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コロナ禍で導入したテレワークで、残業を禁止しています。固定残業代は削減可能でしょうか?

労働組合や従業員代表との協議・説明を十分に行い、慎重に実行するべきです。

2021.04.23

詳しく解説

Q.コロナ禍で導入したテレワークで、残業を禁止しています。固定残業代は削減可能でしょうか?

当社では従業員に固定残業代を支給しています。ただし、テレワークの際は原則時間外労働を認めないルールにしたので、テレワーク期間中は固定残業代は支払わないつもりです。この場合、法的に問題はあるでしょうか?

A.労働組合や従業員代表との協議・説明を十分に行い、慎重に実行するべきです。

固定残業手当は、通常、当該金額に相当する時間外労働・休日労働がなされない場合でも支払われる賃金としての性質を有しているため、テレワークに伴って時間外労働がなされなくなった場合、固定残業代相当額について実質的には賃金減額となり、労働条件の不利益変更となります。そのため、固定残業代を不支給とするためには、労働協約、就業規則変更、個別同意のいずれか必要となり、テレワークになるからといって当然に不支給として良いということにはなりません。

そして、多くの場合に行われるであろう就業規則の変更ですが、判例は賃金についての不利益変更には合理性(労働契約法10条)を厳格に要求する傾向にあるため、慎重に手続を進める必要があります。

この点、想定された時間数に達しなかった場合にも固定残業代が支払われるのは、賃金の支払事務を簡易にするという目的に基づくものであって、実労働時間との差額が支払われるのは当該目的の反射的利益に過ぎないともいえます。 また、通勤をしていた頃は固定残業代に近い残業があったために差額支払いもそれほど過重ではなかったものが、原則残業が禁止されたことで固定残業代相当額全額が当然に支払われるとすれば、企業からすれば不足額相当について賃上げをしたに等しく、不利益変更の必要性は高いといえます。

もっとも、固定残業代の額が高額でその削減が従業員の生活に与える影響が甚大である場合、殊に実質的には基本給の一部を固定残業代として支給していたような場合には、従業員が被る不利益も看過できません。

そのため、テレワークに伴って固定残業代制度の廃止をする場合には、労働組合や従業員代表との協議・説明を十分に行ったうえ、慎重に実行するべきといえます。

まとめ

固定残業代制度の廃止は労働条件の不利益変更として当然にはなしえず、むしろ賃金減額として慎重に手続を進めるべきです。

2021年1月25日時点の情報に基づき作成しております。

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