勤怠管理ガイド
工数管理は勤怠管理システムで一元化!メリットやツールの選び方を解説
公開日時:2023.10.20 / 更新日時:2024.06.13
今回は、工数管理と勤怠管理を一元化するための方法や留意点、システムの選び方を解説します。
工数管理と勤怠管理の違い
工数管理は、プロジェクトの終了までにかかる時間と人数を数値的に管理します。また勤怠管理は、日々の労働時間や欠勤、遅刻、休日の取得状況といった労働の記録を数値的に管理することです。
両者は一見、管理する分野が異なるように見えますが「時間を管理する」という点では一致しています。まずは、それぞれの役割について理解しておきましょう。
工数管理とは
工数管理とは、「誰が・いつ・なにを・どれくらい」という指標をもとに、プロジェクトの進捗を管理する手法です。
従来は、製造ラインやシステム開発の分野で主に活用されていました。しかし近年は、さまざまな業界で工数管理の重要性が注目され、幅広い分野で採用されています。生産性の向上やコスト削減、スケジュール管理などのあらゆる面で成果を上げている管理方法です。
勤怠管理とは
勤怠管理とは、「従業員が就業規則にのっとって就業しているか」を管理する手法です。従業員の始業・終業時間や休憩時間、休日休暇、残業時間などの把握や管理を指します。
働き方改革の推進とともに勤怠管理システムを導入する企業は年々増加しており、システムによる業務効率化が加速しています。
工数管理を適切に行うためのポイント
工数管理を適切に行うためには、その目的と意義を明確にしたうえで進めましょう。従業員が工数管理の目的を理解していなければ、定着せず成果があげられません。
工数管理の目的を明確にして周知
工数管理をする意味や目的を、従業員へ明示・共有します。意味や目的、重要性が理解できれば、自ずと行動へと結びつくでしょう。システムへの入力作業など、最初のうちは通常の作業工程に追加される印象もあり敬遠されがちです。それを積極的な取り組みへと転換させるためにも、従業員の理解を得ることは重要です。
工数管理に対する意識づけと習慣づけ
目的を明確にして重要性を周知させたら、システムへの入力や更新などの行動を日々の習慣として従業員に定着させることが大切です。そのためには、社内でしっかりとしたサポート体制を敷くことが肝要です。導入時の操作説明や導入後の声かけ、チェック体制など、従業員に対する工数管理への意識づけと習慣づけは根気強く取り組む必要があります。
工数管理と勤怠管理の一元化
工数管理を独立したツールやシステムで行う場合、ツールを開く、ログインするなどの手間がかかります。工数管理と同じように「時間」を管理するツールである勤怠システムと統合すれば、出退勤の記録と工数記録を同時に行うことができるためデータの整合性が高まり、さらに入力忘れの防止にも繋がります。
工数管理と勤怠管理を一元化する4つのメリット
勤怠管理で集計した実働労働時間と工数を連動させることで、勤務時間と作業時間に整合性がとれ、さまざまなメリットが生まれます。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
入力や更新の作業が統合され、効率化する
勤怠管理と工数管理が一元化されると、入力や更新といった作業が一本化されます。別のシステムでそれぞれ作業をする手間がかかりません。業務の進捗状況も並行してリアルタイムで把握できるため、業務の効率化につながります。また、入力・更新作業が簡略化されるため、個人間での相違や入力ミスなどを削減できます。
生産性が向上する
工数管理では、日々の業務に必要な時間を把握して業務計画を立案します。工数管理と勤怠管理を一元化することで労働時間を正確に把握でき、さらに精度の高い業務計画を作成することが可能です。また、こうした取り組みが業務の見える化を促進させ、業務分析や改善につながります。
従業員のモチベーションが向上する
従業員自身が日々取り組んでいる業務の成果を確認できるようになり、達成感ややりがいを感じられ、モチベーションの向上につなげることができます。勤務時間に対する業務の効率化を図りやすく、より成果をあげるべく意欲が高まることも期待できます。
労働時間が可視化され労務リスクが低減する
労働時間とプロジェクト進捗を同時に可視化することで、長時間労働につながる行程を把握しやすくなり、プロジェクト内に潜むボトルネックや不要な作業を発見しやすくなります。業務負荷が重い業務に対する対策がとれるようになるので、長時間労働の常態化などの労務リスクにも先んじて対処し、早期改善につながるでしょう。
勤怠管理システムで工数管理を行う方法
勤怠管理システムで工数管理を行うには主に2つの方法があります。
1. 勤怠管理システムのカスタマイズでシステム統合する
勤怠管理システムの多くは、外部のさまざまなシステムとの連携が可能なので、新規または既存の「工数管理システム」と統合することができます。
どちらも各管理に特化したシステムのため、充実した機能が利用できます。豊富な機能を搭載したもの同士を連携させるため、より高度な管理が実現します。
2. 工数管理機能を搭載した勤怠管理システムを選択する
勤怠管理システムに、初期設定またはオプションで搭載されている工数管理機能を利用する方法です。すでに勤怠管理システムに搭載されているので、新たに工数管理システムを導入するコストや統合の手間がかからず、コストパフォーマンスに優れています。
ただし、機能面では独立システムにおよばないところもあるため、自社の環境と照らし合わせて検討する必要があります。
工数管理と勤怠管理を一元化できるシステムの選び方とは
工数管理と勤怠管理を一元管理するためのシステムは、どのように選べばよいのでしょうか?
選択のポイントを紹介します。
機能の過不足がなく目的に合っているか
自社の業務内容とシステムの機能を照らし合わせ、過不足のないものを選びましょう。高スペックだからよいというものでもありません。業務に必要のない機能が多すぎて使いにくく、従業員から敬遠される事態となる可能性も考えられるからです。現在の業務工程を見返して、自社に最適なシステムを選んでください。
事業規模に見合ったシステムか
小規模の企業が大企業向けに設計されたシステムを導入すると、使わない機能にコストがかかってしまう場合があります。
システム選択では、自社の事業規模に見合う機能を備えたシステムを導入することで、投資対効果を高められるでしょう。
勤怠管理システムのメーカーやベンダーが、無料で選定のサポートサービスを提供していることがあります。自社の業務をプロの視点で検証してもらうことで、システムのミスマッチを防止できるでしょう。
予算は適切か
前述のとおり、工数管理と勤怠管理の一元化には、別のシステムを連携させる方法と、勤怠管理システムに搭載される工数管理の機能を利用する方法があります。
コストパフォーマンスとしては、後者のほうが優れているといえます。しかし、コストにこだわりすぎるあまり、実際の業務と搭載機能にギャップが生じてしまっては、本来の目的を達成できません。現在の業務をしっかりと検証し、実務とシステムの機能をマッチングさせたうえで、予算を組み立てることが大切です。
アマノでも無料相談会を随時開催していますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
工数管理は、いまやIT関連企業や製造業にとどまらず、さまざまな企業で重視される指標です。工数管理と勤怠管理を一元化することで、プロジェクトの最適な運用が期待でき、業務の効率化や生産性の向上が実現します。しかし、その導入においてはさまざまな検討が必要であり、特に実務とシステムのマッチングは重要です。
工数管理と勤怠管理は管理する分野が異なるようにも見えますが、「従業員の働いた時間を管理する」という点では同じです。したがって、同一の環境で一元管理できれば、大変効率が良いといえます。そこで、一元管理するためのツールとして有効に働くのが勤怠管理システムです。工数管理機能をもともと搭載している製品もあれば、オプションで機能を追加できる製品もあります。外部の工数管理システムと連携できるタイプもあり、さまざまな展開が可能です。ぜひ、勤怠管理システムで工数管理の一元化を実現し、業務効率の改善にお役立てください。
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