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労働条件通知書と雇用契約書の違いは?記載事項・渡すタイミングなどよくあるギモンについて解説
公開日時:2022.05.27 / 更新日時:2024.08.28
労働条件通知書と雇用契約書の違い
まずは混同しがちな労働条件通知書と雇用契約書について、それぞれの役割を整理しましょう。
労働条件通知書とは
雇用契約の期間や賃金など、労働条件に関する内容を記載した書類のことです。
労働基準法第15条では、労働契約を締結する際に、労働者に対して労働条件を書面で明示することを雇用主に義務付けています。この労働条件の明示のために、新たに労働契約を締結する際や、雇用契約の内容が変更となるタイミングで作成し、労働者に渡す書類が労働条件通知書となります。
雇用契約書とは
雇用主と労働者が労働条件について合意したことを証明するための書類を、雇用契約書と言います。内容は労働条件通知書とほぼ同じであり、雇用契約の期間や賃金、就業場所などが記載されます。ただし、雇用契約書の作成は法律上義務付けられているものではありません。
労働条件通知書と雇用契約書の違い
労働条件通知書と雇用契約書は作成や保管の仕方が異なります。労働条件通知書は雇用主と労働者の間で雇用契約をする場合に作成し、雇用主から労働者となる個人に対して渡す書類です。一方で雇用契約書は、雇用主と個人がそれぞれ記載内容について確認し、署名や捺印をした上で1部ずつ手元に保管する書類となります。
労働条件通知書に記載すべき内容
労働条件通知書には、労働基準法施⾏規則第5条で定められた明示事項を記載するようにしましょう。「必ず明示しなければならない事項」と「定めをした場合に明示しなければならないこと」の2パターンがあるため、以下の表で確認してください。
労働条件通知書に指定の書式はないため、自社で書面を作成する方法で問題ありません。もし絶対的明示記載事項の抜け・漏れが不安な場合は、厚生労働省の公式サイトで公開されている労働条件通知書のテンプレートを利用するのが無難です。
労働条件通知書・雇用契約書にまつわるよくある疑問
ここでは、労働条件通知書・雇用契約書の作成や発行にあたってありがちな疑問についてまとめて解説します。
労働条件通知書と雇用契約書は兼用できる?
労働条件通知書・雇用契約書の書式は法律で定められていないため、2つを兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」といった形式にすることも可能です。
労働条件通知書を労働者に渡すタイミングは?
労働条件通知書を渡すタイミング(=労働条件を明示するタイミング)は「労働契約を締結するとき」になります。新たに労働契約を結ぶ際や、契約内容が変更となる際に交付が必要となるため、以下のタイミングで発生すると理解しておきましょう。
①新入社員:採用内定時(雇用契約が確定した時点)
②有期雇用労働者:契約を更新する際
③無期雇用労働者:労働条件を変更する際
労働条件の明示方法は?
紙媒体のほか、FAXやEメール、SNSなどでの労働条件の明示が可能です。以前は、労働条件通知書の絶対的明示記載事項は、紙媒体での明示に限られていました。しかし労働基準法施行規則の改正に伴い、2019年4月からは紙媒体以外の手段による明示も可能になりました。
ただし、紙媒体以外で労働条件を明示する際は、以下2つの条件を満たす必要があります。
①労働者がFAXやEメール、SNSなどによる労働条件の明示を希望している
②出力して書面を作成できる
パートタイマーやアルバイトでも労働条件の通知は必要?
アルバイトやパートタイマー、派遣社員の場合でも、労働条件を通知しなければなりません。労働条件の明示は「パートタイム労働法」や「労働者派遣法」でも定められているため、労働条件通知書を作成して労働者に渡すのが望ましい対応です。
雇用契約書は作成すべき?
雇用契約書の発行は法律上必須ではないものの、作成しておくことで雇用主・労働者間のトラブルを未然に防ぐことにつながります。例えば雇用契約書がない場合に「当初の契約と労働条件通知書の内容に食い違いがある」などと訴えられれば、雇用主側が不利になる恐れがあります。雇用主・労働者の両者が契約内容を確認し、署名・捺印した雇用契約書があれば、こうしたトラブルを回避できます。
まとめ
労働条件通知書と雇用契約書は記載内容こそ似ているものの、役割は異なるため、それぞれの目的を適切に理解しておくことが大切です。
労働条件は明示事項が法律で定められているため、項目の抜け・漏れがないよう、よくチェックしてください。労働条件通知書の作成に不安がある場合は、厚生労働省のテンプレートを活用するのが無難です。また労働条件の明示方法や対象となる労働者、明示のタイミングも法律による規定があるため、違反とならないようルールを確認した上で対応しましょう。
2019年4月以降、労働者の希望があれば、労働条件をFAXやEメール、SNSで通知することも可能になりました。これら作業の効率化のためには、雇用契約書や労働条件通知書をはじめ、人事労務関連の書類をオンライン上で発行できるサービスが便利です。
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