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勤怠管理システム 選び方の基本

2021.08.20

数ある勤怠管理システムから自社に合った製品を見つけるには、いくつかの手順が必要です。多くの選択肢の中から候補を絞り込むために確認すべきポイントと、勤怠管理システムの基本的な機能について解説していきます。

1. 自社の課題を洗い出す

まずは勤怠管理に関する自社の課題を洗い出します。

課題例

・勤怠データの集計に時間がかかり、ミスも起こりやすいのでアナログ管理をやめたい
・過重労働が常態化しており、法律違反のリスクが高い
・従業員の打刻漏れが多く、いちいち指摘するのが手間 など・・・

2. 課題を改善できる機能を備えているかを確認する

課題を洗い出した上で、それを改善するための機能が備わっている勤怠管理システムを候補に、選択肢を絞ります。同じ機能を謳っていても、製品・サービスごとに対応可能な範囲は異なります。機能を多く搭載していても実際に利用しない機能ばかりでは、期待した通りの使い方ができない場合があります。自社の要望に合った動作(アウトプット)が可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

また、自社で使用している既存の業務システムと連携させたい場合には、連携可能な勤怠管理システムを前提として候補を絞り込むという方法もあります。

勤怠管理システムの主な機能

勤怠管理システムに備わっている主な機能と各機能のポイントは以下の通りです。

・打刻方法…打刻にはPC画面上で打刻をするものから、スマートフォンやタブレット端末、ICカード、顔や指紋などの生体認証で打刻が可能なものまで様々なタイプがあります。打刻方法は店舗やオフィス、工場、外回りが多い営業職や在宅勤務など、従業員の働き方に合わせた選択が可能です。自社のワークフローに当てはめた際に無理が生じないよう、システムが希望している打刻方法に対応しているかを確認します。

・勤怠集計…出勤日数、勤務時間、残業時間、深夜残業時間など、勤怠管理システムで自動集計したい項目が網羅されているかを確認します。

・休暇管理…自社で設けている休暇制度が就業規則通りに登録できるかを確認しましょう。また休暇として登録できる時間の単位(1日、半日、1時間など)も、規則通りに設定できるかもチェックしておくと良いです。

・申請・承認フロー…残業・休日出勤・有給休暇などについて、自社の規則に合った承認フローが構築できるか確認します。企業がいくつかの組織や事業所に分かれている場合、組織・事業所ごとに異なる管理者を設定する必要があります。また、組織が課や部署などいくつかの階層に分かれている場合、階層に沿った承認フローの構築が不可欠です。階層に合わせた設定が柔軟にできるシステムかどうかも導入前の段階で押さえておきましょう。

・シフト作成・管理…業種によっては、複数のシフト作成が必要です。週ごとにシフトが固定されている、早番と遅番だけ分かれている、または定形パターンがない、フレックスや変形労働時間制に対応する必要があるなど、自社のルールや制度に合ったシフトを作成できるか確認しておきましょう。

・データ出力…勤怠情報をデータ出力する機能を使用する場合、ダウンロードする目的に合わせ、必要なファイル形式(PDF、Excel、CSVなど)が利用できるかを確認しましょう。データに手を加えず資料化するときはPDFが便利ですが、データの比較や分析にはExcelが適しています。CSV形式の出力は外部システムとの連携に必要です。

・給与計算ソフトなど外部システムとの連携…外部システムとの併用を想定しているのであれば、データ連携方法も事前に確認しておく必要があります。バックオフィス業務の効率化の面から連携を検討する場合は、給与計算ソフトとの連携を最優先で進めます。給与計算ソフトとの連携では、従業員の勤怠情報をCSVファイルでダウンロードして 給与計算ソフトに取り込む方法と、API連携によりデータを給与計算ソフトに直接取り込む方法があります。

 導入検討時には「連携が簡単にできる」と説明を受けても、実際に運用するとひと手間かかる場合も少なくありません。デモやトライアル期間を利用し、担当者立ち合いの上でシミュレーションしておくと失敗がありません。

・アラート…従業員本人や管理者に注意喚起を促すアラート機能がどの範囲まで対応可能かを確認します。刻忘れを従業員へ知らせるのはもちろん、労働時間の上限超過や年次有給休暇の未取得者に対する警告など、法令遵守のために必要なアラート通知にも対応している製品もあります。

 アラートの精度についてもサービスによりばらつきがあるので、どういった文面のアラートがどのタイミングで発せられるのかも重要なポイントです。

 例えば時間外労働の上限規制を守るためには、従業員の残業時間を把握しなければなりません。残業時間が月の上限に達しそうな従業員がいた場合、ただ累計労働時間を知らせるだけのアラートでは、労働時間の上限規制まであとどれくらいの猶予があるのかすぐに判断することができません。就業規則を知らなくても、表示されているメッセージをすべてこなせば法令遵守や締め処理ができる機能が搭載されているシステムを選びましょう。

■アラートのテキスト例

 


残業が35時間超えている人が5人います。
【対象者】
・Aさん
・Bさん
・Cさん
・Dさん
・Eさん
→労働時間の上限規制まであと何時間なのか分からない。

特別条項適用まであと10時間の人が5人います。
【対象者】
・Aさん
・Bさん
・Cさん
・Dさん
・Eさん
→時間外労働の上限規制まで“あと何時間なのか“が分かり、具体的な対策が取りやすい。

・法改正への対応…労働関連法令が改正されると、勤怠管理システムのアップデートが必要になる場合があります。特に、労働時間管理に関する法改正ではミスのない厳密な対応が企業に求められるため、法令違反リスクに備え、法改正に合わせたシステムのアップデートが無料で行われるのかどうか、またはカスタマイズを想定したつくりになっているかなど、事前に確認しておきましょう。

・36協定への対応…各企業で定めた36協定の内容を設定した上で時間外労働の上限規制違反をチェックできるかどうかを確認しておきます。法令違反を遵守するためには、前述のとおり時間外労働の上限に達しそうな従業員を管理者に自動でアラートを出す機能を備えている製品を選びましょう。

3. 解消すべき課題とコストを秤にかける

希望する機能が備わっていても、コストに見合わなければシステム導入は叶いません。すべてを一度に解決できるのがベストですが、予算と合わない場合には解決したい課題の優先度を見極めましょう。スモールスタートで導入し、運用しながら機能を拡充したりカスタマイズできるサービスを選ぶのも方法の1つです。

一般的に、従業員が多ければ多いほど勤怠管理システム利用のコストがかかるものですが、製品ごとに初期費用、ランニングコストはそれぞれ異なるため、費用を軸とした比較も行うようにしましょう。また、コストが掛からないからという基準で安易にシステムを選ぶことはおすすめしません。そういった製品は初期設定やアフターサービスに対応しておらずサポート体制が不十分であることが多く、専門のシステム担当者がいない企業では不向きと考えておきましょう。勤怠管理は給与支払いに直結する業務ですので、導入後すぐにシステムを本番利用という訳にはいきません。テスト利用を行い、正しい集計が出来るか事前に確認を行う必要があります。専任の担当SEがついて設定代行を請け負うサービスもありますので、不安な場合は検討しましょう。

まとめ

勤怠管理システムを選ぶ際、まずは自社の課題を洗い出す作業を必ず行いましょう。その上で、機能、コスト、サポート面といった多角的な比較をすることがポイントです。

また、導入後の社内浸透をスムーズに行うために、実際に従業員にとって使いやすいか、便利だと思えるシステムであるかという視点で選ぶことも大変重要です。トライアル期間を利用し体験版のシステムを利用してみることで操作イメージを掴むことも有効です。但し、実際には忙しくて満足に体験版を操作出来なかったというケースも多いので、メーカーの担当営業からデモンストレーションを受けて不明点を聞いてしまうことも効率的でおすすめです。

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