様々な課題を抱えるご担当者様に向けて 人事・労務なんでもQ&A

中小企業にも適用された「時間外労働の上限規制」、法律違反しないための対策を教えてください。

2021.01.27

詳しく解説

ITベンチャーの労務管理をしているのですが、どうしても繁忙期には残業時間が多く発生してしまっているのが現状です。2020年から中小企業にも適応されるようになった「時間外労働の上限規制」への対策が必要だと考えており、その方法を教えていただきたいです。

毎月の時間外労働時間を可視化する体制をつくり、従業員の労働時間を正確に把握することが重要です。

労務に関する法律違反を防ぐためには、正確で客観的な労働時間を把握できる仕組みを導入することが重要です。

労働基準法で定められた時間外労働の上限時間を超えないためには、どの部署で、どの従業員が時間外労働の上限に達しそうかという労務状況を、上長や労務担当者が把握しておく必要があります。タイムカードやエクセルなどのアナログの労働時間管理では労働時間の合計がひと目では分からず、月末の集計時になるまで残業超過にも気付きにくいため「今自分が上限に抵触しているかどうか」の把握が難しいのが実情です。

時間外労働上の上限超過による法律違反を防ぐためには、従業員一人ひとりの労働時間を可視化し、毎月どのくらい時間外労働時間が発生しているのか正確に把握できる体制づくりが求められます。

1.「時間外労働の上限規制」で何が変わったか

「1日8時間、1週間40時間」を超えて働くことが時間外労働(残業)です。時間外労働を可能にするには企業と労働者の代表の間で「36協定」を結ぶ必要があります。労働基準法の改正により、36協定を結んだ場合でも、時間外労働の上限を超えた場合に罰則が科される変更がなされました。

 時間外労働に関する変更のポイントは以下の2点です。

  • 36協定を結んだ場合でも上限は「月45時間・年360時間」
  • 特別条項付きの36協定を結んだ場合でも上限は「月100時間未満」「年720時間以内」「休日労働を含み2カ月ないし6カ月平均で80時間以内」

36協定で定めた上限を超える残業を例外的に認める制度が「特別条項」です。この特別条項によって、従来は際限なく時間外労働が可能だとして従業員の健康悪化の面から問題視されてきました。こうした状況を改善すべく、特別条項があったとしても労働時間に制限をかける法律が新たに設けられたのです。この上限を超えた場合、企業側に罰則が科されるようになりました。

2.法律違反をした際の罰則の内容は?

2000年代以降に過労死が社会問題化したことを受け、企業の長時間労働抑制を目的として時間外労働の上限規制が導入されました。上限を超えて残業をさせた場合、雇用者は刑事罰の対象となり「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。時間外労働の上限違反で罰則が適用されたのは2019年の法改正が初となります。

時間外労働時間の上限規制の導入によって、残業に関するルールの厳格化が一段と進み、企業には厳しい目が向けられることとなりました。繁忙期に残業が多く発生する企業や長時間労働対策が進んでいない企業は、法律違反とならないよう時間外労働時間の正確な把握や、過重労働を防ぐ一層の努力が必要になったと言えるでしょう。

3.法律違反のリスクを未然に防ぐ具体的な手段とは?

時間外労働の上限規制に対応するには勤怠管理システムを導入するといった正確な労働時間管理の実施が必要です。例えば「年720時間以内」「休日労働を含み、1カ月100時間未満」「休日労働を含み2カ月ないし6カ月平均で80時間以内」といった時間外労働の厳密な数字をタイムカードやエクセルなどのアナログ作業で管理し、上限超過がないかを人の手でチェックするのは現実的ではありません。

実際に時間外労働の超過が疑われた場合には、企業側は法律違反をしていないかを証明するために勤怠記録を労働基準監督署に示す必要があります。調査では「長時間労働の改善を行っているか」という部分までもチェックされるケースが多く、正確かつ客観的な労働時間の管理は自社のコンプライアンスを守るためにも欠かせません

そのために有効なのが、勤怠管理システムですアナログ管理では難しかった労働時間のリアルタイム確認が可能で、時間外労働の上限に達しそうな従業員をひと目で確認できます。この他、36協定や特別条項で定めた上限に沿った管理できる製品もあり、時間外労働の上限規制に対応したシステムを活用することで法律違反を未然に防ぐことができます。

ただし、勤怠管理システムなら何でも良いという訳ではありません。例えば、時間外労働時間の合計を単純に算出するだけのシステムでは、法令違反のリスク対策としては不十分です。従業員に対して法令違反前に気付きを与え、それを未然に防止する機能が実装されていることが重要です。残業上限に近付いた従業員にアラートを出す機能や、残業の申請理由を記入させ無駄な残業を抑制させる機能など、残業超過対策に役立つ機能が実装されていて初めて、法令違反のリスクを未然に防ぐことができるのです。

まとめ

時間外労働の上限規制は正確な労働時間把握と長時間労働の対策を企業に義務付けるものです。ただ時間管理を正確に行うだけにとどまらず、企業には過重労働を防ぐ業務の効率化や勤怠管理の改善を行う努力も求められています。法律違反リスクから自社や従業員を守り、労働環境を改善していくためにも新たな法改正に対応した勤怠管理方法を導入すべきでしょう。

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