度の根拠となる法律が異なります。

えるぼしが女性活躍推進法に基づくのに対し、くるみんでは次世代育成支援対策推進法に基づき認定が行われています。えるぼしとくるみんの違いについて詳しく説明します。

えるぼし認定とくるみん認定の違い

えるぼし くるみん
根拠となる法律 ・2016年に施行され、2019年5月に改正された女性活躍推進法 ・2005年施行の次世代育成支援対策推進法(次世代法)
何を認定するのか ・女性活躍を積極的に推進している企業の証となる認定 ・子育て支援をしている企業(子育てサポート企業)の証となる認定
取得メリット ・女性活躍が進んでいる企業であるとアピールでき、女性の採用や人材確保が進む
・認定マークを商品やホームページに掲載できる
・公共調達における加点評価
・日本政策金融公庫による低利融資の優遇措置
・子育て支援を行っている企業とアピールでき、女性や子育て世代の採用、人材確保が進む
・認定マークを商品やホームページに掲載できる
・公共調達における加点評価

えるぼしとくるみんはそれぞれの認定制度の根拠となる法律が異なり、認定する内容や認定の取得によって得られるメリットにも違いがあることが分かります。

まとめ

女性の活躍の場が求められている今、優秀な人材獲得のためにも企業にとって女性が働きやすい環境の構築が急務となっています。えるぼし認定を受けることで、企業は女性従業員の労働環境の改善に積極的に取り組めるようになるだけでなく、公共調達の際に加点評価の対象となる、日本政策金融公庫による低利融資の優遇措置を受けられるなど経営上のメリットが得られます。その他にも、企業イメージや認知度の向上、優秀な人材の確保がしやすくなるといった効果が期待できます。

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