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人事・労務なんでもQ&A

裁量労働制であっても勤務間インターバルを確保する必要がありますか? 「自由な働き方」と「健康確保」を両立させる新運用とは何でしょうか?

裁量労働制の対象社員であっても、企業は安全配慮義務を負うため、健康・福祉確保措置の実施が求められます。時間配分の裁量が労働者にゆだねられていても、健康管理の責任まで一任することは許されません。 2027年以降の労働基準法改正では健康・福祉確保措置の見直しが見込まれており、パソコンログとの連携による「健康管理時間」の客観的な把握と、インターバル(休息時間)不足を自動検知するシステム運用の構築が必要となります。
公開日時:2026.05.13
詳しく解説
大友 大 氏

大友 大 氏

社会保険労務士

大手資格予備校にて、制作課チーフとして社労士試験必修テキストの執筆、全国模試の監修を行う。

平成20年より都内の社会保険労務士事務所に勤務ののち、平成26年に開業。

給与計算業務を中心に行いつつ、労務にまつわるさまざまな問題に取り組む。

大友労務管理事務所 代表

Q. 裁量労働制であっても勤務間インターバルを確保する必要がありますか? 「自由な働き方」と「健康確保」を両立させる新運用とは何でしょうか?

IT企業で人事労務を担当しています。当社では、エンジニアやデザイナーの多くに専門業務型裁量労働制を適用しています。

現在、全社的に勤務間インターバル制度の導入を検討しています。しかし、現場からは「裁量労働制なのに休む時間を会社に強制されるのは矛盾している」と反発の声があがっています。

裁量労働制の社員に対しても、勤務間インターバルを確保する必要があるのでしょうか。自由な働き方の企業文化を維持しつつ、システムを活用して健康確保を両立させる運用方法を教えてください。

A. 法改正を見据え、裁量労働制でもインターバル確保による健康管理が必要となります

裁量労働制であっても、企業は従業員に対する安全配慮義務を負うため、インターバルの確保が強く求められます。時間配分の裁量が労働者にゆだねられているからといって、健康管理の責任まで労働者に一任することは許されません。

2027年以降に予定されている労働基準法の改正では、裁量労働制の対象業務拡大は「健康確保措置を前提」とされており、現行の健康・福祉確保措置が見直される可能性があります。従来の自己申告に依存した不透明な時間管理を見直し、客観的な「健康管理時間」の把握に基づいたシステム運用が必要です。

裁量労働制については、以下の記事で詳しく解説しています。

勤務間インターバルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

「裁量労働制の趣旨」と「勤務間インターバル確保」は矛盾しないのか?

量労働制は、業務の遂行方法や時間配分を労働者の裁量にゆだねる制度です。そのため「いつ働き、いつ休むかは自由」と誤解されがちですが、本来の趣旨は「効率的な働き方」を促すことにあり、健康管理の義務を免除するものではありません。

実際、現行の労働基準法でも、裁量労働制であっても深夜労働や休日労働の規制は適用され、企業の安全配慮義務も免除されていません。長時間労働による健康障害の防止は、裁量権を認める以前の、制度運用に不可欠な前提条件です。

したがって、企業が「最低11時間の休息」といったインターバルを設けることは、裁量労働制の趣旨と矛盾するものではなく、健康に働き続けるため必要な措置とえます。

法改正で見直される裁量労働制の「健康・福祉確保措置」

在、勤務間インターバルの確保は全労働者に対する努力義務です。しかし、2027年以降に予定されている労働基準法の改正では、勤務間インターバル制度の義務化が検討されています 。

また、裁量労働制の対象拡大に向けてその前提とされる「健康・福祉確保措置」の見直し、管理監督者に対する「健康・福祉確保措置」の導入などが重要な審議ポイントとなっています。

制度を適正に運用し続けるには、対象社員の労働時間を正確に把握し、インターバルを確保する運用ルールを今から構築しておく必要があります。

IT業界特有の「深夜トラブル対応」と例外規定の作成方法

IT企業では、深夜のシステム障害対応をはじめ、突発的な緊急業務が発生する可能性があります。この場合、11時間のインターバルを厳密に適用すると、翌日の重要な会議に出られないといった実務上の支障が生じることがあります。

このような事態に備え、就業規則や労使協定に「予見不可能なシステム障害への対応時は、事後的に休暇を付与する」といった「例外規定」を明記しておくことが重要です

ただし、例外規定の運用が常態化しては本末転倒です。緊急対応の承認フローを厳格化するとともに、事後の休息付与をシステムで確実に追跡・管理できる仕組みが必要です。

「健康管理時間」の正確な把握にはパソコンログとの連携が重要

量労働制の社員は出退勤の概念が薄く、勤怠打刻を忘れがちです。しかし、勤務間インターバルの起点は、前日の「終業時刻」となるため、正確な時間の把握が欠かせません。

自己申告の打刻だけに頼ると、実際の労働時間との乖離が生じやすいため解決策として、パソコンのログオン・ログオフ履歴と勤怠打刻を突合する仕組みが有効です。

パソコンログと打刻時間に大きなズレがある場合に、システムが自動で本人や上司に理由の入力を促す設定すれば、実態に即した「健康管理時間」の把握が可能す。

裁量労働制のリスク管理と安全配慮義務

量労働制であっても、適切な管理を怠り、結果として社員が健康を害した場合は、企業は法的責任を問われることになります。たとえば、過労死ラインを超える長時間労働が常態化していた場合、「本人の裁量で勝手に深夜まで働いていた」という主張は、裁判では通用しません。

労働基準監督署の調査が入った際、企業は客観的なデータに基づき、インターバル確保などの健康管理を適切に行っていたことを証明する責任があります。そのため、実態を裏付ける記録が欠かせません

健康管理時間を正しく記録し、一定時間を超えた社員には産業医面談を確実に実施するといった一連のフローをシステム上で完結させることが、企業にとって最大のリスクヘッジとなります。

まとめ:自由な企業文化は正確なシステム管理のうえに成り立つ

量労働制における勤務間インターバル制度の導入は、決して社員の自由を奪うものではありません。労働者の心身の健康を担保することで専門性を最大限に発揮させ、持続可能な働き方を実現するための基盤です。

勤務間インターバル制度の義務化が検討されている現在企業は手作業や自己申告に頼った不透明な労務管理からの脱却は避けられないでしょう。パソコンログとの連携など健康管理時間の客観的な把握ができるシステム環境を整備し、実効性のある管理体制を構築することが重要です。

自由な働き方の企業文化企業の安全配慮義務を両立させるため、適切なルールづくりとシステムによる効率化を推進しましょう。

裁量労働制の健康管理時間にも対応するアマノの「TimePro-eX」

IT企業特有の柔軟な働き方を支えつつ、複雑な法規制を満たすには、高度な勤怠管理システムが必要です。
アマノの「TimePro-eX」は、裁量労働制の対象社員や管理監督者の「健康管理時間」を正確に記録・管理できる次世代型勤怠管理システムです。パソコンログとの連携により、自己申告に依存しない客観的な時間把握を実現し、打刻との乖離を検知した際は本人・上司へ自動で通知します。勤務間インターバルのアラートや、例外対応時の休暇の付与状況をシステム上で追跡・管理する機能を備え、労働基準監督署の調査にも耐えうる客観的な記録を維持できます。
自由な働き方の企業文化とコンプライアンスを高い次元で両立させたい企業の皆様は、ぜひ「TimePro-eX」の製品情報ページをご確認ください。

参考:

GUIDE

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01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

勤怠管理システム
導入のポイント

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