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2022年4月からアルコールチェックが義務化へ。 改正道路交通法施行規則のポイントを解説

公開日時:2022.05.06 / 更新日時:2022.05.09

2022年4月より改正道路交通法が施行されました。これにより運転者のアルコールチェックが義務化されたため、対象となっているにもかかわらず、対応できていない事業所は、すぐに取り組まなくてはなりません。運輸・配送業等で社用車を保有している事業所は、自社が対象になるのか、またどのような対応が必要なのかをすぐ確認しましょう。この記事では、法改正の内容や、安全運転管理者が行うべき対応について解説します。

道路交通法施行規則の一部改正と安全運転管理者の業務

道路交通法はこれまでに何度も改正が行われ、あおり運転や自転車の危険運転行為の罰則強化等が実施されてきました。2022年の改正では、新たな「安全運転管理者の業務」が加わりました。安全運転管理者制度とは、事業所が自動車を下記の台数使用している場合に、自動車の安全な運転のために必要な業務を担当する「安全運転管理者」を選任させる制度です。

・乗車定員11人以上の自動車…1台以上

・そのほかの自動車(トラックを含む)…5台以上(50cc以上の自動二輪車は1台で0.5台と換算する)

2022年に改正される内容のまとめ

2022年の道路交通法改正は、4月と10月の2段階で施行されるため、それぞれの改正内容に注意しつつ対応を進めることが大切です。アルコールチェックを段階的に強化していく形となっているため、全体像を以下の表で確認しましょう。

施行年月 該当規則 義務化される内容

2022年
4月1日~

道路交通法施行規則
【第九条の十(六)】

安全運転管理者による運転者の運転前後のアルコールチェックの義務化

道路交通法施行規則
【第九条の十(七)】

アルコールチェックした内容の記録を1年間保存する義務

2022年
10月1日~

道路交通法施行規則
【第九条の十(六)】

目視確認のほか、アルコール検知器を使って運転者の酒気帯びの有無を確認する義務

道路交通法施行規則
【第九条の十(七)】

アルコールチェックの記録を一年間保存するのと同時に、アルコール検知器を常時有効に保持することの義務

2022年4月に施行された道路交通法施行規則

ここでは2022年4月に施行された道路交通法施行規則について解説します。道路交通法施行規則第九条の十で新たに定められた安全運転管理者の業務を確認しましょう。

安全運転管理者による運転者の運転前後のアルコールチェック

道路交通法施行規則の第九条の十(六)では「運転前後の運転者に対し、目視等で当該運転者の状態を確認することにより、当該運転者の酒気帯びの有無を確認すること」としています。

この改正のポイントは「事業所で自動車を使う運転者が、運転前や運転中に飲酒していなかったかをチェックすること」にあります。ただし、業務時間内に複数回の運転を行う場合は、都度の運転の前後でチェックをする必要はなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、また業務終了後や退勤時に行う方法で問題ありません。

また「目視等で確認」とは、運転者の顔色や呼気の臭い、応答する際の声の調子等で確認することを言います。これらは対面で確認することが原則ですが、困難な場合は次のような方法でも良いとされています。

①カメラやモニター等で、運転者の顔色や受け答えの声の調子を確認する。またアルコール検知器による測定結果を確認する。

②携帯電話や業務無線等によって運転者の声の調子を確認し、アルコール検知器による測定結果を報告させる。

酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存

道路交通法施行規則の第九条の十(七)では「確認した内容を記録し、その記録を1年間保存すること」と定められています。具体的な記録項目は以下の内容です。

【記録項目】

①確認者名 

②運転者名 

③運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等

④確認の日時

⑤確認方法(対面でない場合は具体的方法)

⑥酒気帯びの有無

⑦指示事項

⑧そのほか必要な事項

2022年10月に施行される道路交通法施行規則

次に、2022年10月に施行される道路交通法施行規則について確認しましょう。ここでは道路交通法施行規則の第九条の十(六)、第九条の十(七)が2022年10月からどのように変更されるのかについて解説します。

アルコール検知器を使った酒気帯びの有無の確認

2022年10月には、道路交通法施行規則の第九条の十(六)が次のように変更され、アルコールチェックの方法が厳しくなります。

運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行うこと。

当該運転者の状態を目視等で確認する方法、目視での確認が難しい場合の対応については、2022年4月から変更ありません。

また10月からは記録項目に「アルコール検知器の使用の有無」が追加されます。

アルコール検知器を常時有効に保持

10月からはアルコール検知器を用いることになるため、その保持についても規定に沿って対応する必要があります。道路交通法施行規則の第九条の十(七)が次のように変更される見込みです。

前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。

ここで言う「常時有効に保持」とは、機器が正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことを言います。

対象事業者が準備すべきこと

2022年4月と10月の改正にあたって、安全運転管理者が業務を遂行できるよう、事業者が準備すべきことがあります。

安全運転管理者の選任

事業者は自動車を使用する事業所ごとに「安全運転管理者」を選び、公安委員会へ届け出る必要があります。

【安全運転管理者の業務】

・運転者の適性、技能、知識及び法令、 処分の遵守状況の把握

・自動車の運行計画の作成

・運転者の交替要員の配置

・異常気象時等の運転の安全確保

・運転者への安全運転の指示、指導

・運転日誌(※)の記録

 ※運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転距離等を記録

事業所で使うアルコール検知器の準備

事業所に必要数のアルコール検知器を配備します。この検知器は酒気帯びの有無を音や色、数値等により確認できるものであれば良く、性能に細かな指定はないため、一般に流通している機器で問題ありません。ただし、いざアルコールチェックが必要になった際に故障していたり、電池切れになったりしないよう、定期的にきちんと作動するようメンテナンスをしましょう。

対面でアルコールチェックができない運転者の確認方法を決める

対面でのアルコールチェックが難しい場合は、これに準ずる方法を検討する必要があります。警察庁が挙げている次の方法を適用できないか検討してみましょう。

① カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法

② 電話等によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法

アルコールチェックを怠った場合の罰則は?

チェックを実施しなかった場合の直接的な罰則はありません。ただし、酒気帯び運転をしていた場合、道路交通法違反となります。この場合は運転者だけでなく使用者(安全運転管理者、そのほか自動車を直接管理する者等を含む)に3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。さらに違反に使用された自動車は6か月以内の範囲で使用できなくなることもあります。

まとめ

道路交通法施行規則の一部改正によって、2022年4月から安全運転管理者による運転者の運転前後のアルコールチェックが義務化されました。10月にはチェック方法がさらに厳しくなり、アルコール検知器の使用も義務化されます。

チェックを怠った場合のペナルティこそありませんが、実際に酒気帯び運転をしてしまった場合の罰則はあります。従業員が安全に運転する環境を作るためにも、自社内でチェックを徹底することが望ましいです。4月から義務化された内容に対応できていない事業所はすぐに対応しましょう。すでに対応をしている事業所は、10月からのアルコールチェック強化に向けて、準備を進めてください。

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