スムーズなお仕事のために知っておきたい 人事・労務の注目用語

振替休日 読み方:ふりかえきゅうじつ

2021.05.31

振替休日とは、所定の休日をあらかじめ他の勤務日と振り替えることです。予め休日と定められた日が「勤務日」となり、その代わりに振り替えられた日が「休日」となります。例えば、業務の都合で日曜日に勤務が必要な従業員がいた場合、日曜日を勤務日とする代わりにもともと勤務日であった月曜日を休日に変更します。予め振替休日を設けた場合、企業側は従業員の休日労働に対する割増賃金を支払う必要はありません。しかし、週をまたいで休日の振り替えをする場合は週の実労働時間が法定労働時間を超過してしまうため、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要な場合もあります。

振替休日と代休の違いは?

代休とは休日労働が行われた場合に、休日労働した日以降の特定の勤務日や従業員が希望する勤務日を休日とするものです。前もって代休を従業員に与えても、休日の振り替えとはならず、休日労働をさせたという事実は消えません。

また、企業は従業員を週1回の法定休日に働かせる休日労働に対して1時間当たり35%の割増賃金を支払う必要があります。

一方、振替休日は前もって休日を勤務日とするものです。そのため休日労働に対して割増賃金を支払う必要はありません。この点が代休と、振替休日の大きな違いとなります。

振替休日と代休の違い

振替休日代休
どんな場合に行うか36協定が締結されていない場合などに休日労働をさせる必要が生じたとき休日労働や長時間労働をさせた場合に代わりに他の労働日を休日とするとき
行われる場合の要件・就業規則に振替休日を指定
・4週4日の休日を確保したうえで、振替休日を指定する
・遅くても前日までに指定する
特になし
振替後の休日、または代休の指定あらかじめ事業主が指定事業主が指定、もしくは労働者の申請で与えられる
賃金休日出勤日に通常の賃金を支払えばよく、振替休日に賃金を支払う必要はない・休日出勤日に割増賃金の支払いが必要
・代休日の賃金の支払いについては各社の就業規則の規定による

振替休日の注意点

振替休日を行う際に守らなければならない要件と割増賃金が発生する条件を解説します。

1. 振替休日を行う場合に必要な要件

振替休日を行うためには以下の4つの要件を守る必要があります。

就業規則に振替休日の規定を記載する

振替休日は企業側が任意に定める制度であるため、振替休日を設ける法律上の義務はありません。休日を振り替えるには、従業員の個別同意を取るか、就業規則に振替休日の規定を明記しておく必要があり、「就業規則記載がない」と従業員に拒否された場合は、休日を振り替えることはできません。

振替休日を特定する

振替休日を事前に特定していない場合、代休扱いとなってしまい割増賃金が発生する場合があります。

1週1日もしくは4週4日の休日が確保されるよう近接した日とする

労働基準法第35条では、1週に1日、もしくは4週4日の休日を従業員に与えることが定められているため、この規定を守るよう、1週1日、もしくは4週4日の休日を従業員が確保できるよう、振替休日をできるだけ近接した日に設定する必要があります。

遅くとも前日までに通知する

振替休日はなるべく早い段階で告知することが望ましく、前日までには通知する必要があります。

2. 割増賃金の発生

法定休日に従業員を出勤させた場合ですが、1時間につき35%以上の割増賃金が発生し、休日手当として支払う必要があります。ただし、同一週に振替休日を設定すれば、割増賃金は発生しません。

また、法定休日に従業員を出勤させた日の同一週以外に振替日を定めた、もしくは所定労働時間を超えた場合は時間外労働に対し、1時間につき25%の割増賃金を払う必要があります。

なお、1週間の起算日は就業規則で定められていない場合、原則として日曜日です。就業規則で土曜日を1週間の起算日とすると、同一週内で振替がしやすいというメリットがあります。

まとめ

振替休日とは所定の休日をあらかじめ他の勤務日と振り返ることを指します。代休とは異なり、振替休日では休日労働に対して割増賃金は発生しません。

振替休日を実施する際は、従業員に個別同意を取るか、就業規則に振替休日の規定を定めておく必要があります。また、振替休日を設ける場合、企業側は1週1日もしくは4週4日の休日を確保できるよう日にちを特定し、前日までに該当の従業員に知らせる必要があります。

1週間の起算日によっては割増賃金が発生することもあるため、土曜日を1週間の起算日とするように、就業規則で定めておくと、同一週内での振替がしやすくなります。

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