勤怠管理ガイド

派遣社員の勤怠管理はどうしたらいい?派遣元と派遣先で異なる管理を解説!

公開日時:2024.01.18 / 更新日時:2024.03.07

派遣社員という働き方が今では社会に定着しました。派遣社員は貴重な人材として、あらゆる場面で活躍しています。一方で、その雇用形態の特殊さから、勤務実態を把握するための勤怠管理でさまざまな課題が見受けられるのも事実です。
そこで今回は、派遣社員の勤怠管理を、「派遣元」「派遣先」の2方向からとらえ、勤怠管理を効率よく行うためのポイントについて解説します。

派遣社員の勤怠管理における課題とは

派遣社員は、企業で通常に雇用されて働く一般社員とは雇用形態が異なります。雇用主である派遣会社(派遣元)と、実務を行う会社(派遣先)のふたつの企業がかかわる雇用形態です。

この特殊な環境下では、派遣元企業と派遣先企業の連携が大切です。しかし、そこにはさまざまな課題も見え隠れしています。代表的な課題について見ていきましょう。

派遣元と派遣先それぞれで必要となる勤怠管理

派遣社員の雇用主は、派遣元となる派遣企業です。一方、派遣社員が実際に勤務する場所は、派遣元企業にとって取引先にあたる、派遣先企業です。

そのため、派遣元企業と派遣先企業の双方で、派遣社員の勤怠管理が必要となります。勤怠管理を正しく行うためには、派遣元企業と派遣先企業との間のスムーズな連携が必要不可欠です。

派遣元企業と派遣先企業では、派遣社員に対しての管理項目が異なります。
派遣元企業と派遣先企業では、派遣社員に対しての管理項目が異なります。

派遣社員は、派遣元企業と雇用契約を結びます。したがって、給与や残業代の支払い、有給休暇の付与などは派遣元企業の責務です。派遣元企業では、こうした雇用契約に準じた管理項目が主となります。

派遣先企業は、派遣社員との雇用契約がないため上述した責務は負いませんが、派遣社員の労働時間や休日取得の管理を担います。また、適法な労働環境を整備する必要もあります。

リアルタイムで労働時間の把握が困難

多くの場合、派遣社員は派遣先企業へ直行直帰で勤務しています。出退勤の管理は派遣先企業にゆだねられることから、派遣元企業で派遣社員の労働時間をリアルタイムで把握することは困難です。

労務管理の厳格さも企業によって温度差があるため、派遣社員であってもサービス残業の発生リスクはゼロではありません。サービス残業が発生した場合、事実確認するまでにタイムラグが生じてしまいます。場合によっては、気づくことができないかもしれません。

リアルタイムで労働時間を正確に把握できないことは、派遣元企業で正確な給与計算に支障が出る可能性が生じます。雇用主が行うべき当該契約社員の労務管理に支障をきたすおそれもある重要な課題です。

派遣元と派遣先で異なる管理項目とは

前述のとおり、派遣元企業と派遣先企業とでは、派遣社員に対する管理内容が異なります。それぞれの具体的な管理項目を見ていきましょう。

派遣元・派遣先企業の管理項目

派遣元企業の管理項目派遣先企業の管理項目
給与の支払い労働時間の管理
時間外労働、割増賃金の支払い有給休暇の付与休憩・休日取得の管理
有給休暇の付与深夜労働の管理
就業規則の明示安全衛生管理および職場環境の整備
災害補償(労災保険)ハラスメントの防止

派遣元企業は、派遣先企業という目の届かないところで働く社員の勤怠管理を、法令にのっとり適正に行う義務があります。派遣先企業は、派遣社員との直接的な雇用契約はないため、実務に準じた内容の管理項目が多く含まれています。労働時間だけでなく、安全衛生や職場環境、ハラスメントの防止など、その範囲は多岐にわたり、法令に準じた厳格な運用が求められます。

派遣社員に対応した勤怠管理システムの要件とは

派遣社員を雇用し人材として活用するうえで、勤怠管理システムの導入は、もはや必要不可欠であるといっても過言ではないでしょう。

派遣社員を活用するために導入する勤怠管理システムには、どのような機能が搭載されていればよいのでしょうか。求められる機能について説明します。

派遣先企業向けの管理機能

派遣元企業と雇用契約を結ぶ派遣社員との間で交わされる契約書や、給与に関する書類などを管理更新する機能です。加えて、現在契約中の派遣社員の稼働状況(稼働中/休職中)がわかる機能があると、なおよいでしょう。

派遣元企業向けの管理機能

派遣先企業の情報や契約した業務の内容など、派遣元企業と派遣先企業との間で交わされる契約内容を管理する機能です。派遣開始年月日や終了予定年月日、契約時給などの詳細情報を管理します。

勤怠管理機能

出退勤の打刻や休日取得の状況など、勤怠管理にかかわる情報を管理します。ここが中枢となるため、休憩時間や残業時間、休日取得日数などの自動集計といった機能がひととおり搭載されている製品を選択しましょう。

スマートフォン打刻機能

派遣社員の派遣先はさまざまです。スマートフォンのアプリを利用して打刻できれば、派遣先の打刻環境に依存することなく、打刻の平準化が実現します。打刻もれや打刻ミスの軽減にもつながるでしょう。

申請ワークフロー機能

派遣先企業から残業依頼があった際に、派遣元企業へ残業申請をするワークフローがある場合には、勤怠管理システム上で申請できると効率的です。申請から承認までが直ちに完了するため、派遣先企業への対応も早くなり、良い印象を与えられるでしょう。

派遣社員の勤怠管理に「勤怠管理システム」を利用するメリットとは

派遣元企業と派遣先企業の双方から異なる管理が求められるため、派遣社員の勤怠管理は複雑です。また、派遣元と派遣先の両企業がうまく連携しなければ、正確な管理ができず、給与の支払いに支障が出る可能性も否めません。

そのような複雑な枠組みのなかで、より効率的なオペレーションを実現するツールとして「勤怠管理システム」が挙げられます。

ここからは、派遣社員の勤怠管理に勤怠管理システムを利用するメリットについて、見ていきましょう。

リアルタイムで派遣社員の労働時間を把握できる

勤怠管理システムでは、スマートフォンやタブレットのアプリ、パソコンなどの端末を利用して打刻を完了できます。従来のように、出社や退社の連絡を電話で行う必要もなく、派遣社員の出退勤をリアルタイムで確認することが可能です。

勤務報告や休暇などの申請・承認が簡易にできる

残業申請や遅刻報告、有給休暇申請などをシステム上で行えます。申請内容の承認もシステム上で行われるため、申請から申請結果の確認までの流れがスムーズになります。

勤怠の集計を大幅に効率化できる

勤怠管理システムに、あらかじめ派遣社員ごとの雇用条件を登録しておくことで、労働時間の集計結果が自動的に得られます。月次の集計作業から解放され、大幅な効率化が図れるでしょう。

打刻もれや集計ミスなどのヒューマンエラーを軽減できる

勤怠管理システムで出退勤の管理を行えば、エラー発生時の警告機能も活用でき、打刻もれや打刻ミスなどを軽減できます。また、集計やスケジュール管理などが自動化されるため、人的なミスは限りなく減少するでしょう。勤怠管理システムは、今まで人の手にゆだねられていた作業を自動化することで、ヒューマンエラーを極力少なくします。

派遣先から派遣元への報告作業がなくなる

従来、派遣先企業は派遣元企業に対し、FAXなどで月次の勤怠情報を報告していましたが、双方が勤怠管理システムを導入すれば、CSVデータで情報を共有でき、報告作業の簡略化につながります。

まとめ

派遣社員の勤怠管理は大変複雑です。しかし、派遣社員は、いまや企業にとってなくてはならない有用な存在でもあります。

企業としては、派遣社員に極力事務的な負担をかけず、本来の能力をいかんなく発揮してもらいたいところです。より効率的に人材を活用していきたいという思いもあるでしょう。

その願いをかなえるのが、勤怠管理システムです。派遣社員を採用する際には、ぜひ勤怠管理システムの導入をご検討ください。

多様な働き方にも対応可能な勤怠管理システム

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01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

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導入のポイント

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