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テレワークの勤怠管理の課題とは?解決方法やツールの選び方を解説

公開日時:2023.09.29 / 更新日時:2023.11.30

働き方改革の推進やコロナ禍による環境変化にともない、テレワークを導入している企業は増加しています。そのような状況下で課題となりがちなのが、従業員の勤怠管理です。 オフィス外で働く従業員の勤務時間や状況を把握しきれず、「生産性が低下した」「管理の手間が増大した」などの悩みを抱える企業は少なくありません。また、遠隔で管理できる体制が完全に整っていない状態でのテレワーク導入を余儀なくされた担当者も多いのではないでしょうか。 そこで、テレワーク下の勤怠管理でよくある課題や解決方法、勤怠管理に役立つツールなどを紹介します。テレワーク下の勤怠管理に悩んでいる企業の管理職や人事担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

テレワークの現状

内閣府が2023年4月に発表した「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、テレワークの実施率は全国で30.0%、東京23区では51.6%ともっとも普及が進んでいます。

また、東京都が2023年4月に発表した「令和4年度多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)報告書」によると、テレワークを導入している企業のうち、9割以上がテレワークを継続する意向です。また、継続意向の8割以上の企業が、今後拡大する意向もしくは同規模程度の実施と回答しています。

このように、テレワークは多様化した働き方のひとつとして定着しつつあります。一方で、テレワークによるトラブルや課題も指摘されています。テレワークにおける課題を把握したうえで、社内の制度や環境整備を行うことが、今後もテレワークを継続し、企業活動を続けるうえで重要です。

テレワークの種類

テレワークには、働く場所などによっていくつかパターンが存在します。テレワーク制度を導入する際には、どのような場所でのテレワークを許容するのかについてあらかじめ明確にしておくと、勤怠管理がスムーズになるでしょう。

テレワークとリモートワークの違い

テレワークは「tele(離れた場所)」+「work(働く)」を、リモートワークは「remote(遠隔)」+ 「work(働く)」をそれぞれ組み合わせた造語です。いずれもオフィスを離れた場所で働くことを指すため、テレワークとリモートワークに意味の違いはありません。

厚生労働省では、テレワークを「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しており、政府や自治体などの公的機関においては「テレワーク」が使用されるケースが多いようです。

テレワークの種類

テレワークは、主に働く場所や働き方によって以下に分類されます。

在宅勤務自宅を就業場所として働くこと
モバイルワークカフェやホテル、電車内などを就業場所として働くこと
施設利用型勤務サテライトオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなどの施設で働くこと
ワーケーション観光地や帰省先などを就業場所として、余暇を楽しみつつ働くこと

テレワークを導入する場合、在宅勤務は許容する企業が多いと考えられます。一方で、そのほかのテレワークはネットワークセキュリティや情報管理が課題となる場合があります。自宅以外でのテレワークについて、許容基準を明確に定めておくとよいでしょう。

テレワークを導入する際の注意点

テレワークは従業員にとって「ワークライフバランスの充実」「通勤時間の削減」などのメリットがあります。また企業にとっても、「生産性・効率性の向上」「オフィスコストの削減」「人材の確保」「従業員満足度やモチベーションの向上」などの、さまざまなメリットがあると考えられます。

しかし、テレワークを導入することで混乱やトラブルが生じることもあります。あらかじめ、以下のような注意点をしっかりと把握し、社内の制度づくりや環境整備に着手しましょう。

情報セキュリティ

これまでオフィス内にとどまっていた情報が外部に持ち出されるという状況になります。個人情報や機密情報の漏えい、デバイスの紛失、ネットワーク経由でのマルウェア感染などのリスクが考えられます。

人事評価

勤務態度の把握が難しくなるため、プロセス評価がおろそかになり、業績評価に重きが置かれる可能性があるでしょう。プロセス評価の項目を再考することが必要になるかもしれません。

勤怠管理・労務管理

テレワークではオフィス勤務時と同じ方法で社員の出社を確認することができないため、勤務実態の把握が難しくなるでしょう。従業員にとっては、プライベートとの境目があいまいになり、長時間労働やサービス残業などの発生リスクも考えられます。法令や給与計算に大きく関連する管理項目となるため、勤怠管理の徹底に向けた対策が必須です。

適切な勤怠管理は企業の義務

テレワークは働き方の多様化に対応し、災害などのリスクにも備えることのできる働き方ですが、従業員の勤務実態の把握が困難になったという弊害に直面している企業も少なくないでしょう

労働基準法では、使用者は労働時間を適正に管理する義務があることが定められており、テレワーク下においても適切な勤怠管理が義務づけられます。

2019年4月1日に施行された改正労働安全衛生法において、より厳密な勤怠管理が必要となりました。タイムカードやパーソナルコンピュータによる記録など、なんらかの勤怠管理を遂行する必要があります。これはテレワーク環境下でも同様です。

勤怠管理では、従業員の勤務時間や残業時間、遅刻や欠勤の有無を記録し、賃金支払いの根拠となるデータを取得します。適正な賃金支払いを継続するために、勤怠管理は欠かせません。

また、過重労働の回避も、労働基準法を遵守するために必要な取り組みです。過重労働の予防や早期発見の観点から、適正な方法で勤怠管理を行い、従業員の労働時間を把握する仕組みをつくらなくてはいけません。こうした取り組みは、従業員の心身の健康維持や離職防止といった面から見ても重要です。

テレワーク下の勤怠管理の課題

テレワーク下の勤怠管理では、タイムカードを用いる従来型の管理方法では対処しきれないことや、従業員の労働実態が確認できないことなどが課題となりがちです。ここでは、テレワーク下の勤怠管理によくある課題を見ていきましょう。

従業員の時間管理が難しい

多くの労務担当者を悩ませているのが、従業員の労働状況を把握することです。

テレワークの場合、従業員同士が顔を合わせて働く状況ではないため出勤状況が見えず、誰がどれだけ働いていたのかを実際に確認することは困難です。

まず、最低限対応しておくべきことは、職場から離れていても出退勤を打刻できる仕組みを取り入れることです。タイムカードを打刻しにオフィスへ出社するといった出退勤管理を実施している場合には、既存の仕組みを変更する必要があります。

さらに一歩進んで労働状況を把握するためには、オンラインでリアルタイムの勤務状況を確認できるスケジュール管理ツールや、従業員同士が気軽に情報共有できる社内SNSを利用する方法があります。

在宅勤務では、オフィスにいるときのように他者の目にさらされているという緊張感が薄れるため、「いつどのように仕事をするか」は個々人にゆだねられています。そのため企業側は、適切に従業員を管理する体制を整えなければなりません。ツールをうまく利用することで、離れた場所にいる従業員の勤務状況をある程度把握することが可能になります。

職種・雇用形態など人によって勤務条件にバラつきがある

テレワークを全社的に導入しようとしても、職種によっては難しい場合があります。例えば、接客業や製造業などのように、現場で業務を遂行する職種は、その場で出退勤ができる仕組みを継続することができます。一方で、テレワークと相性の良い事務職やシステムエンジニアなどの職種であれば、自宅やサテライトオフィスのような遠隔地で出退勤を申請できる仕組みが求められます。

人事評価の基準があいまいになる

テレワークでは、人事評価も重要な課題です。テレワークの場合はコミュニケーションをとることが難しくなると、従業員の業務遂行状況の把握があいまいになりがちだからです。

エンジニアや研究職などの技術職の場合は成果物の進捗状況から、営業職であればアプローチした件数や成約件数などの数値から評価することができるしょう。しかし、バックオフィス系(人事・財務)の業種で具体的な評価基準が設定されていない場合は、テレワークで業務評価を行う際の基準を明確にしておく必要があります。

フレキシブルな労働時間を採用すると、さらに管理が煩雑化する

テレワークの導入にあわせて、家事や子育てなどのプライベートな事情に配慮してフレックスタイム制といった柔軟な勤務体系を取り入れる企業が増えています。労働環境の改善の観点からは望ましいことですが、始業・終業時間が不規則になり、勤怠管理がさらに困難になるといえるでしょう。勤務時間中に仕事から一時離脱する「中抜け」にも対応しやすい環境にあるため、中抜けの実態把握や時間の管理も、しばしば課題となります。

テレワーク下の勤怠管理方法とは

テレワーク下の勤怠管理でよく利用されている方法には、導入ハードルが低いExcelでの管理、メール・電話での管理、そして勤怠システムによる管理の3つが挙げられます。

しかし、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、「使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること」、また「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」を原則として定めています。

Excel、メール・電話などの管理は自己申告となるため、ガイドラインによって推奨されていないことも念頭に入れておきましょう。

Excelやスプレッドシートで管理(ガイドライン非推奨)

Excelやスプレッドシートの勤怠管理では、従業員自らシートに勤務時間や業務内容を入力する方法をとります。無料で開始できるため、導入ハードルが低く取り入れやすいです。

しかし、入力内容が従業員任せとなるため、従業員自身が責任を持って勤怠管理を行わない場合には、虚偽の時刻を申請する可能性も高くなります。また、労務担当者は、従業員が毎日適切に入力しているか、入力もれがないかを確認する必要があります。締め日に確認作業が発生することは把握しておきましょう。

メール・電話で管理(ガイドライン非推奨)

出退勤時にメールや電話をすることで勤怠管理を行う方法です。特別な準備がなくても実施できる方法であるため、テレワーク導入を迫られた企業が取り入れやすいことが特徴です。ただし、毎回メールや電話で確認しなければならないため、管理側の業務が煩雑になり、工数が増えるというデメリットがあります。実施しやすい反面、コミュニケーションコストが発生することを考慮する必要があります。

勤怠管理システムで管理

近年注目されているのが、勤怠管理システムを導入して管理する方法です。勤怠管理システムは、文字どおり勤怠管理を目的として設計されているため、「勤務時間管理」「残業申請」「勤務スケジュール管理」などをまとめて行えるものが一般的です。これまでバラバラに管理していた「勤務時間管理」を一元管理することができ、正確にそれぞれの数値を把握できるのもメリットのひとつです。

また、出退勤はインターネットを介して行うため、オフィス以外でもパソコンやスマートフォンなどの端末から打刻できます。

勤怠管理システムを導入すると、労務担当者の業務量を圧倒的に削減できることも、需要が高まっている理由のひとつです。

テレワークにおける勤怠管理システム導入のメリット・デメリット

前述のとおり、テレワーク下での勤怠管理にはいくつかの方法がありますが、効率的に勤怠管理を行う方法は、勤怠管理システムの導入でしょう。勤怠管理システムは、テレワーク下における勤怠管理の様々な課題を解決します。一方で、デメリットもあるので、合わせて理解しておきましょう。

勤怠管理システム導入のメリット

勤怠管理システムを導入することで得られるメリットは次の4点です。

  • 正確な労働時間の管理・把握が可能
  • 管理部門の作業負荷やコストを削減
  • 残業管理や有休取得状況をリアルタイムで把握
  • 法令遵守がしやすくなり、法改正にも素早く正確に対応

勤怠管理システム導入のデメリット

勤怠管理システムを導入する場合には、次のようなデメリットも存在します。

  • 導入初期費用に加え、人数などに合わせたランニングコストがかかる
  • 操作や運用が浸透するまで時間を要する場合がある
  • 勤怠ルールの見直しや周知が必要となる場合がある

このように勤怠システムのメリットは、システムの機能にあり、デメリットは導入や周知における手順にあると考えられます。メリット・デメリットを把握したうえで戦略的な導入を行えば、運用段階では勤怠システムのメリットを十分に享受できるでしょう。

勤怠管理システムの選び方

自社の状況にあった適切なツールを導入することで、管理者の負担をかけずに正確な勤怠管理が実現します。

打刻方法の多様さ

テレワークでは、自宅のほかカフェやコワーキングスペースなど、さまざまな場所から接続することが想定されます。遠隔対応は必須であり、営業職のように外出が多い職種にはモバイル対応も求められます。

各種申請への対応

休暇申請や残業申請、休日出勤申請などがオンラインで完結するシステムを選びましょう。

給与計算などほかのシステムとの柔軟な連携

人事部ですでに使用している給与管理・人事管理といったシステムとスムーズに連携できれば、既存の業務プロセスを変更することなく導入できます。また、勤怠管理だけでなく給与計算や人事評価なども効率化できます。

自社の勤務体系に適応可能

正社員・契約社員やアルバイトの別、フレックスタイム制や裁量労働制、みなし残業への対応など、自社の組織体系や勤務体系に適応した勤怠管理ツールを選ぶことが大切です。これらに対応していない場合、例外やシステム外での対応が発生して、思うように勤怠管理が効率化されません。

従業員、管理者、関係部署の使用感

手間がかからず、打刻ミスや不備が出にくい管理システムがよいでしょう。従業員はもとより、確認して承認する管理者や、給与計算、人事評価に使用する人事部などにとっても使いやすいシステムを選ぶことも重要です。従業員のITリテラシーに左右されないユーザーインターフェースかどうかを確認しましょう。

充実したサポート体制

導入する際は、既存システムとの連携方法がわからなかったり、従業員が慣れていなかったりして、サポートが必要な場面が出てくる可能性があります。導入時や導入後のサポート体制が充実しているツールであれば、スムーズな勤怠管理が可能です。

まとめ

Excelやメールを活用した勤怠管理は、従業員・管理者の負担がかかるうえ、ミスや不備の温床になることもあります。そのようなときは、勤怠管理システムの導入が有効な選択肢になるでしょう。勤怠管理システムを選ぶならば、従業員の操作性や利便性に応える機能だけでなく、労務リスクから守る危機管理機能の充実度、困ったときはいつでも頼れるサポート体制などを意識することが大切です。

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01基礎知識

勤怠管理の意義と
重要性

02選び方

勤怠管理システム
選び方の基本

03実践編

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導入のポイント

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