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無期雇用への転換
Vol.78 2018.01.18

無期雇用への転換、対応のルール化など準備は済んでいますか!?

アマノ主催の労務セミナーでは1年以上前から無期雇用転換について解説してきました。顧問先様にも対応準備を促し規程整備など行ってきましたが、2018年4月が近づくに従い質問も多くなってきました。セミナーで話してきたことを改めて説明します。

杉本 一裕氏

杉本 一裕

【プロフィール】

SRO労働法務コンサルティング
代表・特定社会保険労務士

●略歴●
1985年メーカー系IT企業に入社。多数の企業にて勤怠、給与、人事制度の業務コンサルティングを行う。在職中、兼務にて消えた年金問題で総務省年金記録確認/大阪地方第三者委員会に2007年勤務する。
その後退職、社会保険労務士事務所を開業し現在に至る。
製造業、病院、大学、IT企業、鉄道、販売流通業など幅広い業種において労務相談やコンサルティング業務に従事。労務リスク回避や労務管理に関する専門家として、講演や執筆活動も行っている。

●著書●
労務管理に関する月刊誌(日経BP社、コントロール社、他)や書籍
執筆中コラム:日経BP社 「職場のトラブル相談室」
関係セミナー講演多数登壇。

なぜ4月で騒ぐのか?無期転換とは

労働契約の法改正により、雇用契約が通算5年を超える有期雇用社員(契約社員、パート社員など)から申出があれば無期雇用に転換しなければなりません。この法改正から5年を経過した2018年4月より勤務年数が5年を超え無期転換対象となる社員が出てくるために、規程など整備していなかった会社から問い合わせが増えてきたということです。

無期雇用への転換申込みについて会社は拒否できません。社員からの申込みにより次回の雇用契約より無期雇用に転換しなければなりません。会社によってパート、アルバイト、嘱託、契約社員など多くの有期雇用社員がいます。呼び方に関わらず有期雇用社員が対象になります。

図1

※厚生労働省の周知用資料をベースに作成

会社が悩むのは定年です。申し込みがあれば無期雇用に必然的にしなければなりませんが、何歳まで働けるかを明確にしておくべきです。人事総務部門も有期雇用のときは期間契約なので定年を意識していないでしょう。しかし、無期になれば乱暴な言い方をすれば何歳まででも働けることになります。年金の支給開始年齢が65歳(経過措置中)になることから再雇用制度でも65歳までの雇用を義務づけています。無期雇用者も65歳まで働ける環境を作ればよいと思います。

しかし、既に65歳を超えている社員が存在する場合、高齢者雇用の多い会社などは第2定年、場合によっては第3定年まで考慮しなければならない場合も出てきます。

いつまで働けるか決まっていない会社は決めておかないと雇止めトラブルになる可能性もありますので定年の概念を取り入れるべきです。退職時期についてトラブルにならないように有期雇用者用の就業規則(例.パート就業規則)があるなら就業規則に、少なくとも労働契約書には記載し明確にしておきましょう。

半年空ければ勤務年数はゼロ?

クーリングオフという制度があります。5年を超えて雇用する場合に無期雇用の申込権が社員に発生するのですが、半年空けると年数カウントがリセットするというものです。よって例えば5年を目前に一旦雇用を終え半年の空白後に雇うことを繰り返すと無期雇用への申込権は発生しないことになります。社員にとって喜ぶ話ではありません。現実的運用でなく、これを使おうとする会社の社員にとっては雇用不安にもつながります。長期雇用を目的に無期雇用転換の法改正が行われたと考えると不思議なルールです。

「半年経ったら、また当社で働くことができます」なんて会話が聞こえてきそうです。半年空けないと雇用を打ち切るといった立ち振る舞いは許されません。両者合意で社員が半年空けることを望む場合を除いてトラブルに繋がる可能性があります。

正社員も対象になるのか?再雇用制度導入の会社でやっておくべきことは(第二種計画・認定変更申請書の申請提出)

正社員は、もともと有期雇用ではないので本件については関係がないように思われています。しかし、再雇用者については注意が必要です。多くの会社が60歳の定年後に再雇用し65歳まで働ける制度を導入しています。再雇用制度では1年契約毎の更新手続きを行っている場合が多く、再雇用者は有期雇用者に該当するからです。

よって再雇用者にも無期雇用への転換申込権が発生します。そこで、再雇用者で5年を超えて雇った場合のために第2定年を作らなければと騒いでいました。その後、2015年4月1日施行の法改正で労働局に第二種計画・認定変更申請書を申請することで正社員からの再雇用者については除外できることとなり、会社も年齢を気にせず高齢者を雇い続けることができるようになりました。

第二種計画・認定変更申請書のイメージは下記です。ネットでダウンロードできますので申請しておきましょう。

図2

【出典】福岡労働局ホームページ
http://fukuoka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/view.php?pageId=120256

こんな言動は要注意、そして長期雇用予定がないなら明確にしておくべき

有期雇用社員からの無期転換への申込みで、無期での雇用契約が成立します。申込みで契約が成立しますので会社に拒否権はありません。無期雇用にするのはイヤだって会社が出てくるかもしれません。無期雇用者にしないために嫌がらせや契約内容の改悪などは「自社=ブラック企業」と言っているようなものです。

例えば、
(嫌がらせで)無期になるなら転勤があることを示唆する。
(嫌がらせで)無期になるなら短時間勤務からフル勤務に変更すると強要する。
長期雇用の予定がないのであれば、労働契約時に5年を超えて契約更新しない旨を最初にはっきりと伝えておくべきです。

まとめ

無期雇用者は言葉どおり無期となります。定年を定めておきましょう。

再雇用者については第二種計画・認定変更申請書を申請しておきましょう。

5年を超えて雇う意思が会社に明確にないのなら初めから伝えておきましょう。

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