勤怠管理ガイド
タイムカードと勤怠管理システムはどちらがおすすめ?移行のメリット4つを解説
公開日時:2023.09.27 / 更新日時:2024.06.13
タイムカードによる勤怠管理のよくある課題
タイムカードには、導入・運用が手軽でシンプルといったメリットもありますが、働き方の多様化が進むにつれて、次のような課題が生じています。
管理部門の業務負担が大きい(集計、確認、郵送、保管など)
管理者は、月次締め日に担当範囲の全社員のタイムカードを集めて、エクセル形式などの集計ファイルに出退勤データを転記しなければなりません。また、勤怠記録はカード上に残るので、カードを証跡として5年間保管する必要があります。複数拠点がある場合は、拠点間で毎月タイムカードの発送なども必要です。
データの集計や確認、さらには勤怠記録の保管にも手間がかかる方法といえるでしょう。
打刻忘れが起きる
タイムカードの勤怠管理は、社員それぞれが日々、専用の機械にカードを差し込んで打刻します。社員にとってタイムカードの打刻はその人の主たる業務とは連動しない付帯業務であるため、繁忙期などには打刻忘れが起こりがちです。
不正が発生する
打刻忘れをゼロにするのが難しいことから、タイムカードでは一定のルールのもとに手書きで修正を加えることを容認しているケースが多いです。手書きの場合、本当に正しい出退勤時間を記入したかどうかを証明するのは困難で、社員の倫理観に任されるかたちとなります。
例えば、実際の退勤時間より遅い時間を記入して残業時間を水増ししたり、逆に、実際の退勤時間より早い時間を記入してサービス残業をしたりといった不正が起こりやくなるといえるでしょう。
打刻方法が限られ、働き方の多様化に対応しにくい
タイムカードはオフィスに出社して打刻することが前提となっており、直行直帰やテレワークなど、オフィスに出社しない勤務体系の出退勤を記録するのには不向きです。結局、これらの社員は手書きで出退勤時間を記入するしかありません。
組織全体で働き方が多様化すると、手書きが多発してしまい、客観的な出退勤記録を残すというタイムカード本来の役割を果たさなくなってしまいます。
法制度に準じた労働時間の管理や休暇の管理がしにくい
タイムカードを利用した勤怠管理では、法制度への遵守状況について、集計したデータをもとに人が判断するしかありません。管理者や人事部の理解不足や手順の不備によって、意図せずに労働基準法の定めを逸脱するリスクが高いといえるでしょう。
タイムカードの打刻状況を確認するのは締め日など限られたタイミングとなるため、労働時間の過不足に気付きにくいという課題もあります。
勤怠管理システムへ移行する4つのメリット
タイムカードは手軽に導入できる反面、社員数が多い企業や、多拠点を持つ企業、多様な働き方に対応したい企業には不向きといえるでしょう。また、管理部門が勤怠管理に手間と時間をかけていて、業務が非効率となっているおそれもあります。
タイムカードでの勤怠管理に課題を感じている企業は、勤怠管理システムへの移行で課題を解決できる可能性があります。勤怠管理システムのメリットを見ていきましょう。
集計を自動化して管理業務を効率化
勤怠状況がシステム内で自動計算されるため、タイムカードに比べ管理業務の手間がかかりません。保管書類が減るため書類の保管・管理も不要となり、勤怠データは電子データ上で管理できます。ペーパーレス化にも役立つでしょう。
給与計算システムと連携できれば、勤怠管理と給与計算の一元管理が可能となり、さらなる業務効率化が期待できます。
打刻ミスや不正の予防
勤怠管理システムで入退室記録やパソコンのログオン・ログオフと連携することで、ミスや不正が生じる余地がなく、より正確な勤怠管理が実現します。
例外的に勤怠データを手修正する場合には、修正を管理者や本人のアカウントからしかできない仕組みとすれば、不正を防止でき、不備があった場合にも速やかに調査できます。タイムカードの手書き修正に比べ、不正に対する抑制効果が高いでしょう。
多様な働き方に対応しやすい
タイムカードは出社が前提のシステムであり、テレワークに対応できません。勤怠管理システムを導入して、ICカードや生体認証での打刻管理に加え、パソコンやモバイル機器を使って記録できる仕組みにすれば、テレワークの勤怠管理も可能です。
業務時間内に一時的に仕事から離脱する「中抜け」が多くなりがちなフレックスタイム制、直行・直帰の多い業務にも難なく対応できることから、多様な働き方に柔軟に対応できます。
法令に準じた正しい勤怠管理が容易
システム上で出退勤時間や残業時間、有給の取得状況なども一元管理できるため、残業・有給付与や取得に関する法令遵守が容易となるでしょう。残業時間が一定の時間を超えている社員を抽出できれば、残業時間が多くなっている社員の業務を分散するといったフォローも可能です。また、企業には勤怠管理データを保存する義務がありますが、システム上で簡単に長期保管が可能です。
優れた勤怠管理システムでは、法制度の変更に対応し、各社独自の制度や勤務体系に合わせて、簡単に設定を変更して勤怠管理ができる仕組みとなっているので安心です。
勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムにはさまざまな種類があります。比較・選定の際は、下記のポイントを参考にしてください。
打刻方法の種類が自社に合っているか
適切な打刻方法は企業によって異なります。オフィス出社が主体であれば、入退室時のICカード連動が、打刻もれがおきにくく便利です。テレワークが多い場合は、パソコンから打刻できる仕組みがよいかもしれません。営業部門のような直行・直帰社員が多い部署なら、スマートフォンで社外から勤怠報告ができる仕組みがあると便利です。
自動化・効率化したい業務に対応できるか
打刻忘れを減らしたいなら、入退室と連動したICカード式にすることで、アラートが出て打刻忘れを防ぐ機能があるとよいでしょう。社員の労働状況を正確に把握したいなら、管理画面の見やすさや、分析機能の充実度に着目してください。
他システムと連携しやすいか
給与計算システムや労務管理システムなどのツールと連動させたい場合は、既存のツールと連動できることが大前提です。将来のシステム改修までを視野に入れるならば、連動できるシステムの選択肢が幅広いほうが望ましいでしょう。
サポート体制が整っているか
導入時には思わぬ不具合が生じ、就業規則に沿った独自の設定が必要となることがあります。また、導入後も、不慣れな社員が操作に悩んだり、想定外のトラブルが発生したりする場合もあるでしょう。サポート体制が整っていれば、スムーズな導入が期待でき、社員も順応しやすいと考えられます。
サポート対応の範囲や営業時間を確認しましょう
デモンストレーションや無料トライアルを活用する
勤怠管理システムのデモンストレーションを実施している場合は、必ず体験してから導入を最終決定しましょう。システムによってはテスト導入ができたり、無料トライアル期間が設定されていたりする場合もあります。活用して低コストで試験的に運用してみるのがおすすめです。
勤怠管理システムの選び方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。あわせてご参照ください。
まとめ
勤怠管理の方法としてタイムカードは手軽で簡単に導入できる手法です。しかし、働き方改革関連法の改正によって、より正確で的確な勤怠管理が求められるようになった今、デメリットを鑑みるとリスクが大きいといえます。業務効率化、法令遵守、社員満足度などの観点から、勤怠管理システムの導入を検討しましょう。
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