勤怠管理ガイド

勤怠締め作業とは?効率化には勤怠管理システムの導入が有効

公開日時:2023.12.05 / 更新日時:2024.03.07

勤怠締めとは、企業が従業員の勤怠や休暇の取得状況などを把握し、給与計算に反映するために必要なプロセスです。法令を遵守し、給与を正確に遅滞なく支払ううえで、ミスが許されない作業です。勤怠管理システムの導入により、効率的かつ正確な勤怠締めが可能となります。
この記事では、勤怠締めの基本的な意味や作業内容、そして効率的な勤怠締めを実現するためのポイントを紹介します。

勤怠締め・締め日とは

勤怠締めは、企業の労務管理において重要な作業です。一般的には特定の日を「勤怠締め日」と設定し、定期的に実行します。

「勤怠締め」とは

勤怠締めとは、給与計算の期間の区切りで労働時間や残業時間、休日数などを集計して、数値を確定させる作業です。確定した勤怠データをもとにその期間の給与を計算し、各従業員に支払います。

労働基準法や社内規則において定められた残業時間や、休暇日数などのルールの遵守状況を確認するためにも、勤怠締めを通じて勤務データを確定しなければなりません。

「勤怠締め日」とは

勤怠の締め日は、給与計算上の区切りの日です。締め日には前の締め日の翌日から今回の締め日にかけての勤怠データを集計し、給与計算に反映します。

そして後日、企業があらかじめ定める給与支給日に、計算に基づいて算出された給与を支払います。遅滞なく給与を支払うために、勤怠締め日は給与支給日から逆算して余裕を持った日程で設定する必要があります。

勤怠締めの重要性とリスク

勤怠締めは従業員の適切な給与計算や、労働時間を客観的に証明するために重要な作業です。勤怠締めの作業をおろそかにすることで、時間外労働手当てに計算ミスが発覚したり、休暇の未取得や過重労働を見落としたりする可能性があります。計算や手続きのやり直しで手間がかかるだけでなく、場合によっては労働基準監督署から是正勧告を受け、社会的信頼を失いかねません。

勤怠締めで必要な作業とは

勤怠締めでは、従業員のさまざまな勤怠データを収集し、不備・ミスがあれば修正のうえデータを確定します。その後、確定した勤怠データをもとに給与計算を進めます。勤怠締めの作業について詳しく見ていきましょう。

従業員の勤怠データを収集

最初に、全従業員の勤怠データを収集して集計します。主な集計項目は次のとおりです。

  • 出勤日数
  • 出勤時間
  • 退勤時間
  • 休憩時間
  • 残業時間
  • 有給休暇の取得日数
  • その他企業独自の制度の利用有無、利用時間 など

全データを集計して、ミスや不備があればデータを修正します。担当者だけで判断できない場合は、該当する従業員・管理者に問い合わせて直します。全従業員において正しいデータが反映されれば、集計作業は完了です。

給与計算を行う

確定した勤怠データをもとに給与計算を進めます。給与は従業員の生活に直結し、従業員にとって最も基本的な働く動機づけとなるため、支給の不備は絶対に避けなければなりません。支給額は正確に計算し、必ず給与支給日までに確定させる必要があります。

勤怠締め作業を効率的に行うには

効率的な勤怠締め作業を実現するうえでは、アナログ・手作業の削減が重要です。勤怠管理システムを導入すれば、管理業務の効率化や打刻・申請作業の負担軽減、ミスの発生リスクの抑制につながります。

タイムカードや勤怠関連の申請書類の排除

紙ベースの申請や管理から脱却するのが第一です。従来、さかんに利用されてきたタイムカードは、勤怠締め後のデータ集計に大きな負担が伴うだけでなく、打刻漏れや不備が増えると、不正確なデータが生成されるリスクも増大します。また、紙ベースでの休暇や各種労務管理の申請は、従業員・管理者双方の負担増大の原因となります。

Excelや手計算からの脱却

勤怠データを自動集計し、給与計算システムに連携する仕組みがあると、勤怠締め作業が効率化します。Excelでの手作業や、手計算での勤怠データ集計および給与計算が、勤怠管理や労務管理の負担が増大する原因のひとつだからです。

手作業は、データ集計や給与計算にミスが出る原因にもなります。また、給与計算を正確に行える人材が限られていると、計算作業が一部の従業員に集中し、業務の属人化を引き起こします。集計・計算作業の自動化は、勤怠締め作業の効率化において重要な要件のひとつです。

勤怠管理システムの導入

紙ベースでの打刻や管理の排除、計算の自動化や給与計算システムへの連携は、いずれも勤怠管理システムを導入することで達成できます。自社の勤務体系やルール、規模に合った適切な勤怠管理システムを導入することで、効率的かつ正確な勤怠締めが実現します。

勤怠締めを効率化した勤怠管理システムの導入事例

前述のとおり、効率的で正確な勤怠締め作業には勤怠管理システムがおすすめです。勤怠締めにおいて手間や労力がかかる勤怠の不備確認はシステムによって自動化することができます。人事担当者の長時間労働を抑制し、人為的なミスも防止できます。

また従業員にとってもタイムレコーダーやパソコン、スマートフォンなど様々なデバイスから打刻できるので、勤怠時間の記録漏れのリスクが低減できます。勤怠状況は日々リアルタイムで集計されているので、時間外労働や有給取得などのルールを逸脱しそうな従業員へアラートを発して、労務リスクをあらかじめ回避することもできます。

次に実際に勤怠システムを導入したことで、毎月の締め作業の工数を半減できたという事例を紹介します。

【事例】株式会社京急リブコ|毎月の勤怠締め作業にかかる工数が半分に

株式会社京急リブコは、「暮らしの総合パートナー」としてマンション、住宅、商業施設等幅広く事業を展開している京急グループの企業です。従来の勤怠管理システムは、自己申告により勤務実績を入力する仕組みでしたが、過重労働の把握が困難であることや、フレキシブルな勤務形態への対応に手間がかかっていることが課題となっていました。そのうえ、2024年に実施予定の建設業の働き方改革への対応も必要なことから、勤務管理を効率化するために、アマノTime-pro VG Cloudの導入に至りました。

例えば、シフトパターンが複数存在することで複雑になりがちな管理を、「フリーシフト制」という集計方法を導入して効率化。本来は約20種類のシフトパターンが存在するそうですが、これからもユーザーにフレキシブルにシフトを作成してもらえるようになっています。シフトパターンの新設には上長の承認が必要なので、不正の発生を心配することなく運用が可能です。さらに出勤・退勤をスマートフォンから打刻できるようになったことで、外出先からでも正確な時刻記録ができるようになりました。

また、VG Cloudではシステムが労務リスクを都度通知するため、従業員の就業規則・法律の順守や適切な勤怠管理を促すことができます。VG Cloudを導入したことにより、従業員の意識が変わったことも効率化に大きく寄与しているとのことです。 

これまで大変な労力を要していたという勤怠の締め作業。部門長の確認が曖昧で、総務部による目視のチェックと差し戻し作業が必ずと言っていいほど頻発していたそうです。VG Cloudの導入後には、各部門長の働き方に対する意識が高まり、総務部と各部門間のやり取りが解消したそうです。

まとめ

勤怠締めの作業は、給与計算や法令および社内規則の順守において欠かせない作業です。勤怠締めに手作業が残っていると、業務負担の増大やミス・不備の原因となります。勤怠管理システムの導入により、リアルタイムで勤怠データを確認でき、効率的で正確な勤怠締め作業が実現します。ぜひ自社に合った勤怠管理システムを導入して、勤怠管理や勤怠締め作業の自動化を推進しましょう。

アマノの「TimePro-VG」は、90年の実績とノウハウを集結させた中・大企業向け勤怠管理システムです。多様な働き方にも標準機能で対応できる、アマノのノウハウを集結させたシステムで、オンプレミス型・クラウド型のいずれにも対応できるハイエンドモデルでもあります。勤怠締めをはじめとした勤怠管理作業に課題を感じている方は、ぜひ「TimePro-VG」の導入をご検討ください。

GUIDE

勤怠管理のパイオニア「AMANO」のノウハウをぎゅっと凝縮してお届けします!

01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

勤怠管理システム
導入のポイント

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